任意団体 voluntary association 設立と税金の話



 任意団体は、サークルや自治会、マンションの管理組合など2人以上が集まる非営利の団体で、税務上は「人格のない社団」「権利能力のない社団」となります。設立する際に、法的な登記や行政への届け出はいりません。 ただ、団体内でのトラブルを避けるために、規約(定款)や代表者を定めたほうがよいと、一般的にいわれているようです。契約や財産管理は代表者個人の名義で行い、収益事業には法人税や消費税が課されます

 「権利能力のない社団」の成立の要件は、次の4つです。
(1)団体としての組織を備えている
(2)多数決の原則が行われる
(3)構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続する
(4)その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定している

 ある分野の研究者たちが、交流や研究結果の発表などを行う団体である学会は、多くは任意団体として設立されていたようです。しかし、国からの働きかけで、2001年以降に法人化が進んだとのこと。
任意団体の中小学会も日本学術会議から法人化を推奨されるようになりました

 
 任意団体が、年会費や寄付だけで運営されていれば、確定申告は不要です。しかし、事業所得がある場合は申告・納税の対象となるため、収支明細を明確にする必要があります

 例として挙げられるのが、マンションの管理組合の駐車場代です。区分所有者以外に有料で駐車場を貸している場合は収益事業なので、駐車場代は事業所得となります。

 任意団体の確定申告の事務手続きについては、法人と同様になります。法人税を計算するためには、会計帳簿や請求書、領収書などが必要です。
 法人税や消費税などの申告でe-Taxを使うための利用者識別番号を取得するには、「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」を税務署へ提出します。

■関連記事
結局のところ、「営利」とは何なんだ問題 ~特に税金に関して (2026年2月13日再構成)

■主な参考資料
民法上の任意の組合と権利能力なき社団(人格なき社団)
※要点が整理されていてとてもわかりやすい

踊る阿呆の法的性質

組合とは、組合契約により成立した団体であり、民法667条以下に規定されています。複数人の出資約束で成立し、組合契約は明示的なものでなく、黙示の合意でも良いと考えられています。

一方で権利能力なき社団は民法上の規定はなく、社団としての実質を有しながら法律上権利義務の主体たりえない団体のことです。例えば、法律がないために法人になることができない団体(同窓会やサークル)、法人格を取得できるが、手続上の煩雑さ等を理由に法人格を取得していない団体等です。

組合と権利能力なき社団はどのようにして区別するのでしょうか。
判例においては、権利能力なき社団の成立要件は(1)団体としての組織を備えているか、(2)多数決の原則が行われているか、(3)構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続するか、(4)その組織についての代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているかどうかにより個別具体的に判断される、とされています。厳密に言うと、あらゆる任意団体が組合と権利能力なき社団に峻別されるわけではありませんが、上記4つの要件に該当する団体が権利能力なき社団、それ以外は組合ということになります。



資料2 ⼀般社団法⼈と任意団体の⽐較
※海外送金と補助金がネック

法人化についての議論の要点

おしえてNPO・ボランティア

法人格を持たずに活動している団体は、一般に任意団体と呼ばれています。任意団体は、法律上はあくまで個人の集まりとして扱われるので、団体名義で契約したり、財産を所有することができません。
「人格のない社団等」は民事実体法における「権利能力のない社団」と同義と解されているが、権利能力のない社団の成立要件は、
(1)団体としての組織を備えており、
(2)そこには多数決の原則が行われ、
(3)構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、
(4)その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているもの
とされていることを確認。


〔人格のない社団等(第8号関係)〕

法第2条第1項第8号に規定する法人でない社団とは、多数の者が一定の目的を達成するために結合した団体のうち法人格を有しないもので、単なる個人の集合体でなく、団体としての組織を有し統一された意思の下にその構成員の個性を超越して活動を行うものをいい、次に掲げるようなものは、これに含まれない。

(1) 民法第667条《組合契約》の規定による組合

(2) 商法第535条《匿名組合契約》の規定による匿名組合

法人でない社団又は財団について代表者又は管理人の定めがあるとは、その社団又は財団の定款、寄附行為、規則、規約等によって代表者又は管理人が定められている場合のほか、その社団又は財団の業務に係る契約を締結し、その金銭、物品等を管理するなどの業務を主宰する者が事実上あることをいうものとする。したがって、法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのないものは通常あり得ないことに留意する。
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