「市川地域広報戦略研究所」計画 その1 真正面からお金の話をしよう

  まちづくりの専門家で「狂犬」と呼ばれている木下斉さん。


 狂犬!



 かみつかれそうなイメージですが、そう呼ばれている理由は、忖度なく正論を突き付けるからのようです。

僕は普通のことを言っているつもりなんですけど、とにかく経産省や国交省や総務省や内閣府とかとそういう話をしていると、異常者のように扱われて「狂犬」と呼ばれたり、「出禁だ」とか言われるんですけど。



 そんな木下さんがフェイスブックで正論を述べていました

全国の地域プロジェクトでも、お金の話を避けたせいで関係が壊れる場面を数え切れないほど見てきました。特に「自分はお金のことは苦手で…」なんて言って避ける人が、結局は無責任な選択をしてしまう。

 「自分はお金のことは苦手で…」なんて言って避けてきた自分ではありますが(言い訳ではなく本当に苦手)、責任ある選択ができるよう、「市川みらいアーカイブ」のマネタイズについて検討しました。

 マネタイズの大きな目的は、活動継承。「マネタイズすれば、自然に後からついてきますよ」というアドバイスももらいました。活動に加わってくれる人を増やそうとするよりも先に、マネタイズを考える必要があるわけです。

 マネタイズの大前提は、「相手がお金を払いたくなる商品・サービスである」ということ。

 市川みらいアーカイブで格納している情報の需要は、現時点ではありません(キッパリ)。「お金を払ってでも手に入れたい」という段階になるのは、「まちをコンパクト化しなければ、地域運営はにっちもさっちもいかなくなる」というタイミングです。住民同士・行政と住民・企業と住民とで、冷静に話し合うための材料となる情報が求められるのは、2050年だと想定しています。25年も先の話……


 なお、市川みらいアーカイブのほかにも、民間によって地域アーカイブを立ち上げた例はあります。ただ、運営費と調整の難しさがネックで、活動が止まりかけているような印象。立ち上げの際には、ボトムアップではなくトップダウンで実行したほうがスムーズなのかもしれません。

 マネタイズに話を戻すと、市川みらいアーカイブ単体では困難と判断し、複合的に検討し始めました。
 それが「市川地域広報戦略研究所」計画。

 暮らしと生業がテーマのクラナリなのに、なんてお堅い……
 
 お堅いネーミングの理由は、まず、アーカイブとは、教育機関や研究所に付属していることがほとんどなので、「研究所」を上の階層に設定したこと。
 そして、市川みらいアーカイブは、地域情報を積極的に発信しています。どのような図を用いて、どのような言語表現を使うと、より情報が届きやすいのかを常時検討していることから、「広報戦略」としました。
 また、もっと柔らかい表現の「生活文化研究所」なども候補でしたが、こうした表記はすでに多方面で使われていたのです(行政、個人、寺院など)。さらに「市川」は名字にも多いため、これまでに使われていない表記を探すのが厳しく、ネットではヒットしなかった「市川地域広報戦略研究所」となった次第です。


 さておき、市川地域広報戦略研究所の下の階層に、市川みらいアーカイブを位置づけます。
 そして、市川みらいアーカイブと同じ階層に、現在、広く関心を持たれているとされている情報を、市川市の現況と照らし合わせつつ提供し「あら、けっこう便利だし、ちょっとおもしろいし、応援したいかも」と市民の皆さんに思ってもらえる(はずの)構造です。

市川地域広報戦略研究所

一般公開コンテンツ

○市川みらいアーカイブ 一般公開サイト

研究員限定コンテンツ

○市川みらいアーカイブ:データ格納

会員限定コンテンツ

○市川みらいアーカイブ 会員限定サイト:一般公開サイトで人気のあった記事をもう一段掘り下げた記事を掲載
○市川大百科事典
○地域の年表
○パワースポットガイド

会員優先イベント

○「地域の神様」探求会:市内の神社などパワースポットを巡り、その土地の歴史や「運とは何なのだろうか」を探求する
○お金の勉強会(ひきこもりのサバイバルプラン、FIRE、子どもへのお金教育など)→会員限定コンテンツ化(動画、レポート記事、まとめ記事)
○健康に関する勉強会→会員限定コンテンツ化
○市川にまつわる食の体験会(月梅のねぎそば再現イベントなど)→会員限定コンテンツ化
○市川ブックフェア:プロ・アマ(学生も)問わず、市川市内に所在・在住する出版社や著者の紙媒体を手売りするイベント
市川みらいアーカイブの仕組み


 マネタイズについては、「市川みらいアーカイブも含めた市川地域広報戦略研究所の活動を、励ましてあげたい」「共感できるかも」「もうちょっと情報が欲しいな」「交流してみたい」という市民の皆さんからの会費で運営をサポートしていただく形を考えています。

 会員特典として、会員限定コンテンツ、勉強会などのイベントの優先告知、会員交流会などを検討しています。

 マネタイズのもう一つの手段は、タイアップ企画。雑誌では頻繁に行っていたのですが、典型例は「ある商品を著名人に使ってもらって、使い心地などを記事にする」というもの。タイアップ企画については、必ず「PR」「広告」とうたわなければなりません。景品表示法で定められています。

 将来、運営がうまくいったら、民間のデジタルアーカイブを立ち上げたい団体などに、「市川みらいアーカイブ方式」としてノウハウを有償で提供します。
 
 会計の面では、市川地域広報戦略研究所という名称で口座を開設するためには、団体会員(今回の場合は所長と所員)は3名以上が必要とのこと。
 そのため、最初はサークル活動として3名以上で活動し、半年ほど活動して実績を作り、任意団体として口座を開設します。ここで、ギャラの額などさまざまな規定を決めて、マネタイズの道を進みます。会員が増えたら、ようやく有償で運営できるようになります。なんて長い道のり。

 ちなみに任意団体として口座を開設する場合には、以下が必要とのこと。

お持ちいただく書類等
①団体の規約(「団体の代表者様の証明」があるもの)
②団体の活動実績が分かる資料
③団体の総会議事録
④団体の収支報告書
⑤口座に設定する代表者様の本人確認書類(運転免許証等、顔写真付きの証明書類)※1
⑥来店者様の本人確認書類(運転免許証等、顔写真付きの証明書類)※1、※2




 マネタイズの小さな目的は、研究員(運営スタッフ)や寄稿・情報提供者へのギャラの支払い、イベントでの謝礼、その他経費です。
 お金を介在させることで、いわゆる「なあなあの関係」から脱却できます。木下さんの表現を借りると、責任が生まれ、大きな目的である活動継承という流れになるわけです。



■主な参考資料
サークルなどの団体名で、銀行口座を開設する方法
Powered by Blogger.