今年こそ体を引き締めたい人にお勧め!体力ゼロから始める筋力トレーニング<基本姿勢>

 姿勢が正しくなるだけで、体は引き締まります。

 正しい姿勢で筋力トレーニング(筋トレ)を行うと、メリハリのある体形と太りにくい体質をつくるために役立ちます。
 さらに、正しい姿勢での筋トレを無理なく続けることで、こりや痛みも解消するのです。

 私は若い頃に筋トレ大好きで、当時は腹筋がうっすらと割れていました。
 そのおかげか、21年にわたる雑誌編集の仕事でも筋トレ特集を数多く割り振られてきました。こうした経験をもとに、普段は運動などをまったくやっていない人を対象に、体の引き締めに効果的な筋トレを考えてみました。

 本や雑誌などを参考に自己流で筋トレをした場合、関節痛を招くことがあります。
 原因として、トレーニングの負荷が筋力に対し大きすぎたこと、そして、姿勢が悪いため負荷がバランスよく分散されなかったことが挙げられます。

 ですから、筋トレを始める前に、姿勢を正しくする体操を行います。姿勢がよくなってきてから、筋トレを取り入れましょう。姿勢がよくなるまでに個人差はありますが、1週間ほど行えば改善するはずです。

■正しい姿勢のポイント
 背中が丸まって猫背の人は少なくありません。この状態では、体の各部の動く範囲が狭くなります。

 試しに、猫背の状態と背すじを伸ばした状態で腕を回してみて、動きを比較しましょう。猫背だと腕が高く持ち上がりません。このように、腕の動きが制限されるのです。

 また、猫背で歩くと、重心が前に来るため、足を大きく踏み出せません。小またでチョコチョコと歩くと、ふくらはぎの外側の筋肉ばかりが使われます。
 言い換えれば、おしりや太ももの筋肉が使われずにたるんで、ふくらはぎがカチカチに固くなります。

 猫背の結果、筋肉の使い方が偏り、一部の筋肉に大きく負荷がかかるので疲れてしまうわけです。

 背すじを伸ばした状態では、全身の筋肉がスムーズに動きます。
 正しい姿勢が、本当の意味で楽な姿勢なのです。

 正しい姿勢を維持するポイントは、足首・ひざ・腰(骨盤)・肩(肩甲骨)です。
 これら4つのポイントに関係する筋肉をうまくコントロールできれば、体が安定し、正しい姿勢が保たれます。


 二足歩行する人間は、狭い足の裏で体重を支えているので、体が不安定です。
 加えて、足首とひざの動きが悪いと、負担が一部に偏り、いっそう不安定になります。

 ですから、足首とひざの柔軟性を保つことが大事です。

 また、腰(骨盤)は、背骨の土台であると同時に、上半身と下半身の継ぎ目に当たります。
 腰回りの筋肉を柔軟にすると、上半身と下半身がうまく連係し、全身が安定します。

 これまでトレーニングを行ってこなかった人は、以下の体操で適度な筋力と正しい姿勢を身につけましょう。
 骨盤と肩甲骨は連動しているので、「骨盤ぐるぐる」で肩甲骨も柔軟に動くようになるはずです。
 さらに、ふくらはぎのストレッチもプラスして行うのが理想的です。
 朝と夜の1日2回は欠かさず、できれば暇を見つけて何回も行うようにしましょう。


【姿勢を正しくする体操】
○足の裏のトレーニング  足の裏を意識することで体が安定する
1 直立して、足を腰幅に開く。
2 足の指を伸ばし、10秒間床に押し付けてから、力を抜く。
3 10回繰り返す。

※裸足で行うのが望ましい。

○骨盤ぐるぐる 骨盤周辺や足の筋肉を柔軟にする
1 足を腰幅に開いて立つ。このとき、外またや内またにならないようにし、足の指の腹をしっかりと床に押し付ける。
2 ひざを少しだけ曲げて、両手を太もものつけ根に当てる。
3 顔を正面に向け、視点を定めてから、骨盤を前→右→後ろ→左の順に大きく、ゆっくりと回す。足がぐらつかないように、足の指の腹を床に押し付けておく。
4 3を10回繰り返した後、同様に骨盤を前→左→後ろ→右の順に大きく、ゆっくりと回す。

※満腹時には行わない。

文/森 真希(もり・まき)

医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。
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