デトックス効果を発揮するドクダミ茶

  空き地や道端にひっそりと生えているドクダミ。地上部を抜いてもまた生えてくることから「厄介な雑草」と思われているのではないでしょうか。

 そんなドクダミは、「十薬」とも呼ばれ、さまざまな症状に対して毒出し(デトックス)効果を発揮する薬草です。
 葉、花から根茎まで、すべて薬として使われてきました。

 ドクダミの花は、白い苞に囲まれた、中央の黄色の部分です。花が咲く時期が、最も薬効が高いという説もあります。

 ホワイトリカーに漬けたものを化粧品として使ったり、虫刺されには生葉をもんで出た汁を塗ったり、さまざまな使われ方をしてきました。



 ドクダミは東アジアに広く分布する、多年草草本です。白くて細長い根茎が地下に伸びて、根茎から芽が出ます。ドクダミを抜いてもまた芽が出るのは、抜く際に切れた根茎が地中に残っているからです。抜いても芽が出るしぶとさから、「しぶとぐさ」などとも呼ばれていました。

 中国では「魚醒草」という名前で、『本草綱目』という古い薬学書にドクダミの記載があります。ドクダミを乾燥させた葉は漢方薬の材料(生薬)にも使われ、生薬名は「十薬」です。
 日本では、『大和本草』(著/貝原益軒 1709年)に「甚だ臭あし」 、『和漢三才図会』(著/寺島良安 1713年)では「その臭きこと言い難し」「能く便毒に伝けて良し」 と書かれていたそうで、昔の人もドクダミのにおいには困っていたようです。
 ドクダミの生葉のにおいの成分(デカノイルアセトアルデヒド、ラウリールアルデヒド)に強い抗菌性があることがわかっています。

○お茶の作り方
 根茎ごとドクダミを引き抜き、表面のゴミを水で洗い落します。そして根茎で束ねて風通しのよい場所につるし、日光に当てて短期間で乾燥させます。乾燥した葉を、風通しのよい日陰につるして保存しましょう。

 こうした作ったドクダミの乾燥葉(お茶)は葉や茎を適宜ハサミで切ってから、緑茶と同様、急須に入れお湯を注いで飲んでもいいでしょう。
 また煮出す場合、沸騰したお湯1リットルに大さじ1~2のドクダミの葉・茎を入れ、弱火で5分ほど加熱する方法があります。

 ちなみに、私は母が作ったドクダミ茶を、子ども時代に飲んでいた経験があります。やかんにドクダミの葉と茎を一つかみ入れて、沸騰させたら火を止めて冷ますという、かなり適当な煮出し方をしていました。

 「花が咲く時期に薬効が最も高まる」という情報もネット上で流れていますが、専門家に尋ねたところ、根拠はないそうです。きっぱりと「花と薬効は、関係ないですね」と言われました。
 ですから、花にはそれほどこだわる必要はありません。ちなみに、花のように白く開いているのは、苞と言って葉です。中央の黄色の部分が花なのです。

 以前に私が取材した薬学博士は、お湯の量が半分になるまで煮詰めたほうがいいと話していました。
 そして、ベトナムでは野菜として、生葉がサラダに使われるとのこと。

 「えっ、生で食べるの……?」
 そう思いつつも、試しに若い葉っぱを食べると、シャンチャイ(パクチー)のような味わい。
 あくまでも仕事の一環で、少量の生葉を食べたまでのことなので、お勧めはしません。皆さんは自己責任で行ってください。
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