右肩上がりの社会保険料について考えてみた
少子高齢化で社会保障費が増大しています。加えて、「子ども・子育て支援金」といった新たな制度も導入されています。こうしたことから、健康保険や厚生年金といった社会保険料が所得に占める割合は、年々高くなっています。
その傾向は、間違いなく、今後も続くでしょう。
社会保険料の管轄は厚生労働省で、以下の5つの種類があります。
○健康保険:仕事以外での病気やケガ、出産などに備える医療保険(会社と従業員で折半)
○厚生年金保険:老後や障害、死亡などに備える公的年金制度(会社と従業員で折半)
○介護保険:40歳以上が加入し、介護が必要になったときに利用する制度(40〜64歳は健康保険に上乗せして会社と折半)
○雇用保険:失業した際の手当支給や育児休業給付などのための保険(会社と従業員で負担、会社の負担割合が多い)
○労災保険:業務中や通勤中の事故による病気・ケガ・障害などの補償(会社が全額負担)
税金には控除や軽減措置がありますが、社会保険料には存在しません。退職後の生活の支えになる公的年金からは、所得税・住民税の税金だけでなく、介護保険料、国民健康保険料または後期高齢者医療保険料の社会保険料も天引き(特別徴収)されます。
税金については、1~12月の所得で額を計算します。計算方法には、分離課税と総合課税があります。
分離課税
一定の所得については、他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算(対象となる主な所得は、退職所得、山林所得、土地・建物や株式等の譲渡所得、一定の利子・配当・先物取引による雑所得など)
○メリット:高所得者でも税率が一定で税負担を抑えられる
○デメリット:原則として他の所得と損益通算ができない
退職金・iDeCo(個人型確定拠出年金)を受け取る際、「一時金」として一括で受け取ると、退職所得の扱いになります。国民健康保険料や介護保険料などの社会保険料の算定対象にはなりません。
しかし、年金(分割)で受け取ると雑所得(公的年金)扱いとなり、社会保険料の算定対象となります。
総合課税
給与所得、事業所得、雑所得、一時所得などを合算して税金を計算
○メリット:損益通算できる
○デメリット:合算された所得が増えるほど所得税の税率が上がる
個人年金や積立年金といった民間保険については、「一時金」として一括で受け取ると、一時所得になり、原則として総合課税の対象です(保険期間が5年以内などの短い商品では源泉分離課税)。一時金で所得が増えた翌年は、住民税や国民健康保険料、介護保険料の負担が増加します。
なお民間保険を年金形式で受け取っても、雑所得として、課税対象になります。
例えば、定年を迎える誕生月が11月、12月の人は、定年を迎える年の給与収入はほぼ1年分です。そのため、定年と同時に民間保険を「一時金」で受け取ると、総合課税の税率は高くなります。
逆に1月が誕生月で、その年に収入が少なければ、「一時金」を受け取っても税負担は軽くなります。
ちなみに、国税庁のNo.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったときによると、税金の計算では受け取った総額ではなく「利益」が対象となります。
税金の計算式:(受取保険金額 - 払込保険料総額 - 特別控除額50万円)× 1/2 = 課税一時所得金額
一方、国民健康保険料の基本的な算出構造保険料は一般的に次の3つの合計で決まります。 ○所得割:前年の所得に応じて決まる金額(基礎控除などを差し引いた額に税率をかける)
○均等割:加入者の人数に応じて一律でかかる金額
○平等割:1世帯当たりの金額(自治体による)
厚生年金保険料は、毎年4〜6月に支払われた給料の平均額をもとにした「標準報酬月額」や「標準賞与額」に各保険料率をかけたり、「公的年金等に係る雑所得」をもとにしたりして計算します。
老後のお金を守るために、社会保険料や税金については、ある程度知識を蓄えておいたほうがよさそうです。
■主な参考資料
知らないと3万5000円の損…元国税専門官が教える「社会保険料を軽くして手取りを増やす目からウロコの一手」
Leave a Comment