白湯の思い出と「わかりにくさ」が発生する第5の理由

「白湯」



編集者時代、ある男性編集者の原稿を読んでいたらこの字が出てきたので、私は「ルビを振ったほうがいいですよ」と伝えました。

すると彼は「パイタン」と振ったのです。



おいおい!



彼は麺好きの関西人でしたが、そのときはウケ狙いではなく、本気で「パイタン」。

原稿の文脈からパイタンスープはあり得ないのですが、彼はそれしか思い浮かばなかったのでしょう。



「さゆ」が正解のルビ。

そのときは「パイタンはないでしょ~」と一緒に笑ったのですが、ルビを振る場に私が残っていなければ彼は勘違いしたままだったかもしれません。



これは私の指摘ミスです。

「彼は当然『白湯=さゆ』を知っている」と思い込んでいたのです。



相手も自分と同じことを知っているという思い込み。

これも「わかりにくさ」を発生させます。



この経験を私はすっかり忘れて、最近、白湯を原稿に登場させたばかりに、クライアントに勘違いされたままウェブに掲載された文章があります。



自分の常識が読み手にとっても常識かどうか、そもそも自分の常識がズレていないか、注意しながら原稿を書かなくてはと反省しているところです。




パイタンじゃなくて、さゆ










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