腎臓を巡る、長く、曲がりくねった物語 その22 腎臓の細胞の"毛"の話

 小腸の内側の壁に、たくさんの柔毛があることは、よく知られていると思います(「柔突起」「絨毛」ともいいますが、教育用語は「柔毛」で統一)。

 まずは柔毛の断面を見てみましょうか。
柔毛の断面(腸管上皮細胞と腸内細菌との相互作用より、一部改変。黄色がリンパ管、赤が動脈、青が静脈)



 上皮細胞など、たくさんの細胞が並んで柔毛を形成しています。

 なんと、この上皮細胞に"毛"が生えているのだそうです。
 上皮細胞には、外気や液体にさらされている「頂端面」と、結合組織にくっついている「基底面」があります。小腸の上皮細胞の頂端面に"毛"があることが、以下の図でわかります。
上皮細胞の毛である刷子縁(2.1 細胞から組織へより)

 毛&毛。もうもう。

 小腸ではアミノ酸やグルコース、脂肪酸などたくさんの物質が吸収されるため、毛&毛構造になっているのでしょうか。

 同様に、現尿からたくさんの物質を再吸収している腎臓の尿細管の上皮細胞にも"毛"があります。
左の「野生型」が正常な状態での上皮細胞(2.1 細胞から組織へより)


 細胞の"毛"の研究者もけっこういるようで、なんと、"毛"論争も行われているそうです。雑誌で特集が組まれていました。


 目の網膜にも、"毛"があるとのこと。

 細胞というと、「全部、丸っこい形をしているんじゃないか」とつい思ってしまいます。
細胞小器官(イラスト/おやすみん

 しかし、"毛"があるなど、バリエーション豊富のようですね。
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