骨盤と手首・足首にアプローチして冷えを解消

 なんだか気持ちがふさぐ。
 些細なことでイライラが募る。
 元気が出ない。

 こうした心の状態が、体の冷えから引き起こされていることは珍しくありません。

 冷えには自覚があるタイプと、ないタイプがあります。
 「寒くて手先が冷たい」というのは前者で、本人も対処しようとするから大丈夫なのですが、厄介なのは自覚のない冷え。
 冒頭で紹介した心の問題だけでなく、頭痛や生理痛などといった痛みという形で表れてくることもあるからです。
 そして食べ過ぎ・飲み過ぎも、冷えによるストレスが引き起こしていることもあります。
 中でも男性や若い人は、まさか自分の体が冷えているとは思わないので、不調を性格や気分のせいにしたり、薬でごまかそうとしたりして、さらにこじらせてしまいがち。注意が必要です。

冷えには自覚があるタイプとないタイプがあります

 腹巻きなどを使った冷え取りは、手軽にできるうえ、副作用がありません。
 気になる不調があれば、最初に試してほしい健康法です。

 東洋医学に詳しい医師や治療家から、冷え取りの急所は体で「首」と名のつくところだと聞きました。つまりは首、手首、足首です。

 首、手首、足首では太い血管が体表に近いところを通っています。
 そのため、首、手首、足首が冷えると、血管を通る血液も冷やされてしまいます。
 冷たい血液で体の各部が冷やされて、こりやしびれなどといった不快な症状が引き起こされるというわけです。
 また、「体が冷えれば心も冷える」と話す治療家は珍しくなく、冷えによる不快な症状で私たちは気分の面でも余裕を失ってしまうようです。

 ところで、冷え取りとして有名なのは5本指ソックスではないでしょうか。
 すっかり定着した感もありますが、私が編集者になった二十数年前は5本指ソックスや重ねばきは知られていませんでした。

 冷え取り企画の先駆者である編集者が靴下を5枚も重ねばきをして、大きな靴を履いていたので、大学を卒業し立ての私は「うわぁ、変な人がいる……」と不思議な目で見ていました。
 今や重ねばきもすっかりおなじみ。間違いなく彼の功績です。

 冷え取りには、この「5本指ソックス・重ねばき」派と、冒頭で紹介した「『首』温め」派の2派がありますね。
 後者は、手や足の指といった体の先端は開放したほうがよいと考えています。
 根拠は、「気」という生命エネルギーが体の先端から出入りしているというもの。
 気をスムーズに流すために体を締め付けず、「首」と名がつく部分だけを温めるのです。
 理屈はともかく、私自身がどちらも試して、気持ちよく体が温まるうえ、体を自由に動かせるので「『首』温め」派になった次第です(ちなみに5本指ソックスもスニーカーを履くときは必ず使用しています)

 「『首』温め」派の観点から、オーガニックコットン製の「手首・足首ウォーマー」をプロデュースしました。
 薄くて体を締め付けず、肌触りがよいので、寝るときには欠かさず私自身も使っています。

 知人の男性(やせ形の中年)は、股引の代わりに手首・足首ウォーマーを着用していました。股の部分が窮屈ではないうえ、十分に温かいから、手放せないとのこと。

手首・足首ウォーマー 各1000円


 大切なのは手首と足首を保温すること。
 特にレッグウォーマーについては、ふくらはぎからかかとまで覆うようにしましょう。
かかとをすっぽり覆うような感じだと足がよく保温されます(足がサンダル焼けして汚くてスミマセン)

 夜寝るときにも足首を保温すると、眠りが深くなって体調が整えられるはずです。

 また、女性は骨盤を冷やさないようにオーガニックコットン製の「骨盤冷え取り腹巻き」もプロデュースしました。
骨盤冷え取り腹巻き 1000円

 薄くて肌触りがいいので、夏場も重宝します。
 ポイントは丈の長さ
 おなかではなく骨盤を覆うような感じで、尾骨を腹巻きでカバーします。

通常よりも下の位置で、尾骨をカバーするように装着しましょう(実際は直接肌に着けます)

冷え取りでは、筋肉を使うことも重要です。
 皆さんもご存じのとおり、筋肉は人間の最大の発熱器官。
寒いからといって、じっと動かずにいればどんどん体は冷えてしまいます。

 筋肉を動かしやすくするためのボディワーク「骨盤ぐるぐる」も行うといいでしょう。

〇骨盤のゆがみが取れて姿勢が美しくなる! 体が楽に動く「骨盤ぐるぐる」
https://sceltadelmetodo.blogspot.com/2019/03/blog-post_90.html

文/森 真希(もり・まき)


医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。
Powered by Blogger.