糖質制限食を提供する塾で子どもの偏差値が20もアップ! 志望校にも合格
「勉強しなさい!」「テストの結果が悪いじゃない!」「こんな問題もわからないなんて、ダメじゃない!」
子どもに対するこのような言葉がけに、思い当たることはないでしょうか。
親がガミガミ怒っても、子どもは勉強するどころか「うるさいな!!」と反発して逆効果。あるいは、「ハイハイ」と生返事で、まったくやる気を見せないものです。最終的には親子関係がぎくしゃくしてしまいます。
「しつけは親の仕事。それに、子どもの将来を考えて勉強をさせたい気持ちになるのは、よくわかります。ただ、あれをしなさい、これもしなさいと親が指示をしても、子どもの成績は伸びないし、態度は悪くなっていくんです」と諭すのは三島塾塾長の三島 学氏。親は口を出すよりも子どもに栄養を渡すほうが大切なのだそうです。
三島塾は「糖質制限」の食事を子どもたちに提供しています。糖質制限とは、たんぱく質・脂質がたっぷりと含まれている肉類や卵、チーズなどを食べて、糖質を摂取しない食事法。糖質制限と塾での指導で、偏差値が1カ月で40から60になったり、教師から「絶対に無理」と言われていた志望校に合格したり、成績がグングン伸びているのです。
「もう子どもを怒鳴りたくない」「勉強のことでイライラしたくない」「子どもともっと仲良く、穏やかに暮らしていきたい」と思うのならば、最初に見直すのは食生活かもしれません。そのやり方を三島氏に教えてもらいましょう。
子どもたちはカゼを引かず
成績も身長も伸びている
そもそも三島氏が糖質制限を始めたのは、自身の2型糖尿病を改善するためでした。2型糖尿病は、肥満やストレスなどでインスリンの作用が低下して発病します。
それが、たった1カ月の糖質制限で肝機能が改善し、すっかり元気になった三島氏。その変化を間近で見た塾生の中学3年生の女の子から「先生と同じものが食べたい!」というリクエストが出て、糖質制限のおやつとしてミートボールやハンバーグなどを子どもたちに提供するようになりました。これが2013年のことです。
その2年後には、糖質制限の夕食を塾で出すようになり、今に至ります。
ちなみに「先生と同じものが食べたい」と話した女の子は、有名国立大学の医学部に進学しました。
糖質制限で変わるのは集中力。「食後も眠くならないので、勉強に集中できて、成績がグングン上がってきます。小学生でも12時間集中して学習できるんです。」と三島氏は語っています。ちなみに、三島塾の子どもたちはカゼなど引かず、身長もグングン伸びているそうです。
今の子どもたちが疲れやすいのは、糖質が多すぎるために栄養不足に陥っているからなのだそうです。これを「新型栄養失調」と三島氏は名付けていました。
「糖質を消化する際には、ビタミンやミネラルが使われます。ご飯やパン、ラーメン、うどん、ジュース、お菓子などで糖質過多に陥ると、体内でビタミン・ミネラルが不足するのです。そのためにたんぱく質と脂質の消化吸収がうまくいかなくなって、体力がなくなり、免疫力も下がります。当然、集中力も続きません」
加えて、糖質をたくさん摂取すると血糖値が乱高下して、眠気やイライラが起こります。学習効率を高めるには、血糖値を安定させることが重要です。
そのために、糖質を控えてたんぱく質と脂質を十分に摂取するのです。
実は子どもにガミガミ怒っている親も糖質過多。親自身の食生活も見直したほうがいいようです。
どのぐらい食べれば十分といえるのでしょうか。
子どもの場合、たんぱく質については理想体重(kg)に7.5をかけた数値(g)が1日の必要量となります。例えば理想体重が50㎏の中学生男子は、50×7.5=375。1日当たり375gのたんぱく質を摂取するわけです。
食事は1日3回取る必要はありません。「朝起きたときに食欲がわかないのは、食事を摂取する必要がないという体からのサイン。無理に食べるのは意味がないし、むしろ体に負担をかけます。約700万年という人類の長い歴史を振り返って考えれば、1日1食で十分に生きられるんです」と三島氏。ちなみに穀物摂取の歴史はたったの1万年。「主食は米」というのも、人類の歴史では例外的だといえるとのこと。
3食作らなくてもいいし
料理のバリエーションもいらない!
糖質制限で成績がアップするからといって、親が子どもに押しつけてはいけません。
「『糖質はダメよ。その理由はね……』とクドクド説明したところで、子どもは反発するだけ。
子どもになにかやってもらいたいときは、言葉では言わないんです。親は家から糖質を減らしていって、糖質制限の効果を子どもに実感させる。すると、子どもは自ら進んで糖質制限に取り組むようになるんですよ」
ただ、子どもにも付き合いはあります。友達と一緒に糖質たっぷりのお菓子を買い食いしたとしても、目をつぶりましょう。
実は家族の食事を用意する親にも、糖質制限にはメリットがあります。毎日米を炊く必要がないし、冷蔵庫には肉・卵・チーズがあればいいのだし、3食用意する必要はないし、料理のバリエーションを増やす必要もありません。子どもの大好物の唐揚げやハンバーグをたっぷりと作るだけでいいのです。こうした料理は冷凍保存もできます。
子育てに悩む親は少なくありません。不登校は小・中学校だけでなく、高校や大学でも起きています。大学を卒業してからは、ニートや引きこもりになるケースが少なくありません。
「子育てに手遅れはありません。三島塾にも21歳や36歳の人も通っているわけで、糖質制限で何歳になってからでも学習能力は上がります。とはいえ、子どもが小さいうちに、早く対処してほしいというのが本音ですね」と三島氏は語っていました。
三島 学(みしま・まなぶ)
三島塾塾長。1950年、宮城県生まれ。大東文化大学大学院中国学博士課程修了。高校教員、代々木ゼミナール予備校講師を経て、2008年、三島塾を立ち上げる。一貫して教育に携わり、40年を超える経験を活かした教育指導には定評がある。
※この記事は、2018年7月19日に三島氏をインタビューした内容をもとに作成しています。最新情報は三島氏に直接お尋ねください。
子どもに対するこのような言葉がけに、思い当たることはないでしょうか。
親がガミガミ怒っても、子どもは勉強するどころか「うるさいな!!」と反発して逆効果。あるいは、「ハイハイ」と生返事で、まったくやる気を見せないものです。最終的には親子関係がぎくしゃくしてしまいます。
「しつけは親の仕事。それに、子どもの将来を考えて勉強をさせたい気持ちになるのは、よくわかります。ただ、あれをしなさい、これもしなさいと親が指示をしても、子どもの成績は伸びないし、態度は悪くなっていくんです」と諭すのは三島塾塾長の三島 学氏。親は口を出すよりも子どもに栄養を渡すほうが大切なのだそうです。
三島塾は「糖質制限」の食事を子どもたちに提供しています。糖質制限とは、たんぱく質・脂質がたっぷりと含まれている肉類や卵、チーズなどを食べて、糖質を摂取しない食事法。糖質制限と塾での指導で、偏差値が1カ月で40から60になったり、教師から「絶対に無理」と言われていた志望校に合格したり、成績がグングン伸びているのです。
「もう子どもを怒鳴りたくない」「勉強のことでイライラしたくない」「子どもともっと仲良く、穏やかに暮らしていきたい」と思うのならば、最初に見直すのは食生活かもしれません。そのやり方を三島氏に教えてもらいましょう。
子どもたちはカゼを引かず
成績も身長も伸びている
そもそも三島氏が糖質制限を始めたのは、自身の2型糖尿病を改善するためでした。2型糖尿病は、肥満やストレスなどでインスリンの作用が低下して発病します。
それが、たった1カ月の糖質制限で肝機能が改善し、すっかり元気になった三島氏。その変化を間近で見た塾生の中学3年生の女の子から「先生と同じものが食べたい!」というリクエストが出て、糖質制限のおやつとしてミートボールやハンバーグなどを子どもたちに提供するようになりました。これが2013年のことです。
その2年後には、糖質制限の夕食を塾で出すようになり、今に至ります。
ちなみに「先生と同じものが食べたい」と話した女の子は、有名国立大学の医学部に進学しました。
糖質制限で変わるのは集中力。「食後も眠くならないので、勉強に集中できて、成績がグングン上がってきます。小学生でも12時間集中して学習できるんです。」と三島氏は語っています。ちなみに、三島塾の子どもたちはカゼなど引かず、身長もグングン伸びているそうです。
今の子どもたちが疲れやすいのは、糖質が多すぎるために栄養不足に陥っているからなのだそうです。これを「新型栄養失調」と三島氏は名付けていました。
「糖質を消化する際には、ビタミンやミネラルが使われます。ご飯やパン、ラーメン、うどん、ジュース、お菓子などで糖質過多に陥ると、体内でビタミン・ミネラルが不足するのです。そのためにたんぱく質と脂質の消化吸収がうまくいかなくなって、体力がなくなり、免疫力も下がります。当然、集中力も続きません」
加えて、糖質をたくさん摂取すると血糖値が乱高下して、眠気やイライラが起こります。学習効率を高めるには、血糖値を安定させることが重要です。
そのために、糖質を控えてたんぱく質と脂質を十分に摂取するのです。
実は子どもにガミガミ怒っている親も糖質過多。親自身の食生活も見直したほうがいいようです。
どのぐらい食べれば十分といえるのでしょうか。
子どもの場合、たんぱく質については理想体重(kg)に7.5をかけた数値(g)が1日の必要量となります。例えば理想体重が50㎏の中学生男子は、50×7.5=375。1日当たり375gのたんぱく質を摂取するわけです。
食事は1日3回取る必要はありません。「朝起きたときに食欲がわかないのは、食事を摂取する必要がないという体からのサイン。無理に食べるのは意味がないし、むしろ体に負担をかけます。約700万年という人類の長い歴史を振り返って考えれば、1日1食で十分に生きられるんです」と三島氏。ちなみに穀物摂取の歴史はたったの1万年。「主食は米」というのも、人類の歴史では例外的だといえるとのこと。
3食作らなくてもいいし
料理のバリエーションもいらない!
糖質制限で成績がアップするからといって、親が子どもに押しつけてはいけません。
「『糖質はダメよ。その理由はね……』とクドクド説明したところで、子どもは反発するだけ。
子どもになにかやってもらいたいときは、言葉では言わないんです。親は家から糖質を減らしていって、糖質制限の効果を子どもに実感させる。すると、子どもは自ら進んで糖質制限に取り組むようになるんですよ」
ただ、子どもにも付き合いはあります。友達と一緒に糖質たっぷりのお菓子を買い食いしたとしても、目をつぶりましょう。
実は家族の食事を用意する親にも、糖質制限にはメリットがあります。毎日米を炊く必要がないし、冷蔵庫には肉・卵・チーズがあればいいのだし、3食用意する必要はないし、料理のバリエーションを増やす必要もありません。子どもの大好物の唐揚げやハンバーグをたっぷりと作るだけでいいのです。こうした料理は冷凍保存もできます。
子育てに悩む親は少なくありません。不登校は小・中学校だけでなく、高校や大学でも起きています。大学を卒業してからは、ニートや引きこもりになるケースが少なくありません。
「子育てに手遅れはありません。三島塾にも21歳や36歳の人も通っているわけで、糖質制限で何歳になってからでも学習能力は上がります。とはいえ、子どもが小さいうちに、早く対処してほしいというのが本音ですね」と三島氏は語っていました。
三島 学(みしま・まなぶ)
三島塾塾長。1950年、宮城県生まれ。大東文化大学大学院中国学博士課程修了。高校教員、代々木ゼミナール予備校講師を経て、2008年、三島塾を立ち上げる。一貫して教育に携わり、40年を超える経験を活かした教育指導には定評がある。
※この記事は、2018年7月19日に三島氏をインタビューした内容をもとに作成しています。最新情報は三島氏に直接お尋ねください。
文/森 真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。
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