雑誌編集者歴21年のフリーライターが教える小論文 「子どもが書く、こんな小論文はウンザリだ」
編集という仕事では、とにかくたくさんの文章を読まなければなりません。
企画を見つけるために論文を読んだり、PR会社のリリースに目を通したり、ライターの原稿を整理したり、ほかの担当者の記事をチェックしたり……日々、文章漬け。
ですから、悪文を読ませられると、本当にウンザリするのです。疲れているときには、「なんだ、これは!」と怒り出すこともありました。
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mohamed Abdelgaffar(Pexels) |
そんな編集者時代の経験から、小論文を採点する人は大変だと思ってしまうのです。
「てにをは」や句読点の打ち方、漢字がめちゃくちゃというのは、小論文を書く以前の国語教育の問題(ただし、読点の打ち方はけっこう難しいのですが)。
小論文に取り組む前に、短文で訓練をしましょう。
今回は「自分は小論文は得意なほうだ」「本を読むのが好きだし、知識はある」と思っている子ども向けに、「こんな小論文に読み手はウンザリ」という点を挙げていきます。
1 意味をよく理解していない言葉を使っている
ウチの息子が作文で「きずな(絆)ができました」「達成感がありました」「第三者が」などと書いたときのこと。「絆」「達成感」「第三者」を詳しく説明しなさいと指示すると、モゴモゴと息子は口ごもってしまいました。
そんな息子に伝えたのは「わからないなら、使うな」。
大げさな言葉が上滑りして、なにも伝わってこない文章というのは、子どもだけでなく大人も書いてしまうケースが非常に多いのです。
「原稿料ドロボー!!」
そんな息子に伝えたのは「わからないなら、使うな」。
大げさな言葉が上滑りして、なにも伝わってこない文章というのは、子どもだけでなく大人も書いてしまうケースが非常に多いのです。
そして書き手はたいてい「自分には知識がある」「書くのが得意」と勘違いしています。その勘違いが文章からプンプンにおってきて、読み手はウンザリしてしまうのです。
2 ほとんどが受け売りである
以前、ライターに、ある本の著者への取材を依頼しました。そのライターが、本の内容だけで原稿を上げてきたことがあるのです。 原稿を読んで私は思いました。
「原稿料ドロボー!!」
わざわざ著者に取材しているのに、その内容を盛り込んでいないからです。
本に書かれていることを切り貼りして原稿を作るのは、楽です。
しかし、すでに本を読んだことのある読者にとっては「なんだ、同じ内容じゃないか」と新鮮味がありません。つまりは価値がない文章なのです。
同様に、受け売りの小論文は、採点官にとっては「そんなこと、すでに知っているし……」と面白みがなく、当然、読む価値もないのです。
プロのライターでもやっている、ごくありふれた失敗なので、小論文を書く子どもは特に注意してほしいと思います。
本に書かれていることを切り貼りして原稿を作るのは、楽です。
しかし、すでに本を読んだことのある読者にとっては「なんだ、同じ内容じゃないか」と新鮮味がありません。つまりは価値がない文章なのです。
同様に、受け売りの小論文は、採点官にとっては「そんなこと、すでに知っているし……」と面白みがなく、当然、読む価値もないのです。
プロのライターでもやっている、ごくありふれた失敗なので、小論文を書く子どもは特に注意してほしいと思います。
3 否定から始まっている
これは私自身が就職活動で失敗した例です。 あるテレビ局の面接試験でのこと。番組の改善点を述べてから、どのような内容にしたほうがいいのかを、私は面接官に述べてしまったのです。
面接官は内心、「ケッ、番組作りがなにもわかっていない学生のくせに」と思ったことでしょう。
私が提案したことに対しては「それをやって他局は視聴率が落ちているんだけど、知ってた?」という感じですべて否定され、当然、終了。
21年間、雑誌編集者をやってきた今、その面接官の気持ちがよくわかります。
雑誌の記事も検討に検討を重ね、さまざまな制約の下で作っているのです。それを知らない素人から、「つまらないから、改善したほうがいい」と言われるとムッとします。
読者や視聴者は、どんどん意見を言ってもかまいません。
しかし、同じ職場で働くことを志望している人間なら、話は別。
面接だけでなく、小論文も同じです。
ある研究の問題点を挙げて解決策を示すのなら、生半可な気持ちで書いてはいけません。
解決策がさえわたっているだけでなく、将来的に実現可能なものでなければ、勉強不足と思われてしまいます。
採点官をうならせるほどの解決策が思い浮かばないのなら、研究のすばらしい点を挙げて、その分野で自分は将来何をしたいのかを書く努力をしたほうがいいでしょう。
余談ですが、小学校の学級会を参観したとき、1つの提案に対し、手を挙げて発言した子どもたちのほとんどが「それには○○という問題があります」と口にしていました。
その様子を見ながら、問題点ばかり挙げて最初から否定する態度は、小学生レベルなのだと思ってしまいました。
小論文については、自分で書いて練習しても、問題点に気づかないことがほとんど。そんな文章を繰り返し書いたところで、自己満足の域を出ることなどありません。
面接官は内心、「ケッ、番組作りがなにもわかっていない学生のくせに」と思ったことでしょう。
私が提案したことに対しては「それをやって他局は視聴率が落ちているんだけど、知ってた?」という感じですべて否定され、当然、終了。
21年間、雑誌編集者をやってきた今、その面接官の気持ちがよくわかります。
雑誌の記事も検討に検討を重ね、さまざまな制約の下で作っているのです。それを知らない素人から、「つまらないから、改善したほうがいい」と言われるとムッとします。
読者や視聴者は、どんどん意見を言ってもかまいません。
しかし、同じ職場で働くことを志望している人間なら、話は別。
面接だけでなく、小論文も同じです。
ある研究の問題点を挙げて解決策を示すのなら、生半可な気持ちで書いてはいけません。
解決策がさえわたっているだけでなく、将来的に実現可能なものでなければ、勉強不足と思われてしまいます。
採点官をうならせるほどの解決策が思い浮かばないのなら、研究のすばらしい点を挙げて、その分野で自分は将来何をしたいのかを書く努力をしたほうがいいでしょう。
余談ですが、小学校の学級会を参観したとき、1つの提案に対し、手を挙げて発言した子どもたちのほとんどが「それには○○という問題があります」と口にしていました。
その様子を見ながら、問題点ばかり挙げて最初から否定する態度は、小学生レベルなのだと思ってしまいました。
4 繰り返しが多い
こうした原稿も、私は「原稿料ドロボー!!」と思っていました。採点官については「原稿用紙の無駄遣い」と判断するでしょう。5 主題からどんどんそれていく
これは、なにも伝わらない悪文の典型です。小論文については、自分で書いて練習しても、問題点に気づかないことがほとんど。そんな文章を繰り返し書いたところで、自己満足の域を出ることなどありません。
採点官は、ある程度年齢が高い人たちです。
子どもたちは自分の親に小論文を読んでもらって、独りよがりになっていないか、読み手の気分を害するものではないか、チェックしてもらいましょうね。
子どもたちは自分の親に小論文を読んでもらって、独りよがりになっていないか、読み手の気分を害するものではないか、チェックしてもらいましょうね。
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