薬との付き合い方10 大衆薬でも、専門家と相談して選びたい

   ※この記事は「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」の「医薬品の本質」をベースに、個人的な勉強を目的として作成しています。

〇試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)



 私たちがドラッグストアなどで手軽に買える一般用医薬品(大衆薬)。法律では「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」(第4条第5項第4号)と定義されているそうです。

 要は、処方薬よりも作用が弱いということですね。だからといって”なんとなく”ではなく、専門家から情報をもらって選びましょうというわけです。

 一般用医薬品の役割は次の6つ。
(1) 軽度な疾病に伴う症状の改善
(2) 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る)
(3) 生活の質(QOL)の改善・ 向上
(4) 健康状態の自己検査
(5) 健康の維持・増進
(6) その他保健衛生

 「ちょっと体調が悪いけど、病院に行くほどではない」という場合に一般用医薬品を使うわけです。

 最近では、専門家から適切なアドバイスを受けて薬を選ぶ「セルフメディケーション」の考え方が見られます。
 ただし、医療機関を受診したほうがいいとき(受診勧奨)や、薬を使う必要がない(あるいは使わないほうがいい)ときもあります。「肥満を解消する薬が欲しい」という人に対しては、薬ではなく、運動や食事制限を勧めたほうがいいですよね。

 また、高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合は、医療機関を受診したほうがいいでしょう。そして薬を飲んでも効果がない、あるいは症状が悪化した場合も、医師の診察を受けるべきです。

 ところで、セルフメディケーションといっても、私たちはどれぐらい薬について知識を蓄えているのでしょうか。購入するときにも「テレビでCMしていたから、商品名を知っている」「今、30%OFFだ」という理由で、薬を選んでいるのではないでしょうか。

 できるだけ専門家と話し合いながら、適切に薬を選びたいもの。そのためには、以下のポイントを把握しておいたほうがよさそうです。

① 何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入の動機)
② その医薬品を使用するのは誰か
③ その医薬品を使用する人は、小児や高齢者、妊婦等などか
④ その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか 
⑤ その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用などの経験があるか
⑥ その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品や食品を摂取していないか 
⑦ その医薬品がすぐに使用される状況にあるか(今すぐ使うのか、いつか体調の悪いときに使おうと思っているのか) 
⑧ 症状などがある場合、それはいつ頃からか、その原因や患部等の特定はなされているか



 それから、薬を取り巻く状況は絶えず変化しています。ですから、まとめ買いして保管しておくよりも、今、必要な量だけを買っておいたほうがよさそうです。
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