産後1カ月が女性の将来を左右する
出産後の1カ月間は、お母さんはたとえ元気でも、怠け者になってください。
この期間に体を動かしすぎると、将来、心身ともに疲れやすい体質になったり、尿失禁・子宮脱が起こったりする可能性が高いからです。体調が元に戻るには、妊娠期間と同じく9カ月かかると考えてほしいと思います。
テンションを
コントロールしましょう
出産直後に、テンションが上がっているお母さんは珍しくありません。赤ちゃんが生まれてきたことを大喜びするのは、もちろんいいことです。
しかし、テンションが上がりすぎると、その後、ガクッとテンションが下がって、うつっぽい状態に陥る可能性があります。
そして、夜中の授乳で寝不足などが続くと、体力とともに気力も落ちて、育児がつらいものになってしまいます。
「赤ちゃんがかわいいと思えない」「そんな私は母親失格」と、産後うつまでこじらせる場合もあります。
ですから、出産直後のテンションをコントロールすることは大切です。
テンションが上がりすぎたときでも、下がりすぎたときでも、足湯は効果を発揮します。
足湯で足を温めることで、テンションが上がりすぎた、いわば頭がのぼせた状態を解消できます。
同時に、末梢である足を温めて全身が穏やかに温められると、落ち込んだ気分から回復することができるのです(足湯のやり方は記事の最後に紹介します)。
冷やさず、動かず
物を見ず
産後10日までは、「冷やさない、動かない、目を使わない」を心がけてください。○冷やさない
前述の足湯のほか、おふろに入らないようにして、髪も洗わないこと。かゆみが気になる場合は、温かい蒸しタオルで拭くといいでしょう。
○動かない
家族が不在のときは電話は留守番電話にして、インターフォンの音を消しましょう。来客や宅配便などは家族に対応してもらいます。
10日程度、掃除しなくても健康を害しません。できるだけ家事は行わないようしましょう。
○目を使わない
新聞・雑誌・小説など小さな字は読まず、テレビやパソコン、スマートフォンの画面はできるだけ見ないようにします。
産後10日から3週までも、「冷やさない、動かない、目を使わない」を継続します。外出せず、1日じゅう、パジャマで過ごし、自分を徹底的に甘やかしましょう。
おふろに入るときは短時間で済ませ、髪を洗わないようにしてください。頭髪が濡れていると、全身が冷えてくるからです。
骨盤を締めているだけで
体形は戻る
産後3週が過ぎたら、通常の生活に戻る準備をしましょう。体を動ける状態に戻していくため、腹式呼吸やストレッチを始めます。
ただし、まだ骨盤が不安定な状態なので、開脚するストレッチは避けましょう。
産後1カ月以降は、たくさん歩いて、体力の回復を早めます。
産後の体形が気になって、腹筋運動などを早く行いたいと焦る人もいるでしょうが、急ぐ必要はありません。骨盤を締めて安定させるケアは、腰痛を防ぐだけでなく、体形を整える効果もあるからです。
産後1カ月を「怠け者」、精神的なつらさや体の痛みを引きずることがありません。
また、体形についても、産後1カ月を無理しないほうが、すんなりと元の状態に戻れるのです。
○足湯のやり方
足湯は足を湯に漬ける健康法ですが、バリエーションが非常に多いものです。
今回は、テンションのコントロールに役立つやり方を紹介しましょう。
[用意するもの]
バケツ(深さが自分のひざの高さまであるもの)
お湯(手で触って心地よい温度)
ワセリン
バスタオル 2枚
50度のお湯を入れた魔法瓶(差し湯用)
ひざかけ
レッグウォーマー
1 乾燥肌の人は、すねとひざ裏にワセリンを薄く塗る。
2 1枚のバスタオルは、バケツの下に敷いておく。バケツにお湯を入れ、足を浸す。お湯はくるぶしの高さまで入れておく。このとき、太ももの上からバケツを覆うようにひざかけをかける。
3 足が温まったらバケツから出してバスタオルの上に置き、バケツに魔法瓶のお湯を入れる。バケツの中のお湯はちょっと熱いと感じる程度にして、ふくらはぎの高さまで差し湯をしたら、バケツのお湯に足を浸す。
※やけどに注意
4 バケツのお湯が冷めたら差し湯をしながら、15~20分ほど足湯をする。
5 お湯から足を出したらすぐにもう1枚のバスタオルで水気をしっかり拭き取り、レッグウォーマーでかかとからふくらはぎまでを覆う。
足湯には入浴剤などを使ってもいいでしょう。また、バケツの底に玉砂利を5~6個入れておくと、足湯しながら足裏のマッサージもできます。
なお、足湯は逆子を直す効果があるといわれています。
足を温めることは、妊娠中や産後だけでなく、月経前や更年期の心身の不調の解消にも役立ちます。女性の体の知恵として、頭の片隅に入れておいてもらえればと思います。
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