「口にすることのほとんどがウソ」という人は、さほど珍しくもないという話 『自分を「平気で盛る」人の正体 』(2022年5月17日初出、2026年9月14日更新)

 トラブルメーカーと関わったら、確実に精神を削られる

 久しぶりにトラブルメーカーと接する機会があり、このことを改めて実感していました。



 トラブルメーカーの特徴の一つは、口にしている内容のほとんどがウソということ。ウソといっても、本人は意図していないケースも珍しくありません。要は、単なるいい加減な人物が、トラブルメーカーになっているわけです。

 いい加減な人物は、見方を変えると、おおらかな人物にもなります。第一印象だと積極的で人当たりがよい場合も少なくありません。さらに彼らは社交的なので、さまざまなシチュエーションで接触してしまいがち。

 第一印象は悪くなくても、接触する機会が増えると、以下の特徴が見えてきます。

○自己中心的で責任転嫁をする
○陰口や噂話が大好きだ
○ルールやマナーを軽視する

 トラブルメーカーとわかった時点で、多少強引でも、たとえ遺恨を残しても、離れるのが最適解。ただ、仕事が絡むと、うまく距離を取るのはなかなか困難です。



 人脈や経歴などについて、口にしている内容のほとんどがウソという人物、ショーン(仮名)に初めて会ったのは、新人だった頃の仕事の現場でした。


 見た目は「よくいる業界人」という感じで、積極的。さらに、初対面のときには、意欲的で「できる人」という雰囲気を醸し出していました。
 上司からショーンを紹介され、さまざまなコネクションと情報を持っているようなので一緒に仕事をすることになりました。

 しかし、いざ仕事が始まると、全部ウソだと驚かされたのです。まさに「息を吐くようにウソをつく」という状況でした。当然、論理性はなく、話し合いなど成立しません。
 仕事が行き詰まると、ショーンは私を指さして「コイツがさぁ」などと、なぜか責任をこちらに押し付けてくるのです。
 幸い、ショーンとの仕事は短期で終わりました。上司にも、ウソつき人間ということがバレたからです。




 
 ショーンのような人物は、演技性パーソナリティ障害の可能性もありそうです。演技性パーソナリティ障害については、以下の項目で5つ以上当てはまる場合に診断されます。

自分が注目の的になっていないと落ち着かない
他者との交流が不適切なほど性的に誘惑的または挑発的である
感情の表現が浅薄で急激に変化する
他者の注意を引くために一貫して自身の身体的外見を利用する
極端に印象的だが漠然とした話し方をする
自己演劇化,芝居がかった振る舞い,および大げさな感情表現がみられる
被暗示的である(他者または状況に容易に影響を受ける)
対人関係を実際より親密なものと解釈する


 ですから、次のような特徴が表れると考えられます。

□注目を浴びるためにウソをつく
※詐称、詐病

□その場しのぎのウソをつく
※批判されると反射的にウソでごまかす
※自分のウソと現実が区別できていない
※同じ失敗を繰り返す

□平気でパクる
※中身がわからないままでの表面的なパクリなので、つじつまが合わなくなってしまう

□平気で他人になりすます

□罪の意識が欠如している

□自分の頭で考えられない
※文章などに具体的な内容がない

□もったいぶった言い回しをする

□敵味方に分けて、敵には攻撃的でさげすむ態度を、味方には甘えるような態度を取る

 上記は、SNSでよく見かける現象です。精神科の和田秀樹医師は、『自分を「平気で盛る」人の正体 』(SB新書)で、次のように「“盛る”ことが当たり前の社会」だと述べていました。

いま、テレビやSNS、職場などで、平気でウソをついたり、演技や経歴詐称まで行ったりして、自分を過度に良く見せたがる人、つまり「平気で盛る人」が増えています。
 もちろん、医師が患者を直接診察しない限り、演技性パーソナリティ障害かどうかは診断できません。専門医でも、判断は難しいようです。
 しかも専門医でも一度診察したぐらいではなかなか判断がつかないわけですから、メディアというイメージづくりに長けた媒体を通した情報のみをもってして彼らをパーソナリティ障害という精神疾患に罹っていると断定することはできないのです。
 演技性パーソナリティ障害の人には、ツイッターは非常に都合がいいメディアなのです。長い文章だと支離滅裂さが一目でわかります。一方、文字数が制限されているツイッターだと、切れ切れのツイートになるため、話題がおかしな方向に転換していても、書き手も読み手もわからなくなるのです。

 「文字数が制限されているツイッター」と同じことが会話や動画、パワーポイントを使った図解にも当てはまります。もっともらしいことを述べているようで、整合性がないのです。


 悲しい話ですが、初対面のときになれなれしい人は、「口にすることのほとんどがウソ」の人の可能性があります。これを頭の片隅に置いておくことは、自分や家族の身を守るために重要かもしれません。
 そして彼らが口にしていること、SNSで発信していることではなく、現実の行動と事実に注目したほうがよさそうです。

 トラブルが裁判に発展すると、時間も労力もかかります。気安く「訴えるぞ」などと言ったり言われないようにしたりするのが大事。トラブルメーカーとわかったら、全力で逃げましょう。「トラブルに巻き込まれて、不快でくやしい! 少しでもやり返したい」という気持ちは、ぐっとこらえるほうが賢明です。

 当たり前の話だが、トラブルメーカーと関わったら、確実にトラブルに巻き込まれる
Powered by Blogger.