深く眠るためのリフレクソロジー 足をもむだけという手っ取り早さ
あくまでも個人的な印象ですが、西洋医学に限らず、東洋医学やアーユルヴェーダも、「理屈っぽくて、疲れているときには受け入れにくい」ということはありませんか?
状況を観察し、言葉を使って思考・分析することはもちろん大事です。ただ、不眠などで心身がだるいときには、やってられないですよね。
そんなときにお勧めしたいのが、リフレクソロジー(反射療法、ゾーンセラピー)です。「足つぼマッサージ」などと呼ばれていますが、東洋医学のツボとはまったく異なる考え方です。
リフレクソロジーでは、手や足、耳など体の一部分に、自覚している全身の不調だけでなく、隠れた問題も現れているといわれています。例えば、足の土踏まずをもんだときにジャリジャリしたしこりがあるときは、胃腸に問題があり、本人は平気と思っていても内臓にはダメージがたまっていると考えられています。
『クラナリ』編集人が30年にわたってさまざまな情報を扱ってきた経験で、手のひらからは短期的な不調、足の裏からは長期的に蓄積した不調がわかるととらえています。食べ過ぎや飲み過ぎが続くと手のひらの親指のつけ根の膨らみに青い血管が浮かび上がり(怒張)、それで胃腸にダメージが与えられると足の土踏まずにしこりが現れるという関係です。
要は、足や手をもむと、思考・分析などしなくても不調の原因がわかるのです。手っ取り早いですよね。
リフレクソロジーについては、同僚だった編集者たちも「効いた」と認めていて、読者の反響が高い健康法でした。
特に足裏の反射区(ゾーン)の図は一般誌で掲載されることも多く、「見たことがある」という人も少なくないでしょう。
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| フリー素材の足裏の反射区 |
足の場合、基本的には、次のように対応していると考えるといいでしょう。
〇足の親指 頭部に対応
〇土踏まずより上(指側) 肩・胸に対応
〇土踏まず 腹部に対応
〇かかと 骨盤内部に対応
〇足の内側 背中に対応
〇足の外側 手足に対応
例えば、足の裏をまんべんなくもんでみて、土踏まずのところがゴリゴリとして気持ちよさを伴う痛み(痛気持ちよい)を感じたら、胃腸の調子が悪いことが心身の不調の原因ではないかと推測できます。
なお、反射区の図はどれも同じに見えるでしょうが、実は治療家によって微妙に異なっています。また、もむのは右足からか左足からかという点も、治療家によって違い、一般的にイギリス式は右足、台湾式は左足から始めます。「どちらがよい」ということはありません。自分で足をもむ場合は、もみたいほうからもめばよいのではないでしょうか。
まれに「足裏を木の棒で強くゴリゴリと押す」という施術を勧めている治療家もいましたが、多くは「痛みが強すぎると体が緊張して逆効果なので、痛気持ちよい力にとどめましょう」と指導していました。
不眠対策のリフレクソロジーでは、足の親指への刺激がよく勧められています。足が冷えているときには、足湯などで温めてから、足の親指をゆっくりともみほぐすといいでしょう。
また、足全体をもんでゴリゴリなどを感じたら、「足の内側がゴリゴリしている。だから、背中か。姿勢が悪いのかな」などと普段の生活を思い返しながら、ゴリゴリの部分を優しくもみほぐしましょう。
足をもみほぐしながら心身をいたわることで、深く眠れるようになるはずです。
さて、ここからは理屈っぽい話が始まります。不眠解消には役に立ちません。
リフレクソロジーについては諸説ありますが、1913年にアメリカの医師であるウィリアム・フィッツジェラルドが考案したというのが説得力が強いと考えています。フィッツジェラルドの研究や著書『ゾーン・セラピー』が各国に広まり、スイスの看護師のへディ・マザフレが発展させて新たな本を出版。マザフレの本を、スイス人の神父ヨーゼフ・エングスター(呉若石)は読んで、台湾で布教活動を行いながら広め、1981年に台湾式のリフレクソロジーができてきました。
このようにイギリス式も台湾式も、フィッツジェラルドにルーツがあると考えます。
リフレクソロジーの本には、「エジプトの壁画に描かれていた」などと書かれていました。しかし、実際にその壁画を見たところ、確かに他人の足をもんでいる人物の絵ではありますが、「足が全身の器官に対応」と思ってもんでいるとも限りません。疲れたから足をもみほぐしているだけかもしれないのです。
それから、紀元前200年頃から編纂が始まったとされている『黄帝内経』に、リフレクソロジーが記載されているという情報も流れていたのですが、経絡や按摩療法が載っているのは確認できたものの、リフレクソロジーについては見当たりません。
また、リフレクソロジーは経絡とはまったく異なる考え方なので、両方を同時に掲載するとは考えにくいのです。
なお、手のひらのリフレクソロジーについては、中指の第一関節が頭、中指が背骨で手のひらが胴体、人差し指と薬指が両手、親指と小指が両足と対応されているという流派(?)があります。
ただ、その他多くは、経絡の考え方(気血の流れ)がリフレクソロジーに入り込んでいて、ごちゃまぜ状態です。
耳のリフレクソロジーも、「胎児と対応している」といわれるものの、実際の施術は経絡の考え方に基づいているなど、やはりごちゃまぜ状態です。
■参考資料
臨床教育から見えてきた伝統医療の軌跡と課題
すでに紀元前四~五世紀のころギリシャの医聖ヒポクラテスは「医師たるものは医術についてのあらゆる学理とともにマッサージも修得せよ」と力説したといわれ、幾つかの論文も発表された。しかし、その後長い間マッサージの研究は絶え医療界からも顧みられず民間療法として僅かに余命を保ったにすぎなかった。16 世紀後半になると、フランスでマッサージの術式とその効用について詳しく説明する論文が発表されてから新たな脚光を浴び、西洋医学の臨床技術の一部として重要視されるようになった。
古代中国における手技療法の発祥と発展
漢代に成立した『黄帝内経』の以前もしくは以後の関係文献から, 手技 (按摩) 療法の発祥及び発展状況を考察したところ, 次の事項を確認した。中国における按摩療法の起源は, 甲骨文や『周禮』の記述から殷周代に求められ,『扁鵲伝』に按摩治法の名やその治効作用が示されていることから, その発祥を春秋戦国期に遡ることが出来る。また,『五十二病方』に按摩療法の記述が見られることは, 按摩治法が既に秦漢以前に行われていたことを実証するものである。そして『養生方』『神農本草経』などの薬物書において「摩」の術が膏薬と共に用いられていたことは,『黄帝内経』での「按」の術との表現が異なってはいるが, 按摩施術が存在していたことを裏付けている。以上のことから按摩療法は少なくとも周代には既に他の治法と共に併用されていた。しかし「按」と「摩」の術としての発展過程の相違が伺われ, 今後この点の検討を要する。
「黄帝内経」からみた按摩療法
和久田 哲司, 和田 恒彦, 西條 一止
按摩療法が現代医療の一つの手法として有益であることを, 中国医学の古典文献に立ち帰り検討を試みてみた。使用原典は宋代に編集された「黄帝内経素問・霊枢」である。結果として以下のことを確認することが出来た。(1) これらの文献には按摩と言う名が4箇所用いられていることから漢代には既に按摩と言う名の手法があったと言える。(2) 一般に按は瀉術, 摩は補術とされて来たが, 文献の使用状況から按も摩もどちらも補・瀉の効果があると解される。(3) 按摩療法は気血の乱れによって生じる痺れ, 冷えや凝り等に適応し, これらの循環障害の改善を図る療法であった。(4) 漢代には按摩療法は一つの独立した手法であり, 他の治法との併用によって高い治効を示すとする。按摩療法の有益性を確認するためには医学的な基礎と原理に基づいて再評価することが肝要である
柔道整復学に関する文献的考察~“按摩”と“整骨”の関連性と柔道整復学研究の方向性について~
「按摩」という語も同様に,意味変化が生じた語であると考えられる.漢字源によると「按」は“安は,女を下におさえて落ち着けるさま.按は「手+安」で下におさえる動作のこと”であり,「摩」は“麻はすりもんで繊維をとるアサ.摩は「手+麻」で,手ですりもむこと”であり,「按摩」とは手でおさえたり,すりもんだりする手技を意味する.「按摩」の称が始めて我が国の文献に現れるのは大和時代後期の大宝律令の中の医疾令(718 年)における,按摩師,按摩博士,按摩生であり 4,5),「按摩」は職業としての意味を持つことになる.
Wikipedia
Reflexology was introduced to the United States in 1913 by William H. Fitzgerald, M.D. (1872–1942), an ear, nose, and throat specialist, and Edwin F. Bowers. Fitzgerald claimed that applying pressure had an anesthetic effect on other areas of the body.[8][9] It was modified in the 1930s and 1940s by Eunice D. Ingham (1889–1974), a nurse and physiotherapist.[10][11] Ingham claimed that the feet and hands were especially sensitive and mapped the entire body into "reflexes" on the feet, renaming "zone therapy" as reflexology.[12] Many of the modern reflexologists use Ingham's methods, or similar techniques of reflexologist Laura Norman.


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