浴室掃除の目的は「達成感」「面白い」「リフレッシュ」! 健康問題とは切り離して考えたい

浴室の代表的な汚れである「水垢」「湯垢」「ピンク汚れ」「黒カビ」について調べました。
結果、すべての汚れはあくまでも見た目の問題で、健康問題にはならないと、私は判断しました。

上記4つの汚れに対して神経質になり過ぎて、強力な薬剤を使っていたら、そのほうがストレスやアレルギーといった健康問題を引き起こしそうです。それにお金もかかります。
ネット情報の表現の中には、煽りや脅しも含まれていると考えられ、イメージに左右され過ぎないように注意したいところです。

これは改めて調べますが、浴室以上に排水溝のほうが掃除をする必要性が高いという印象。詰まりを起こすと、浴室が使えなくなるからです。

https://min-chi.material.jp/fm/bg_c/japanese_bathroom/



○水垢 酸性洗剤で落とす

私は福岡県の出身で、東京に来た頃は水道水の味が違うと感じていました。
一口に「水道水」といっても、成分は場所によって異なるようです。

調べたところ、浄水場によって水道水のミネラル成分に差がありました。
平成23年度の倉敷市のデータですが、以下のようなバラつきがあり、ビックリしました。

カルシウム 14.1~24.0mg/L
マグネシウム 2.4~10.2mg/L
ナトリウム 6.7~30.9mg/L
カリウム 1.4~3.6mg/L
硬度 52~116mg/L
pH 7.1~7.7mg/L

そして、水道水には塩素(次亜塩素酸ナトリウム)が使われています。病原体などの消毒や水道水の水質の管理などのために、塩素が混ぜられているのです。

ちなみに、「カルキ」は次亜塩素酸カルシウムのことで、現在ではコスト面などで水道水にはあまり使われていないとのそうです。
塩素は常温では気体なので、浴室の鏡や床に塩素がこびりつくということはあり得ません。ですから、「カルキで汚れる」「鏡にカルキが白くこびりついている」ということもあり得ないのです。

白くこびりつく水垢の正体は、ミネラル。大きなくくりでは、鍾乳洞の仲間となります。
そんな水垢なので、スポンジでこすった程度では落ちません。

とはいえ、ミネラルなので不衛生なものではないし、人体に害も及ぼしません。
あくまでも水垢は、「見た目の問題」ということになります。

○湯垢1 石けんかす 界面活性剤で落とす

「湯垢」は、造語のようです。多くの辞書に記載はなく、デジタル大辞泉だと水垢と同じ説明がされていました。

ネットで調べたところ、石けんかすと皮脂などが混ざった、ちょっとベトベト・ヌメヌメした汚れを、湯垢と呼んでいるようです。

石けんかすとは「金属石鹸」を指していて、油脂に含まれている脂肪酸とミネラルの化合物です。
石けんとは、脂肪酸ナトリウム(脂肪酸+水酸化ナトリウム)、または脂肪酸カリウム(脂肪酸+水酸化カリウム)です。石けんの脂肪酸が、水道水のミネラルとくっついて、石けんかすができます。

脂肪酸、一般的には油脂分が多い汚れが、石けんかす。ですから、水となじませて落とすために、掃除では界面活性剤が役立ちます。

○湯垢2 皮脂や体から出る垢 界面活性剤で落とす

皮脂は私たちの皮膚に分泌される脂分で、垢は古くなってはがれ落ちた細胞(角質)です。

ですから、湯垢には脂とたんぱく質が含まれているということになります。

○ピンク汚れ こすって落とす

これは「ロドトルラ」という赤色酵母で、自然界で非常にありふれたものとのこと。「赤カビ」と呼ばれることもあるそうですが、カビではありません。
そして、免疫力がかなり落ちてしまった人でない限り、浴室にあるピンク汚れは人体には無害のようです。

ただ、見た目的にぎょっとしますよね。
この酵母は水のあるところで増えていき、壁の中などに潜り込んだりしないので、こする程度で落とせます。
https://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/sf/bio2/main.php?id=11

○黒カビ カビ取り剤で落とす

カビという呼び名は俗称とのこと。真菌類の中で、肉眼で見えるようになる種類をカビと呼んでいるそうです。

浴室でよく見かける黒カビは「クラドスポリウム(Cladosporium)」で、空中に浮遊するカビの中で最も多く、喘息などのアレルゲンとしても問題にされることがあります。
しかし、論文には以下のような記述もありました。

「カビ」は,喘息などの原因になることが知られているが,相対的に割合は低い。



この論文を読んだ印象では、カビの生えやすい環境(ダンプネス、高湿度環境)が問題のようですね。こうした環境は、換気をしていないため、ハウスダストがたまりやすいのかもしれません。
ですからカビ退治よりも、「カビが生えにくい環境づくり」がポイントになるということ。

また、少量が口の中に入った程度では、健康被害のリスクは限りなく低いとのこと。
以下は食品に関する記述です。

 全事例1,096件のうち、苦情食品を喫食した事例が44%あり、そのうちの18%がなんらかの臨床症状を訴えた。しかし、検出されたカビの種類と健康被害状況の間には有意な関連性がみられなかった。

 このことから、消費者にとっては「カビを食べてしまった」という心理的ショックが大きく、そのせいで体調不良を訴えたというのが実情ではないかと推察される

ですから、「浴室の黒カビが! きゃー!!」とドキドキして、過剰に心配するほうが、よほど体に悪いといえそうです。

これもピンク汚れといっしょで、目にするだけで不快。
カビの黒い色は菌糸によるもので、壁などに潜り込んでいるので、表面をこすったくらいでは落ちません。
「く、くやしい~」とこすって落とそうとしたら、壁などを傷つけるので要注意。

□参考資料
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