自分も破滅するとわかっていても、衝動を止められないのがサイコパスの業 『サイコパスの真実』
『サイコパスの真実』(著/原田隆之 ちくま書房)の「はじめに」で、「サイコパスについての神話」が掲載されています。
サイコパスについての神話
1 サイコパスとは、凶悪な連続殺人事件などに加担する者たちのことである2 われわれの身近には、サイコパスはめったに存在しない
3 刑務所に収容されている犯罪者には、サイコパスが多い
4 サイコパスは、知能が高い
5 われわれは、サイコパスを見分けることができる
6 サイコパスは、悲惨な家庭環境で育った者が多い
7 サイコパスにも心を開いて接すれば、心を通わせることができる
要は、サイコパスはその辺にいる普通の人々で、知能も普通だから、私たちが見分けることができないということです。その生い立ちを探っても、親身に世話をしても、サイコパスと私たちは心を通わせられないのです。
サイコパスの特徴について、以下が解説されていました。
サイコパス・チェックリスト
対人因子
表面的な魅力 一見人当たりがよく、魅力的で、共感しているふりがうまい尊大な自己意識 自分自身がルールで、簡単に社会規範や法を破り、責任転嫁する
他者操作性 弱みや悩みを抱えている人に近づき、そそのかしたりだましたりする
病的な虚言癖 息を吐くようにウソをつき、ウソがばれても動揺しない
長続きしない婚姻関係 相手を虐待したすぐ後に、涙ながらに謝罪することを繰り返す
感情因子
冷淡性、共感性欠如 善悪の区別はあり、頭では相手の気持ちを推察できるが、心は動かない良心の呵責や罪悪感の欠如 不安や恐怖といった感情的なシグナルがないために、平気で悪事を働く
浅薄な情緒性 「言葉を知っているが、響きを知らない」感情は薄っぺらで、苦しんでいる人を見ても平然として、自律神経反応は変化しない
自分の行動に対する責任を感じない
生活様式因子
衝動性刺激希求性
行動コントロールの欠如
現実的で長期的な目標欠如
無責任性
寄生的ライフスタイル
反社会性因子
幼少時の問題行動少年非行
早期からの行動的問題
仮釈放の取り消し
犯罪の多方向性 「死ぬまで犯罪を繰り返す」
そして、身近なサイコパスへの対処として6項目が挙げられていました。
対処法
(1)むやみに近寄らない
(2)表面的な言葉を鵜吞みにしない
(3)会う必要があるときは、一人ではなく複数で会うようにする
(4)自分の個人的なことを話さない
(5)本人の経歴等については、客観的証拠を基に判断する
(6)組織や企業では、重要な意思決定ができるポジションには就かせず、個人情報やセキュリティを扱う部署に配置しない
(2)表面的な言葉を鵜吞みにしない
(3)会う必要があるときは、一人ではなく複数で会うようにする
(4)自分の個人的なことを話さない
(5)本人の経歴等については、客観的証拠を基に判断する
(6)組織や企業では、重要な意思決定ができるポジションには就かせず、個人情報やセキュリティを扱う部署に配置しない
この本では、「カエルとサソリ」の寓話が、「サソリとキツネの物語」として紹介されています(カエルがキツネに置き換わっただけです)。
イラスト/Kurzon |
川の向こう岸に渡ろうとするサソリが、毒針を刺さないと約束してカエルの背に乗せてもらうが、本能に逆らえず川の途中で刺してしまう。そしてカエルと共に、サソリも溺れる。
https://bunshun.jp/articles/-/12909
そんなサイコパスの光、つまりは人類全体の発展への寄与と、私たちをだまして傷つける闇について、本書では解説されていました。
サイコパスを変えることは難しいが、同様にサイコパスの騙されてしまうわれわれが変わることも難しい。しかし、人を変えるより、自分が変わるほうがはるかに簡単だ。
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