タマネギ・青魚・緑黄色野菜でドライアイ・頭痛が改善

  年齢が高くなればなるほど、きちんと目が見える状態を保つことが重要です。
 その理由は、「見えやすさ」が日々の活動に大いに関係するからです。新聞や雑誌を自分の目で読めると、さまざまな情報を得られて、外出する機会も増えます。ところが見えにくくなると、自分自身でできる楽しみが減って他人に頼らなければならなくなり、認知症にもなりやすくなってしまうのです。
 もう一つの理由として、目の見えやすさが全身の健康状態のバロメータであることが挙げられます。目は非常に小さな器官なので、喫煙や運動不足など悪い生活習慣の影響をすぐに受けてしまいます。言い換えると、目のコンディションを日々確かめながら生活していれば、全身の健康状態も自然と整ってくるということです。

 目の健康を保つためには、普段の食事に気を遣うことが大事です。食事の内容で加齢黄斑変性(網膜の中心部分の黄斑がダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気)のなりやすさが変わってくることは、アメリカ眼科学会誌で報告されていました。魚を週に2回摂取している人は、加齢黄斑変性の発症リスクが25%低下し、魚にプラスして野菜を1日200g以上、果物を1日2回摂取している人は、発症リスクが42%低下するという結果が出たとのこと。
 
 「目は非常に小さな器官」と述べましたが、そのために目の中を通る血管は非常に細くなっています。ですから、食事から取り入れられた栄養が偏っていれば、血流が悪くなり、目に血液が行き渡りにくくなります。
 加えて、目は外部からの光を取り込むために何の保護も受けていない、「むき出しの器官」です。そんな目を覆って保護している涙には、水分の層と脂分の層があります。脂分の層が涙の最も表面にあることで、水分が蒸発しにくくなり、乾燥から目が守られています。ですから、涙の質を高めるには食事で脂分を摂取する必要があります。
 さらに、目は太陽光にさらされているので、活性酸素による酸化ストレスを受けやすい状態にあります。活性酸素とは病気や老化の元凶物質で、太陽光の紫外線などが細胞に当たると発生します。
 活性酸素が原因で引き起こされる病気が白内障で、目をカメラにたとえた場合にレンズに当たる水晶体が、白く濁ってしまいます。これは、水晶体のたんぱく質が活性酸素によって変質しているのです。
 
 目の健康を守るために、次の3点を意識しながら、食材を選ぶことを進めている眼科医もいます。
1 血流をよくする栄養成分が含まれている
 黄色の色素成分であるケルセチンが豊富な、タマネギなど。
Photo/food.foto
2 質のよい脂分が含まれている
 常温でも液体の不飽和脂肪酸であるEPA・DHAが豊富な、サバなどの青背の魚。
Photo/無料写真素材「花ざかりの森」
3 活性酸素の害を減らす抗酸化作用を持つ成分が含まれている
 黄色の色素成分のルテインやビタミンB群が豊富な、シュンギク、コマツナ、ホウレンソウなど。
Photo/無料写真素材「花ざかりの森」


 ドライアイで受診した40代の女性の患者さんについては、「青背の魚とともに、油脂を積極的に取り入れてください」と眼科医がアドバイスしました。すると、目の症状が消えて、頭痛薬が不要になったと喜んでいました。ドライアイや見えにくさは栄養が偏っているサインと考えて、普段の食事を見直すことが大切とのことでした。
Powered by Blogger.