腎臓を巡る、長く、曲がりくねった物語 その17 ネフロンと洗濯機との対応

 腎臓は、背中側の肋骨のすぐ下の辺りに、背骨を挟んで2つあります。1つの大きさは、握りこぶし程度。

腎臓(看護roo!より、一部改変)

 人体解剖図で、腎臓を見ることはめったにありません。体の前側から見たら、消化器で隠されてしまうからです。
人体解剖図(図/イラストセンター



 腎臓はソラマメの形をしていて、凹んでいるほうから血管が出入りしたり、尿管が出てきたりしています。

 下は腎臓の断面図。腎動脈がたくさん枝分かれをして細い血管になり、毛細血管が丸まった糸球体につながっているのがわかります。

腎臓の断面(ブリタニカより、一部改変)



 糸球体は、漏斗(ろうと、じょうご)のような形をしたボウマン嚢に包まれています。ボウマン嚢には尿細管がくっついています。
ネフロン(ブリタニカより、一部改変)

 
漏斗

漏斗とボウマン嚢・尿細管の対応(いらすとやより、一部改変)


 腎臓は「洗濯機方式」で血液をクリーニングしていて、洗濯槽と対応するのが糸球体と述べました。
 洗濯槽の外側にある外槽はボウマン嚢、排水ホースは尿細管と対応しています。
 そして、洗濯機については、ネフロンと対応しています。ネフロンは、糸球体・ボウマン嚢・尿細管の3つを指しています。

ネフロン=腎小体(糸球体+ボウマン嚢)+尿細管

洗濯機とネフロンとの対応(TDK Techno Magazine第91回「洗濯機のモータと磁石」の巻より、一部改変)


糸玉のように見える糸球体(『世界一美しい人体の教科書』より)

ネフロン(看護roo!より、一部改変)※糸球体の形は上の写真参照

 洗濯槽には、穴が開いています。
洗濯槽の穴

 糸球体を形成している毛細血管にも、穴が開いています。
糸球体の毛細血管は「有窓型」(Wikipediaより、一部改変)

 洗濯機の排水ホースに相当するのが、尿細管です。ただ、尿細管については、「水分を流す管」にプラスして、重要な働きがあるのです。それは次回に。




■参考資料
『寿命の9割は「尿」で決まる』   著/堀江重郎 SBクリエイティブ

 ※フリーランスの編集者・ライターである『クラナリ』編集人(バリバリの文系)は、腎臓に関する記事や書籍に携わる機会が多いため、それに関連していろいろと考察しています。素人考えですが。
Powered by Blogger.