酸(acid)について、超文系人間が調べてみた

 我々、文系の人間は漢字に引っ張られやすい傾向があり、「酸」と「酸化」などをごちゃ混ぜに考えがちではないでしょうか(もちろん、そうでない人もいるでしょうが)。

 「官能基」という言葉からはアダルトなイメージが湧きがちですが、英語だとfunctional group。英語にしたほうが、逆に理解しやすい場合もありました。
 ちなみに、官能基は有機化合物の性質を決める部分で、ヒドロキシ基「-OH 」、エーテル結合「-O-」 、カルボキシ基「-COOH」、エステル基「 -COO- 」など多数あるとのこと。


 「酸」と「酸化」についても、英語にしたほうが誤解がないように思います。
酸 acid 
酸化 oxdation  ※酸素 oxygen

 おやおや。全然違いますよね。ですから、次のことがいえます。

「酸は酸化剤」→×
「酸の効果は酸化作用による」→×

 また、それぞれでペアになる言葉も違います。

酸 acid⇔塩基 base、アルカリ alkali 〈関連用語:酸性、塩基性、アルカリ性〉
酸化 oxdation⇔ 還元 reduction 〈関連用語:酸化剤、還元剤〉

 今回は、超文系人間が酸について調べました。なお、ネット情報で学んだばかりなので、間違っている点も多々あると思います。ぜひ指摘してください。

酸 acid

 酸とは、「水に溶けると水素イオン(H+)ができる物質」、「水素イオンH+を与える物質」、「電子対を受け取る分子・イオン」というように説明されているようです。

 電子対は一組の電子で、同じ分子軌道を占めるが反対のスピンを持つ2つの電子から構成されています。詳しくは、以下のサイトを参照してください(5分では理解できなかったのですが、とても丁寧です)。

5分でわかる!電子式とは
https://www.try-it.jp/chapters-8873/sections-8997/lessons-9002/

 知り合いの理系人間によると、「酸とは〇〇」といった説明は、あくまでも便宜的なものとのこと。
 例えば、「水に溶けると水素イオン(H+)ができる物質」と説明していたが、あてはまらない現象が見つかって、「これは、もっと別の説明のほうがいいな……」ということになり、「水素イオンH+を与える物質」という説明が生まれるのだそうです。

 酸に含まれる水素原子のうち、水素イオンとして電離できる水素原子の数を「酸の価数」といい、価数に応じて1価の酸、2価の酸などと呼ぶそうです。

 酸の特徴は、以下の4つ。

1 酸味がある
2 マグネシウム、亜鉛などの金属と反応して水素を発生する
3 青色のリトマス紙を赤くする
4 塩基を中和する

塩基 base

 一般に、水溶液の中で解離して水酸化物イオン( OH− 、水酸イオン)を出し、酸と中和して塩(陰イオンと陽イオンから成る化合物)ができる物質と説明されていました。言い換えると、「水素イオンH+を受け取る」「電子対を与える分子・イオン」。 

 塩基の中で水に溶けるものがアルカリで、水溶液が示す性質はアルカリ性。

 生じる水酸化物イオン、または受け取ることのできる水素イオンの数を「塩基の価数」といって、価数に応じて1価の塩基、2価の塩基などと呼んでいます。

 塩基の特徴は、以下の4つ。

1)苦みがある
2)手につけるとぬるぬるする
3)赤色のリトマス紙を青くする
4)酸を中和する


酸性・アルカリ性

■モル

 1mol(モル)とは、6.02×10の23乗 個の集団(ちなみに6.02×10の23乗 はアボガドロ数と呼ばれているとのこと)。
 6.02×10の23乗 というややこしい数になったのは、常温で固体なので扱いやすい炭素(C)が基準になったからのようです。

 ここで、炭素12gに含まれている炭素原子の数の計算をします(なぜ12gかは不明)。
 炭素原子の1個の質量は、約2.0×10のマイナス23乗とのこと。


炭素原子の数
=炭素の質量÷炭素原子の1個の質量
=12g÷(約2.0×10のマイナス23乗)
=6.02×10の23乗(アボガドロ数)

 どんな物質にもアボガドロ数の個数の粒子が含まれているので、1アボガドロ数を1mol(モル)という単位で表すようにしたとのこと。
 逆をいえば、1molには1アボガドロ数の、5molには5アボガドロ数の粒子が含まれているわけです。

そして、molを単位として表した物質の量が、物質量(記号n)です。
物質量の概念を鉛筆の数え方で例えてみましょう。鉛筆は12本の集まりで1ダースと表現しますが、化学の世界では6.02×1023個の集まりを1molと表現します。
https://zukai-kikenbutu.com/buturikagaku/2-mol.html

■モル濃度

 モル濃度は、溶液に粒子が何mol(6.02×10の23乗 個)含まれているかを表しています。

■pH

 pH(水素イオン濃度を示す単位)は以下の式で求められます。
○pHが小さいほど水素イオン(H+)の濃度は高い
○pHが1減少すると水素イオン(H+)濃度は10倍になり、水酸化物イオン( OH−)の濃度は10分の1になる
○pHが1増加すると水素イオン(H+)濃度は10分の1になり、水酸化物イオン( OH−)の濃度は10倍になる




■酸性

 酸性とは、水溶液中の水素イオン(H+)が水酸化物イオン( OH−)よりも多い状態。


■アルカリ性

 アルカリ性とは、水溶液中の水酸化物イオン( OH−)が水素イオン(H+)よりも多い状態。


 いくつかの物質が、水溶液の中で水素イオン(H+)を渡したり受け取ったりして、中性になることが中和です。


■参考資料
東邦大学のサイト全般(お世話になっております)
トライイット 全般(お世話になっております)
https://ocw.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/ScienceLiteracy1-2009-Text-12.pdf
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/2020/tv/kagakukiso/archive/kagakukiso_19.pdf

 ※フリーランスの編集者・ライターである『クラナリ』編集人(バリバリの文系)は、腎臓に関する記事や書籍に携わる機会が多いため、それに関連していろいろと考察しています。素人考えですが。
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