アミノ酸・ペプチド・タンパク質問題
アミノ酸・ペプチド・タンパク質と、どれもよく目にします。なんとなく使っているところもあるので、確認してみました。
アミノ酸
アミノ酸については、分野ごとにちょっと捉え方が違うようです。
〇広い意味(化学の分野):アミノ基(-NH 2)とカルボキシ基(-COOH)の両方の官能基を持つ有機化合物の総称
「官能基」と聞くと、大人の夜の紫あるいは濃いピンクの「うっふーん」なイメージが湧きますが、東邦大学のサイトでは次のように説明されていました。
官能基とは、有機化合物の中にある特定の構造を持つ基で、その化合物の特徴的な反応性の原因となる原子や原子団のことである。 同じ官能基を持つ化合物は共通する物理的・化学的性質を持つ。 また、有機化合物の名称も、その化合物が持っている官能基をもとにしてつけられており、官能基は有機化合物の分類の方法として重要である。
英語だとfunctional groupとのことで、「英語のほうが、変な気分にならなくて済むじゃないか!」と思った次第です。
また、有機物と無機物には、以下の違いがあります。
アミノ酸についても、炭素が原子結合の中心となっているわけですね。
有機物
過去には「生体が産出する(=生物が作り出す)化学物質」、つまり生物由来の物質と定義されていたとのこと。
しかし、生物由来の物質を工業的に作り出せるようになったので、「炭素が原子結合の中心となる物質の総称」という定義に変わったそうです。
無機物
無機物は「炭素が原子結合に含まれない物質の総称」とされています。
〇狭い意味(生化学の分野、一般的な場合):生体のタンパク質の構成ユニットとなる「α-アミノ酸」
α-アミノ酸については、カルボキシ基(-COOH)が結合している炭素(α炭素、官能基と隣接した1番目の炭素)にアミノ基(-NH 2)も結合しています。
構造は、RCH(NH2)COOH 。
ペプチド
アミノ酸とアミノ酸がペプチド結合(-CONH-)して、2個以上つながった構造のものをペプチドといいます。人間の体の中には、ホルモン作用、神経伝達作用、抗菌作用などさまざまな生理活性作用を持つペプチドがあります。
一般に、結合したアミノ酸が50個未満のものはペプチドと呼ばれています。
組体操にたとえると、こんな感じ。
タンパク質
結合したアミノ酸が50個以上の場合、タンパク質と呼ばれています。
組体操にたとえると、こんな感じ。
![]() |
Wikipediaより |
※4つの階層構造
一次構造:アミノ酸
二次構造:ペプチド
三次構造:ポリペプチド鎖1本が空間的に作るタンパク質
四次構造:複数のポリペプチド鎖が集まってできるより大きなタンパク質
国立研究開発法人 理化学研究所 放射光科学研究センター
Leave a Comment