もっと楽しくPTAの広報紙を作るには? その4 予算と熱量に応じて作り方を選択

  もう廃刊になった雑誌なので名前を出しますが、あるプレスツアーで『ニキータ』編集部の人たちと一緒になりました。


 『ニキータ』。
 「ちょいワルおやじ」というコピーを作った岸田一郎氏が編集長を務めた女性ファッション誌。「艶女(アデージョ)」「コムスメに負けない」など、グイグイ押しめの内容でした。


 プレスツアーには「さすがニキータ!」というファッションで参加した彼女たち。
 しかし、工場見学したり畑で農業体験したりするツアーだったのです。

 長靴を貸してもらって艶女ファッションで畑を歩き回る姿は、「う~ん」という感じ。キメすぎが、逆に痛々しいのです。

 似たことが、PTAの広報紙にも言えます。
 基本的に保護者(PTA会員)しか読まない広報紙のデザインを凝ったり、プロっぽい写真を撮ろうとしたりするのは、畑の中の艶女
 力を入れるのは、その部分ではないと思うのです。

 PTAの広報紙で重要なのは、作る過程で保護者同士がなんとなく顔見知りになり、コミュニケーションが取りやすくなること。
 広報紙作りで不平・不満がたまり、保護者同士がギクシャクするのなら、なんのために行っているのかわかりません。やめてしまうほうが、親のため、子のため、学校のためになります(これはPTA活動全般に対して思うのですが)

 現時点で「やめる」という選択肢がなければ、予算と広報紙作りの熱量に応じて、作り方を検討するといいでしょう。

□予算たっぷり・熱量低いコース「デザイナーや印刷会社に丸投げ」

広報委員全体のやる気が少なく、予算に余裕があるのならば、外注するに限ります。
 住んでいる地域のデザイナーや印刷会社に頼めば、広報紙を依頼することで地域の経済活動を活発にする意義も生まれます。

 小学生・中学生ママで、フリーランスのデザイナーをやっている人も少なくありません。パソコンもソフトも安くなってきているので、デザイナーは在宅でやりやすい仕事なのです。

 ラフレイアウトを作る段階からデザイナーや印刷会社に依頼し、必要な素材(校長の言葉、学校風景の写真など)だけ渡して、あとは折る・束ねる作業までやってもらえばいいでしょう。

 自分たちが支払ったPTA会費なのです。予算を有意義に使って、地域経済にも貢献しましょう。
 ちなみに、ネット上にはPTAの広報紙作りを引き受ける会社の広告がたくさん出ています。

□予算少なめ・熱量高いコース「手書きを学校でコピー」

パソコンが普及し、さまざまなフォントが使えるようになった今、心をつかむのは手書き文字です。
 あるスーパーでは、わざとポップを手書きしています。

 カラフルなデザインや上手なイラスト(どこかのフリー素材)よりも、モノクロの手書きのほうが目を引くことは少なくありません。

 アナログ方式ですが、紙に写真を切り貼りして、原稿その他を手で書き、学校のコピー機で印刷すると、グンと安く済みます。

 以下はPTAの広報紙ではなく、古本カフェのフリーペーパーです。ホワイトスペースで読みやすく、センスあふれるデザイン。筆を使ったと思われる手書き文字にも味があります。
 PTAの広報紙にも参考になる点が多々あるはずです。




□予算も熱量もそこそこコース「ワードかフリーソフトでデザインし印刷通販」

マイクロソフトのワードで、PTAの広報紙はじゅうぶん作成できます。また「朝刊太郎」「open office」といったフリーソフトもあります。

 こうしたソフトを使って、広報委員がデザインし、デザインデータを印刷通販(プリントパック、ラクスルなど)に渡して印刷してもらいます。このようなやり方が一般的なようです。

□予算も熱量も少なめコース「ワードかフリーソフトでデザインし学校でコピー」

このコースでは、最初に広報紙の発行回数を見直しましょう。
 学校の行事は、学校からの手紙に書いてあるケースが多々あります。
 PTA役員紹介も同じ。

 重複する内容を削っていき、「どうしてもPTAの広報紙に掲載しなくてはいけない」というところまで話し合いましょう。熱量がいくら少なくても、この検討は必要です。
 その結果、おそらく年に1~2回の発行で済ませられるでしょう。

 例えば、学年末にPTA活動の報告だけを行うことになったとします。
 あらかじめ、各委員会の委員長に原稿と写真の依頼をし、2月頭に回収。レイアウト用のデータにテキストと写真をコピペして出来上がり。3月には広報紙を配布できるでしょう。


 一口に「PTAの広報紙」といっても、さまざまなやり方があります。
 広報委員になってしまった保護者たちが、仲良くはならなくてもいいのでギクシャクはしないように、全員が納得する形で広報紙作りに取り組めるといいですね。
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