数字を使えるようになるには割り算が必要 『問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい』『99%の人が知らない数字に強くなる裏ワザ30』

 「30%引き」

「50%ポイント還元」

 世の中は、たくさんの数字であふれています。

 普段の生活では、そんなに目くじらを立てる必要はないと思うのですが、家や車など高価な買い物をするときには注意が必要。
 加えて仕事でも、数字が使えなければブラック環境に身を置くことになります。収入が高くても、仕事時間が長過ぎて、お金を使う暇もなければ、意味がありません。

 仕事においては、数字が大事。
  『問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい』では、鉄則として次の3つが挙げられています。
「感情」ではなく「勘定」で考える
現金さえあれば会社はつぶれない
会計とは、数字を通して現在と未来を知ること 

 数字オンチは、どうしても売上ばかりを気にしがちです。しかし、費用にも目を向けなければなりません

売上-費用=利益または損失
売れ残りによって費用が増える
定期高収入の商売は、将来、競争が激化する
不定期低収入の商売からは、撤退したほうがいい

 収入が低い上、いつ入ってくるかもわからない不定期低収入の仕事は、まさにブラック。そんな仕事からは、撤退したほうがいいのは当たり前の話ですが、数字で考えないとうっかり自分をブラックな環境に置いてしまいかねません。

不利な場合は、勝負する土俵自体を変えるのが手っ取り早い

 その数字については、機会損失と埋没費用という観点で比較することが大事です。

機会損失とは、本来得られたはずの利益が得られなかったという、儲け損ねの損失
埋没費用とは、すでに発生済みで、今さらどうしようもない費用

 『豆大福分析―だれもがハマる「損得勘定の落し穴」のカラクリ』という本で、豆大福を使ってさまざまなケースが分析されているようです。
 推測するに、午前中には売り切れてしまう豆大福を落としたときの損失はいくらなのかなど。原価、売値、はたまた人気商品か大量に作って売れ残ることも多い商品かなど。生ものと長期保存できるものかも、関係するかもしれません。

商品の特性や現場の状況などによって、損失や費用の考え方は変わる

 また、でも書いたように、私たちに共通する損得勘定についても考えておく必要があります。

人は得よりも損した記憶のほうが2倍強く残る(プロスペクト理論)→「無料」には、損失を回避できるという安心感がある
最初に提示された数字に引きずられて判断が左右される(アンカリング効果)

 『99%の人が知らない数字に強くなる裏ワザ30』とも共通していたのが、割り算の話。

「おいしい話」は割り算を使って検討する
(例)「50人に1人が無料」だと、割引率は1/50で0.02

「効率」を判断するには、割り算を使う
効率=得られるもの(数字)÷それに割く資源(数字)
生産性=売上高÷時間


 『99%の人が知らない数字に強くなる裏ワザ30』には、数字に強いビジネスパーソンの4つの条件として、以下が挙げられていました。
○電卓を正しく扱える
○数字を使って考えられる
○数字のマジックに惑わされない
○数字の裏まで読み解ける

 数字が多いと、「全部検討しなければ」と思いがちですが、著者の深沢真太郎さんによるとそうではないそうです。
 
変化がテーマなら、変化したところだけ見ればよい
 具体的には、次のとおりです。
○必要な数字とそうでない数字が見極める
○計算の「二度手間」を避ける工夫をする

 数字を読む基本は「傾向と異物を探る」ことで、 数字の裏を読むための3つのキーワードとして次が挙げられていました。
○「定義は?」→先入観を排除する役割がある
○「一方で」→別の視点に誘導する役割がある
○「極端に考えると」→ものごとの本質に迫る役割がある

 そして、定量化といって、数字で表現すべきものを数字で具体化することが大事。例えば、「もっと」ならば「○%多く」という具合に、数字を使うのです。

%は金額に換算する
%は分母を把握する
「○%引き」と「○%ポイント還元」を比較するときは両者を同じ土俵に載せる
実質割引率=1-(支払った価値/得た価値)

 そして、損をしないコツとして、効率よりも必要性で判断することが挙げられていました。確かに、安くてお得でも、使わないものを買ったら無駄。



 以下は会社の経営で必ず必要な財務諸表についてで、『問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい』に書かれていました。
 極論をいうと、普段の成績のいい子(「通信簿」でいい点数)でも、入試(「テスト」)の際に落ちちゃうこともあるわけで、会社は黒字経営でも現金が手元になければ「黒字倒産」することもあるということですね。

財務諸表(決算書)
1 貸借対照表→財務三表、財産の記録
2 損益計算書→財務三表、「通信簿」
3 株主資本等変動計算書
4 キャッシュフロー計算書→財務三表、「テスト」


貸借対照表(バランスシート、BS)
ある期間の財産を記録
「貸」は自分の財産(資産)、「借」は他人から借りている財産(資本)
「貸」=「借」 ※会社は他人から集めたお金を、自分の財産に変えて活動しているので
調達したお金と使うお金は一致しなければならない
自己資本比率(%)=純資産/(負債+純資産)×100 50%以上が健全、10%以下が危険、マイナスは債務超過
「負債=負の要素」とは限らない
「資産10億」はすごいとは限らない ※資産は「将来お金になる」という意味なので、売掛金や在庫(売れ残りも含む)なども資産として計上されている

※簿記は、昔は「自分の財産を借りた人」を左に、「財産を貸してくれた他人」を書いていたため、左は「借方」(貸付金など)で右は「貸方」(借入金など)
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