超文系人間がちょっと細かく調べてみた その1 私たちを構成する物質はどこから来たのかな?

 私たちの体を構成している元素の割合は、次のとおりです。
酸素 65.0%
炭素 18.0%
水素 10.0%
窒素 3.0%
カルシウム 1.5%
リン 1.0%
硫黄 0.25%
カリウム 0.2%
ナトリウム 0.15%
塩素 0.15%
マグネシウム 0.05%

 酸素や炭素、水素などの原子で、体を流れる血液などの体液、体を動かす筋肉、体を支える骨、クッションの役割を果たす脂肪ができているんですね。
 こうした原子はどこから来たのでしょうか?

 「地球の誕生から現生人類の出現まで、超文系人間がざっくりまとめてみた」よりもちょっと細かく調べることにしました。


※フリーランスの編集者・ライターである『クラナリ』編集人(バリバリの文系)は、腎臓に関する記事や書籍に携わる機会が多いため、それに関連していろいろと考察しています。素人考えですが。
 
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  時間を巻き戻していくと、138億年前に、原子よりも小さく、超高温で超高密度の「点」が現れました。その「点」のほかには、何もありません。
 この「点」が爆発的に膨張して、宇宙が始まったというのが、「ビッグバン仮説」とのこと。ビッグバン仮説では、138億年、いや、将来を含めたらそれ以上の期間の、宇宙にあるすべてのものの素となるものが、「点」の中にあったとされています。

ビッグバン(国立科学博物館サイトより)

 ビッグバン直後は、温度や圧力が非常に高かったため、クォークなどの素粒子がブンブンと激しく飛び交っているでした。

●素粒子(particle)
この世界の物質をバラバラにしていったときに、これ以上分けられない最小のもので、クォークやレプトンなどがある。クォークには陽子(proton)や中性子(neutron)などが、レプトンには電子(electron)やニュートリノなどがある。発見されている素粒子は17種類


 ビッグバンの10のマイナス43乗(0.0000000000000000000000000000000000000000001)秒後に、重力が分かれて時空が生まれたという説があります。この10のマイナス43乗秒は、「プランク時間」と呼ばれています。

 10 のマイナス10乗秒後に、弱い力と電磁気力が分かれ、10 のマイナス6 乗秒後にクオークが3個くっついて、陽子と中性子になりました。宇宙が膨張とともに温度が下がって、クオークがくっつくことができる状態になったのです。

 3分後に陽子と中性子が結びついて、75%ほどの水素の原子核(陽子1個)と25%のヘリウムの原子核(陽子2個と中性子2個)ができました。 まだまだ温度が高いため、電子はブンブンと飛び回っています。
 
 電子には、さまざまな光や電波などの電磁波を吸収し、異なった方向に放射する性質があります。
 宇宙は原子核と電子がバラバラになって動いているプラズマ(電離)状態で、飛び回る電子に電磁波がぶつかるために曇っていました。
 この状態に近いのが、空に浮かぶ雲です。雲は小さな水滴の集まりです。水滴に光が乱反射して、ぼんやりと白く見えています。
 当時の宇宙は、雲に隠れているような状態でした。

 宇宙が膨張するとともに、温度や圧力は下がっていきます。
 宇宙の温度が下がって5000度Kになると、ヘリウム原子核が2個の電子をつかまえて、ヘリウム原子となりました。
 4000度Kになると、水素原子核が電子を捕まえて、水素原子になりました。


 そしてビッグバンから38万年がたつと、宇宙の温度が3000度Kになり、ほとんどの電子は原子核に捉えられます。そのため、光や電波は、電子に邪魔されずに長い距離を伝わるようになりました。宇宙の雲が取れた状態で、「宇宙の晴れ上がり」「再結合期(recombination epoch)」「光子の脱結合(photon decoupling)」などと呼ばれています。このときに飛び出した光が、現在の宇宙を満たしているマイクロ波(電子レンジに使われている)です。
 
 原子は、原子核とその周りにある電子で構成されています。
 最も構造が単純な水素は、1個の陽子から成る原子核と、1個の電子で構成されています。
 次いで単純なヘリウムは、2個の陽子と、2個の中性子から成る原子核と、2個の電子で構成されています。

 水素やヘリウムはガス(気体)で、周囲より濃度が高い部分では原子が互いに引き寄せる力が働きます。このように密度が高い「分子雲」と呼ばれる部分では、星(恒星)ができます。
 分子雲の中でも密度が濃い部分は、周りの水素を引き寄せます。引き寄せるときの運動エネルギーが熱エネルギーに変わって、温度が上がっていきます。そして長い年月をかけて水素が集まると、内部が熱い、巨大な水素の塊である「原始星」ができます。
 原始星が水素を引き寄せ、温度がさらに上がり、光を出す「核融合反応」が起こると、恒星が誕生します。

 核融合とは、軽い物質が組み合わさって、より重い物質を作る反応です。水素などの軽い原子核が融合して、ヘリウムなど、より重い原子核に変化します。非常に高い温度や圧力があるところで反応が起こり、核融合によって巨大なエネルギーが発生して光や熱が出ます。

 宇宙に存在する炭素や酸素などは、恒星の内部の核融合によって作られました。
 恒星の内部で水素がなくなると、水素の核融合が起こらなくなります。すると、熱と圧力が発生しなくなるので、星は重力で収縮します。この収縮によって中心付近の温度が上昇し、その温度が1億度に達すると、ヘリウムの核融合が始まります。ヘリウムの核融合で炭素や酸素ができます。
 なお、酸素は寿命の短い重い星で、ヘリウムから作られます。一方、窒素は、比較的寿命の長い星で、炭素や酸素を含んだ核融合反応で作られるので、窒素は酸素より遅れて増えました。

 星が寿命を終えるときの爆発や星風によって、炭素や酸素、窒素などは宇宙に放出され、これらを含んだガスからまた新たな星が生まれます。

 以上のように、酸素や炭素、水素、窒素といった私たちの体を構成している主な物質のルーツは、ビッグバン、そして恒星の内部の核融合にあるということになります。

 宇宙が点で始まったこと自体、文系人間にはどうイメージしたらいいのかさっぱりわかりません。重力も「時空のゆがみ」と一般相対性理論で説明されているそうですが、やっぱりわかりません。
 そして、「さっぱりわからない」「やっぱりわからない」という思いや考えも、脳という物質から生み出されているわけで、すべてを巻き戻すと宇宙ということになるようですね。


■参考文献

その14[超新星] 解説

「観測史上最古」宇宙誕生からわずか2.9億年後の銀河、JWSTが発見

星の一生

【不思議な謎】宇宙にいちばん最初に表れた「小さな1点」の正体とは?

138億年前のビックバン直後、宇宙はどんな姿をしていたのか

かくゆう合のけんきゅう

アルマ望遠鏡、 129億年前の銀河から窒素と酸素の電波をとらえる

地学基礎第1編 私たちの宇宙の進化ビッグバンと宇宙の誕生
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