因果関係は、相関関係の一部に過ぎない

  因果関係とは「Aが起きるとBが起きる」関係で、Aが原因でBが結果です。原因と結果は一方向で、「A → B」が決まっています。
 例えば、暑い夏にはビールの売上が増えますが、ビールがたくさん売れても気温は上がりません。

 それに対して、相関関係は「Aが変わるとBも変わる」関係で、2つのデータに連動性が見られます。ただし、因果関係があるとは限りません。
 因果関係があれば相関関係もありますが、相関関係があっても因果関係があるとは限らないということです。



 見せかけの相関(疑似相関)は、 AとBに関係があるように見えても、実際には偶然の一致や別の原因によるものを指します。
 よく例に挙げられるのは、海賊の減少と地球温暖化です。どちらも1820年から現代に至るまでに発生している事柄ですが、海賊が減ったから気温が上がったわけではありません。
 統計で強い相関が見えても、論理的な因果関係がない場合が見せかけの相関です。

 AとBに直接の関係がないのに、AとBの両方に影響する事柄があったため、あたかもAとBに関係があるように見える、見せかけの相関があります。AとBの両方に影響する事柄を、第3の変数(交絡因子)といって、見せかけの相関を作る要素の一つです。
 例えば、子どもの体力と学力には正の相関関係があり、運動習慣のある子どもには学力が高い傾向があります。
 そのため、「学力を伸ばしたいのであれば、運動をさせるとよい」という言説が現れますが、第3の変数として、教育熱心な親の存在が考えられます。教育熱心で、子どもの習い事にお金を惜しまない親だから、子どもは学習塾に通うと同時にサッカー教室にも入れるわけです。

 また、「A → B」と思っていたら、実は「B→ A 」だったということも珍しくありません。これが、逆の因果関係です。
 警察官の数が多い地域ほど犯罪発生件数も多い場合に、「警察官がいるから犯罪が増える」と勘違いすることが逆の因果関係で、実際は、犯罪が多い地域だから警察官が多く配置されています。


 AとBの因果関係を成立させるに、偶然の一致・第3の変数・逆の因果関係の3つではないと確認します。
 その方法が、事実と「反事実」、つまり「仮に○○をしなかったらどうなっていたか」という、実際には起こらなかった「たら・れば」を比較することです。

 私たちは日常生活でも、こんな風に考えることがあるはずだ。

「あのとき、この会社に転職していなかったら、今の収入はどうなっていただろう」
「あのとき、彼と結婚する決意をしていたら、今頃私はどんな生活をしていただろう」

かつて、フランスの哲学者であるブレーズ・パスカルはこう言ったといわれる。
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう」

 これらはまさしく反事実の考えかただ。

 事実と反事実の比較の仕方については、以下のページで詳しく解説されています。

●「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でわかる因果推論



■主な参考資料
警察官が多いから犯罪が起きる?注意しないとだまされる「逆の因果関係」

相関関係と因果関係を混同してはいけない理由

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