「全部デマカセ人間」の存在という、悩ましい問題
言うことがほとんどウソという
人間は存在する
20年近く前でしょうか、経歴、人脈など口にすることがほぼでたらめな「全部デマカセ男」と仕事をしました。
全部デマカセ男はさまざまなコネクションを利用して、私が所属していた編集部の上の人間と知り合い、ある地域の村おこしに関係する記事を作ることが決定。
新入りだった私は、上の人間の指示で記事を担当することになりました。
当時、私は20代で、全部デマカセ男はおそらく40代。
見た目は、少し前に話題になったショーンKをむくませて、太らせて、崩した感じでしょうか。
「その辺によくいる業界人」という雰囲気で、明るく、物腰は柔らか。
「この地域の発展に、私は力を貸したい」と情熱をたくさん語りました。
顔が広くさまざまな情報を持っているようなので、私たち取材スタッフは何の心配もなく彼と取材に出かけました。
しかし、現地に入ってから「全部ウソだった!」と驚かされたのです。
コーディ―ネートできるほどの人脈はなく、「オレがマスコミの人間を連れてくるから」とその地域で吹聴していたようです。
取材を続けるうちにボロが出てきて、なぜか尻拭いは私。
幸い、全部デマカセ男は編集部やその地域から大金をだまし取ることはなく、記事を無事に作ることができて直接の損害は被りませんでした。
その後、全部デマカセ男は本性が暴かれて業界から追放されたと聞きました。
全部デマカセ人間は
非常に愛想がいい
私が25年仕事をしてきた中で、男女問わず、口にすることがほぼでたらめな「全部デマカセ人間」は5人以上存在しています。「結婚している」「まだ幼い子どもがいる」といったことは無関係。
全部デマカセ人間の共通点は、自分で汗をかいてお金を稼いでいないこと。
そして、自分よりもさらに弱い人たちからお金をむしり取ろうとすることです。
ですから、接点づくりが巧みで、他人の弱みに敏感で、優しい言葉をかけたりオイシイ話を持ち掛けたりします。
全部デマカセ人間の傾向は、次のとおりです。
[初対面]
○非常に愛想がよい
○話し上手で、ほめ上手
○パリッとした服装だったり、気のいいおじさん・おばさん風だったりして、外見はいたって普通
○低姿勢
○接点づくりがうまい(遠いコネクションをたどってくる)
[その後]
○自分のウソと現実が区別できていない
○自分で責任を取らない(他人のせいにするのが上手)
○たとえ断っても、理由をつけて何度も押しかけてくる
○些細な落ち度をとがめる(難癖をつける)
○お金やお金になりそうなもの(無形の技術やコネクション、知名度なども含む)をたかろうとする
○弱みを握って恐喝する(暴言・暴力をふるうケースもある)
全部デマカセ人間かどうかを見分けるには、「どんな仕事をしてきましたか」とお金の稼ぎ方を質問するといいでしょう。
彼らがペラペラとしゃべって説明した内容で、以下の2点をチェックするのです。
●「AならB」「BならC」だから「AならC」と彼らは説明する。実際は「Aのほんの一部がC」でないかをチェック
●特殊な条件下でしか成り立たないことを、あたかも別の条件下でも成り立つように説明していないかをチェック
全部デマカセ人間は論理的な人間を嫌う傾向があります。
彼らの語っている内容を突き詰めていくことで、相手が寄ってこなくなることがほとんどです。
全部デマカセ人間の目的は
結局はよくわからない
私が全部デマカセ人間と接触してもお金をむしり取られなかったのは、幸運でしかありません。
全部デマカセ人間たちは詐取(「搾取」ではありません)することで生計を立てているからです。
「お金をそれほど持っていないから大丈夫」「地位も権威もないから無関係」というわけではありません。
むしろ弱者ほど、全部デマカセ人間の標的にされる可能性が高いと言えるでしょう。冒頭で紹介した全部デマカセ男については、まだ若く、仕事の経験も浅かった私は、いいカモだったに違いありません。
今でも、全部デマカセ男がどうしてすぐにバレるようなでたらめを口にするのか、結局のところ、よくわかりません。
全部デマカセ人間の目的や真意を考えるのは、時間の無駄かもしれません。中には「これはもう、一種の病だろうな……」という人物もいました。
人間は存在する
20年近く前でしょうか、経歴、人脈など口にすることがほぼでたらめな「全部デマカセ男」と仕事をしました。
全部デマカセ男はさまざまなコネクションを利用して、私が所属していた編集部の上の人間と知り合い、ある地域の村おこしに関係する記事を作ることが決定。
新入りだった私は、上の人間の指示で記事を担当することになりました。
当時、私は20代で、全部デマカセ男はおそらく40代。
見た目は、少し前に話題になったショーンKをむくませて、太らせて、崩した感じでしょうか。
![]() |
学歴を詐称したショーンK |
「その辺によくいる業界人」という雰囲気で、明るく、物腰は柔らか。
「この地域の発展に、私は力を貸したい」と情熱をたくさん語りました。
顔が広くさまざまな情報を持っているようなので、私たち取材スタッフは何の心配もなく彼と取材に出かけました。
しかし、現地に入ってから「全部ウソだった!」と驚かされたのです。
コーディ―ネートできるほどの人脈はなく、「オレがマスコミの人間を連れてくるから」とその地域で吹聴していたようです。
取材を続けるうちにボロが出てきて、なぜか尻拭いは私。
幸い、全部デマカセ男は編集部やその地域から大金をだまし取ることはなく、記事を無事に作ることができて直接の損害は被りませんでした。
その後、全部デマカセ男は本性が暴かれて業界から追放されたと聞きました。
全部デマカセ人間は
非常に愛想がいい
私が25年仕事をしてきた中で、男女問わず、口にすることがほぼでたらめな「全部デマカセ人間」は5人以上存在しています。「結婚している」「まだ幼い子どもがいる」といったことは無関係。
全部デマカセ人間の共通点は、自分で汗をかいてお金を稼いでいないこと。
そして、自分よりもさらに弱い人たちからお金をむしり取ろうとすることです。
ですから、接点づくりが巧みで、他人の弱みに敏感で、優しい言葉をかけたりオイシイ話を持ち掛けたりします。
全部デマカセ人間の傾向は、次のとおりです。
[初対面]
○非常に愛想がよい
○話し上手で、ほめ上手
○パリッとした服装だったり、気のいいおじさん・おばさん風だったりして、外見はいたって普通
○低姿勢
○接点づくりがうまい(遠いコネクションをたどってくる)
[その後]
○自分のウソと現実が区別できていない
○自分で責任を取らない(他人のせいにするのが上手)
○たとえ断っても、理由をつけて何度も押しかけてくる
○些細な落ち度をとがめる(難癖をつける)
○お金やお金になりそうなもの(無形の技術やコネクション、知名度なども含む)をたかろうとする
○弱みを握って恐喝する(暴言・暴力をふるうケースもある)
全部デマカセ人間かどうかを見分けるには、「どんな仕事をしてきましたか」とお金の稼ぎ方を質問するといいでしょう。
彼らがペラペラとしゃべって説明した内容で、以下の2点をチェックするのです。
●「AならB」「BならC」だから「AならC」と彼らは説明する。実際は「Aのほんの一部がC」でないかをチェック
●特殊な条件下でしか成り立たないことを、あたかも別の条件下でも成り立つように説明していないかをチェック
全部デマカセ人間は論理的な人間を嫌う傾向があります。
彼らの語っている内容を突き詰めていくことで、相手が寄ってこなくなることがほとんどです。
全部デマカセ人間の目的は
結局はよくわからない
私が全部デマカセ人間と接触してもお金をむしり取られなかったのは、幸運でしかありません。
全部デマカセ人間たちは詐取(「搾取」ではありません)することで生計を立てているからです。
「お金をそれほど持っていないから大丈夫」「地位も権威もないから無関係」というわけではありません。
むしろ弱者ほど、全部デマカセ人間の標的にされる可能性が高いと言えるでしょう。冒頭で紹介した全部デマカセ男については、まだ若く、仕事の経験も浅かった私は、いいカモだったに違いありません。
今でも、全部デマカセ男がどうしてすぐにバレるようなでたらめを口にするのか、結局のところ、よくわかりません。
全部デマカセ人間の目的や真意を考えるのは、時間の無駄かもしれません。中には「これはもう、一種の病だろうな……」という人物もいました。
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