生業の責任と法律 飲食物は栄養にもなるが、人の命を奪うこともある
質問です。以下のケースは飲食店・喫茶店などの営業許可が必要でしょうか?
<ケース1>
自宅で無料のフラワーアレンジメントの教室を開き、希望者には500円でハーブティーを振る舞っている →許可はいる?いらない?
<ケース2>
自宅で有料のヨガ教室を開き、参加者にハーブティーを無料で自由に飲める状態にしている →許可はいる?いらない?
こうした疑問に関して、本日、たかはし行政書士事務所の高橋求さんに取材させていただきました。
原稿はこれから作成し、高橋さんの校正を経てからアップする予定です。
■たかはし行政書士事務所
http://www.takaoffice.jp/
なぜこのような取材を行ったのかというと、私は過去にブックカフェを開きたいと思っていたので、飲食店・喫茶店などの営業許可について調べていたからでした。
実際は不動産関連の事情でカフェはできなかったのですが、営業許可には敏感になりました。
「あれ? 『コーヒー 200円』って張り紙しているけど、こんな店だったら営業許可が下りるはずはない」などと、つい勘繰るわけです。
また、「知恵の木」の店舗があった頃、遊びに来てくれた知人から、「ここでコーヒーとか出して、お金を取ればいいじゃん」と言われたこともありました。
私は苦笑いをして、内心、「ああ、営業許可について知らないのね」と思っていました。
お湯を注げばできるコーヒーぐらいなら、いいじゃない。
値段が安くて、大して儲かっていないからいいじゃない。
そんな意識の人も少なくないのかなと考え、『クラナリ』で飲食店・喫茶店などの営業許可について取り上げることにしたのです。
今日の取材を終えて、個人的な感想なのですが、家に遊びに来た友達に無料でコーヒーを出すことと、たとえ1円でも利益を求めてコーヒーを出すこととの間に、大きな隔たりがありました。
飲み物や食べ物でお金をもらうというのは、責任が大きいわけですね。
高橋さんは「食べ物は栄養にもなりますが、人の命を奪うこともあるんですよね」と話していました。
無料で提供する際にも、もちろん責任はあるが、有料ならなおさら重いということ。
また、私が自営業になって、会社員時代以上に感じるのが、「効率的に、1円でも多く儲けたい」という欲求です。時給で支払われない仕事だから、お金に対する意識も変わったのかもしれません。
そんな意識のせいでしょうか、食の安全や責任よりも金銭的利益をつい優先してトラブルを起こした例は少なくありません。
私が思い出すのは、焼き肉店で父と14歳の息子がユッケを食べて、息子だけが食中毒で死亡した事件。父親の気持ちを考えると、苦しいですね。「どうして自分が助かって……」と我が身を呪うのではないでしょうか。
また、ミンチ肉の食肉偽装事件。
さらに、食中毒でギラン・バレー症候群を発症した例がテレビ番組で紹介されていました。
【患者体験談】食中毒から「ギラン・バレー症候群」に
ギラン・バレー症候群とは、感染症などがきっかけで、免疫システムが末梢神経を攻撃するようになる病気(免疫とは、病原体などから体を守るしくみ)。感染などで下痢といった症状が出てからおよそ1〜3週間後に、足に力が入りにくくなったり、しびれたりするなどの神経症状が現れます。そして筋力が急速に低下するのです。
「まあ、肉は確かに危ないけれども、コーヒーや紅茶程度ならいい」というのも素人考えのようです。自分が仕入れたコーヒーに異物が混入して事故が起きたら、やはり提供者に大きな責任があります。
さらに「自分が作った料理を提供するわけではないから、保健所なんて関係ない」というわけでもありません。
例えば、自宅に料理人と客を呼んで、料理を客に食べさせてお金をもらった場合、客に食べる場所を提供して利益を得ているので、保健所からの営業許可が必要になる場合があるそうです。
本日は「どうして営業許可を取る必要があるのか」「食品衛生法の意義は」にまで踏み込んで、高橋さんには取材をしました(長時間になって恐縮です)。
そして、食に関連することで生業をつくりたいのなら、独りよがりではいけないと痛感した次第です。
「主婦業を20年以上もやってきて、料理に慣れているから大丈夫」「有名な食品ブランドのコーヒーだから大丈夫」「買ってきたパンやお菓子を、うちのダイニングでお客さんに食べてもらっているだけだから大丈夫」というのは、自分勝手な素人考えなのですね。
上記のことで自分がなんらかの利益を得ている場合は、「営業」に当たる可能性もあるので保健所に相談したほうがいいでしょう。
それから、法律とは私たちを縛る窮屈で面倒くさい存在ではなく、日本に住むすべての人の安全と権利を守るためにちゃんとした理由があり、必要なものともわかりました。生業として少額でも対価をもらう仕事をするのならば、法律を知り、守る責任があるわけです。
取材に応じてもらった高橋さん、ありがとうございます!
冒頭の2つのケースについて、<ケース1>についてはほぼ間違いなく営業許可が必要。<ケース2>は、営業許可が不要な可能性が高いが、保健所には念のため相談をしたほうがいいということでした。
<ケース1>
自宅で無料のフラワーアレンジメントの教室を開き、希望者には500円でハーブティーを振る舞っている →許可はいる?いらない?
<ケース2>
自宅で有料のヨガ教室を開き、参加者にハーブティーを無料で自由に飲める状態にしている →許可はいる?いらない?
こうした疑問に関して、本日、たかはし行政書士事務所の高橋求さんに取材させていただきました。
原稿はこれから作成し、高橋さんの校正を経てからアップする予定です。
■たかはし行政書士事務所
http://www.takaoffice.jp/
なぜこのような取材を行ったのかというと、私は過去にブックカフェを開きたいと思っていたので、飲食店・喫茶店などの営業許可について調べていたからでした。
実際は不動産関連の事情でカフェはできなかったのですが、営業許可には敏感になりました。
「あれ? 『コーヒー 200円』って張り紙しているけど、こんな店だったら営業許可が下りるはずはない」などと、つい勘繰るわけです。
また、「知恵の木」の店舗があった頃、遊びに来てくれた知人から、「ここでコーヒーとか出して、お金を取ればいいじゃん」と言われたこともありました。
私は苦笑いをして、内心、「ああ、営業許可について知らないのね」と思っていました。
お湯を注げばできるコーヒーぐらいなら、いいじゃない。
値段が安くて、大して儲かっていないからいいじゃない。
そんな意識の人も少なくないのかなと考え、『クラナリ』で飲食店・喫茶店などの営業許可について取り上げることにしたのです。
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コーヒーと出来合いのお菓子ぐらいなら……と思っていませんか? |
今日の取材を終えて、個人的な感想なのですが、家に遊びに来た友達に無料でコーヒーを出すことと、たとえ1円でも利益を求めてコーヒーを出すこととの間に、大きな隔たりがありました。
飲み物や食べ物でお金をもらうというのは、責任が大きいわけですね。
高橋さんは「食べ物は栄養にもなりますが、人の命を奪うこともあるんですよね」と話していました。
無料で提供する際にも、もちろん責任はあるが、有料ならなおさら重いということ。
また、私が自営業になって、会社員時代以上に感じるのが、「効率的に、1円でも多く儲けたい」という欲求です。時給で支払われない仕事だから、お金に対する意識も変わったのかもしれません。
そんな意識のせいでしょうか、食の安全や責任よりも金銭的利益をつい優先してトラブルを起こした例は少なくありません。
私が思い出すのは、焼き肉店で父と14歳の息子がユッケを食べて、息子だけが食中毒で死亡した事件。父親の気持ちを考えると、苦しいですね。「どうして自分が助かって……」と我が身を呪うのではないでしょうか。
また、ミンチ肉の食肉偽装事件。
さらに、食中毒でギラン・バレー症候群を発症した例がテレビ番組で紹介されていました。
【患者体験談】食中毒から「ギラン・バレー症候群」に
ギラン・バレー症候群とは、感染症などがきっかけで、免疫システムが末梢神経を攻撃するようになる病気(免疫とは、病原体などから体を守るしくみ)。感染などで下痢といった症状が出てからおよそ1〜3週間後に、足に力が入りにくくなったり、しびれたりするなどの神経症状が現れます。そして筋力が急速に低下するのです。
「まあ、肉は確かに危ないけれども、コーヒーや紅茶程度ならいい」というのも素人考えのようです。自分が仕入れたコーヒーに異物が混入して事故が起きたら、やはり提供者に大きな責任があります。
さらに「自分が作った料理を提供するわけではないから、保健所なんて関係ない」というわけでもありません。
例えば、自宅に料理人と客を呼んで、料理を客に食べさせてお金をもらった場合、客に食べる場所を提供して利益を得ているので、保健所からの営業許可が必要になる場合があるそうです。
本日は「どうして営業許可を取る必要があるのか」「食品衛生法の意義は」にまで踏み込んで、高橋さんには取材をしました(長時間になって恐縮です)。
そして、食に関連することで生業をつくりたいのなら、独りよがりではいけないと痛感した次第です。
「主婦業を20年以上もやってきて、料理に慣れているから大丈夫」「有名な食品ブランドのコーヒーだから大丈夫」「買ってきたパンやお菓子を、うちのダイニングでお客さんに食べてもらっているだけだから大丈夫」というのは、自分勝手な素人考えなのですね。
上記のことで自分がなんらかの利益を得ている場合は、「営業」に当たる可能性もあるので保健所に相談したほうがいいでしょう。
それから、法律とは私たちを縛る窮屈で面倒くさい存在ではなく、日本に住むすべての人の安全と権利を守るためにちゃんとした理由があり、必要なものともわかりました。生業として少額でも対価をもらう仕事をするのならば、法律を知り、守る責任があるわけです。
取材に応じてもらった高橋さん、ありがとうございます!
冒頭の2つのケースについて、<ケース1>についてはほぼ間違いなく営業許可が必要。<ケース2>は、営業許可が不要な可能性が高いが、保健所には念のため相談をしたほうがいいということでした。
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