外反母趾は靴のせいじゃない!? 足の機能を取り戻す「ゆりかご歩き」で4000人の外反母趾が改善
足の親指のつけ根が「く」の字に突き出して変形する外反母趾。突き出した部分が靴に当たって腫れ上がり、痛みが生じることも多いものです。
足に痛みが生じると、歩くのが苦痛になります。また、痛みをかばうために姿勢も悪くなります。こうして日常生活に悪影響が現れるのです。
外反母趾は、ヒールの高いパンプスや窮屈な靴で足の親指が圧迫されることが原因だと考えられがちです。しかし「靴を元凶とする考えは見直すべきです」と『外反母趾は「ゆりかご歩き」で治る! 』の著者である古屋達司氏(柔道整復師)は語っていました。
古屋氏は25年前から外反母趾の治療に取り組み、これまでに4000人以上の症状を改善させてきました。
「外反母趾になってからハイヒールを履かなくなった女性でも、症状が悪化していくケースは少なくありません。それに普段はスニーカーで過ごす10代の野球少年やサッカー少年も、外反母趾になっているのです」
足に負担をかけない靴を履いているのに、足の変形が進んだり痛みが悪化したりしているのが現実なのです。
原因は
「足の指を使わない歩き方」
「外反母趾の原因はズバリ『足の指を使わない歩き方』です」と古屋氏は指摘しています。足の指を使わなければ、なぜ外反母趾になるのでしょうか。
私たち人間の足は、両足を合わせて56個の骨で構成されています。全身の骨の数が約200個なので、全身の約4分の1に当たる数の骨が足にあるということです。
こうした多数の骨は靱帯でつながれ、腱と筋肉が付着して、アーチ形の構造をしています。その理由は、地面からの衝撃や体重の負荷に耐えられるようにするためです。
足の裏には、次の3つのアーチがあります。
①内側縦アーチ 一般に「土踏まず」と呼ばれている部分
②外側縦アーチ 足の小指のつけ根とかかとを結ぶライン
③横アーチ 足の親指のつけ根と小指のつけ根を結ぶライン
古屋氏によれば、横アーチが外反母趾と密接にかかわっています。
横アーチを構成する筋肉は、足の甲にある関節とつながっています。歩く動作の中で足の指に体重が乗るときに、横アーチの筋肉と足の甲の関節が連動して体重を支えているのです。しかし、足の指に体重が乗らない、つまり足の指を使わずに歩いていたら、横アーチの筋肉も使われずに衰えていきます。「歩くときに足の裏全体でペタッと接地したり、ドスドスと音を立てていたり、外股や内股になっていたりすると、足の指を使っていません」と古屋氏。
その結果、横アーチは体重に押しつぶされて、足の横幅が広い「開帳足」になります。
開帳足になったら、足の指の筋肉のバランスが崩れます。そして親指が小指側に引っ張られて外反母趾になるのだ。「私が今までに見てきた外反母趾の足では、すべてに共通して開帳足が認められました」と古屋氏は話していました。
スニーカーばかり履いているスポーツ少年でも、足の指を使わずに歩く習慣があれば外反母趾になってしまうということです。
足のトラブルには外反母趾のほかに、足の裏に炎症が起こって痛む足底筋膜炎、足の裏や指の皮膚が固くなって接地するたびに痛むウオノメなどが挙げられます。古屋氏によると、こうしたトラブルはすべて、足の指を使わない歩き方で引き起こされているそうです。
4週間の調査で
有効率は97%に達した
足の指を使う歩き方として古屋氏が指導しているのが「ゆりかご歩き」。
ゆりかご歩きとは、かかと→足の裏→足指の裏の順番に滑らかに着地させて、体重を移動させる歩き方です。かかとから足の指まで足全体を使って、ゆりかごが揺れるように体重を移動させるので、この名をつけたのだそうです。
古屋氏は外反母趾で足の親指のつけ根に痛みを訴えていた117名を対象に、ゆりかご歩きの効果を調査しました。4週間にわたってゆりかご歩きを行う前後で、ペインスケールを使って痛みの程度を数値化しました。この調査の結果、ゆりかご歩きを行った後で約75%が「痛みが半分になった」と回答し、有効率については97%に達しました。
外反母趾対策として、靴や中敷きにお金をかけるよりも、自分の歩き方を見直してほしいと古屋氏は強調しています。
「サポーターやテーピングなどで治療しても足の痛みと変形が改善しないために、途方に暮れている人も少なくないでしょう。しかし、あきらめる必要はありません。今からゆりかご歩きを始めれば、外反母趾は自分で治せるのです。足の痛みが楽になれば歩行がスムーズになり、旅行も買い物もスポーツも楽しめるようになります。こうして積極的に体を動かすようになれば、全身の筋肉が強くなり、健康的に長生きすることにもつながるのです」
古屋達司(ふるや・たつじ)
外反母趾研究所代表・柔道整復師。1963年、東京都生まれ。日本柔道整復専門学校卒業。92年、東京都板橋区にて三園接骨院(現みその接骨院)を開業し、外反母趾治療に取り組む。テーピングだけの治療法に限界を感じ、リハビリテーション医学の観点からアプローチを加え、「ゆりかご歩き」を考案。外反母趾の改善効果を飛躍的に向上させる。その成果を理論的に体系化し、99年に外反母趾研究所をみその接骨院に開設する。現在では、関東近県をはじめとする日本全国から数多くの患者が訪れ、アメリカ、イギリス、フランス、オーストリア、中国など海外在住の日本人からの歩行指導の依頼もあとを絶たない。また、その指導を受けた治療家とともに、日本全国に外反母趾研究所を広めている。
※この記事は、2017 年7月6日に古屋氏をインタビューした内容をもとに作成しています。最新情報は古屋氏に直接お尋ねください。
足に痛みが生じると、歩くのが苦痛になります。また、痛みをかばうために姿勢も悪くなります。こうして日常生活に悪影響が現れるのです。
外反母趾は、ヒールの高いパンプスや窮屈な靴で足の親指が圧迫されることが原因だと考えられがちです。しかし「靴を元凶とする考えは見直すべきです」と『外反母趾は「ゆりかご歩き」で治る! 』の著者である古屋達司氏(柔道整復師)は語っていました。
古屋氏は25年前から外反母趾の治療に取り組み、これまでに4000人以上の症状を改善させてきました。
「外反母趾になってからハイヒールを履かなくなった女性でも、症状が悪化していくケースは少なくありません。それに普段はスニーカーで過ごす10代の野球少年やサッカー少年も、外反母趾になっているのです」
足に負担をかけない靴を履いているのに、足の変形が進んだり痛みが悪化したりしているのが現実なのです。
原因は
「足の指を使わない歩き方」
「外反母趾の原因はズバリ『足の指を使わない歩き方』です」と古屋氏は指摘しています。足の指を使わなければ、なぜ外反母趾になるのでしょうか。
私たち人間の足は、両足を合わせて56個の骨で構成されています。全身の骨の数が約200個なので、全身の約4分の1に当たる数の骨が足にあるということです。
こうした多数の骨は靱帯でつながれ、腱と筋肉が付着して、アーチ形の構造をしています。その理由は、地面からの衝撃や体重の負荷に耐えられるようにするためです。
足の裏には、次の3つのアーチがあります。
①内側縦アーチ 一般に「土踏まず」と呼ばれている部分
②外側縦アーチ 足の小指のつけ根とかかとを結ぶライン
③横アーチ 足の親指のつけ根と小指のつけ根を結ぶライン
古屋氏によれば、横アーチが外反母趾と密接にかかわっています。
横アーチを構成する筋肉は、足の甲にある関節とつながっています。歩く動作の中で足の指に体重が乗るときに、横アーチの筋肉と足の甲の関節が連動して体重を支えているのです。しかし、足の指に体重が乗らない、つまり足の指を使わずに歩いていたら、横アーチの筋肉も使われずに衰えていきます。「歩くときに足の裏全体でペタッと接地したり、ドスドスと音を立てていたり、外股や内股になっていたりすると、足の指を使っていません」と古屋氏。
その結果、横アーチは体重に押しつぶされて、足の横幅が広い「開帳足」になります。
開帳足になったら、足の指の筋肉のバランスが崩れます。そして親指が小指側に引っ張られて外反母趾になるのだ。「私が今までに見てきた外反母趾の足では、すべてに共通して開帳足が認められました」と古屋氏は話していました。
スニーカーばかり履いているスポーツ少年でも、足の指を使わずに歩く習慣があれば外反母趾になってしまうということです。
足のトラブルには外反母趾のほかに、足の裏に炎症が起こって痛む足底筋膜炎、足の裏や指の皮膚が固くなって接地するたびに痛むウオノメなどが挙げられます。古屋氏によると、こうしたトラブルはすべて、足の指を使わない歩き方で引き起こされているそうです。
4週間の調査で
有効率は97%に達した
足の指を使う歩き方として古屋氏が指導しているのが「ゆりかご歩き」。
ゆりかご歩きとは、かかと→足の裏→足指の裏の順番に滑らかに着地させて、体重を移動させる歩き方です。かかとから足の指まで足全体を使って、ゆりかごが揺れるように体重を移動させるので、この名をつけたのだそうです。
古屋氏は外反母趾で足の親指のつけ根に痛みを訴えていた117名を対象に、ゆりかご歩きの効果を調査しました。4週間にわたってゆりかご歩きを行う前後で、ペインスケールを使って痛みの程度を数値化しました。この調査の結果、ゆりかご歩きを行った後で約75%が「痛みが半分になった」と回答し、有効率については97%に達しました。
外反母趾対策として、靴や中敷きにお金をかけるよりも、自分の歩き方を見直してほしいと古屋氏は強調しています。
「サポーターやテーピングなどで治療しても足の痛みと変形が改善しないために、途方に暮れている人も少なくないでしょう。しかし、あきらめる必要はありません。今からゆりかご歩きを始めれば、外反母趾は自分で治せるのです。足の痛みが楽になれば歩行がスムーズになり、旅行も買い物もスポーツも楽しめるようになります。こうして積極的に体を動かすようになれば、全身の筋肉が強くなり、健康的に長生きすることにもつながるのです」
古屋達司(ふるや・たつじ)
外反母趾研究所代表・柔道整復師。1963年、東京都生まれ。日本柔道整復専門学校卒業。92年、東京都板橋区にて三園接骨院(現みその接骨院)を開業し、外反母趾治療に取り組む。テーピングだけの治療法に限界を感じ、リハビリテーション医学の観点からアプローチを加え、「ゆりかご歩き」を考案。外反母趾の改善効果を飛躍的に向上させる。その成果を理論的に体系化し、99年に外反母趾研究所をみその接骨院に開設する。現在では、関東近県をはじめとする日本全国から数多くの患者が訪れ、アメリカ、イギリス、フランス、オーストリア、中国など海外在住の日本人からの歩行指導の依頼もあとを絶たない。また、その指導を受けた治療家とともに、日本全国に外反母趾研究所を広めている。
※この記事は、2017 年7月6日に古屋氏をインタビューした内容をもとに作成しています。最新情報は古屋氏に直接お尋ねください。
文/森 真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

Leave a Comment