「穏やかで副作用がない」は大誤解! 漢方薬の長期ダラダラ服用に要注意

 漢方薬には、「穏やかな効き目で、体に優しい」「副作用がない」「体質を改善する」というイメージを抱く人が多いようです

 実際は真逆かもしれません。
 症状や体質に合う漢方薬は、スパッと鋭い効き目を発揮するからです。

 漢方薬には長期服用による肝機能障害が報告されているだけでなく、副作用があります。長期服用してもいい漢方薬もあれば、短期だけの服用に限られる漢方薬もあり、細かく分類されているのです。

 ダラダラと服用しないほうがいい漢方薬の一つが、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

 医薬品である「ナイシトール」「コッコアポ」の主成分が、防風通聖散です。あたかも内臓脂肪を減らすような印象を与える名称がついた商品もありますが、防風通聖散がやせ薬ではないことを最初に断わっておきます。


防風通聖散の歴史は
意外と短い

 「中国三千年の歴史」「中国四千年の歴史」などといいますが、防風通聖散が考案されたのは800年ほど前のことです。

 古い時代の中国では、栄養不足や冷えが病気の原因と考えられてきました。しかし、800年ほど前になると、過剰な栄養が原因で体内にこもった熱によって、病気が治らないという考え方が出てきたのです。体の中で火が燃え盛るように、顔がほてり、カッカとイラ立って、皮膚は炎症が起こり、水分が不足して便が硬くなります。

 こうした症状を解消するために生まれたのが防風通聖散。体内の余分なエネルギーを外に出す「瀉(しゃ)する」効果が、防風通聖散にはあります。

 私が過去に取材した例では、西洋薬がまったく効かなかった胃痛が、防風通聖散ですぐに解消した女性がいました。彼女は早口でしゃべる色黒のやせ型で、皮膚科医として働いています。ストレスが原因でたまった体の熱が、胃にダメージを与えていたのでしょう。

 私も早口でしゃべる色黒のやせ型で、若い頃は頑固な便秘に悩まされていました。西洋薬の下剤は激しい腹痛と下痢を引き起こすのですが、防風通聖散はスーッと体の詰まりが取れる感じがして快便になるので、たびたび服用していました。

色白ぽっちゃりタイプは
胃腸障害などを起こす可能性も

 漢方に詳しい医師が、防風通聖散は腹部にたまった毒を体の外に排出すると解説していました。その結果として肥満も解消することから、ダイエットに効果的な漢方薬として防風通聖散が広く認知されるようになったと推測されます。

 しかし、問題は肥満のタイプ。

 エネルギー過剰で、飲み過ぎ・食べ過ぎ・ストレス抱え過ぎの固太りタイプが防風通聖散を飲んでも、問題はないでしょう。便秘やほてり、イライラ、皮膚のかゆみ、炎症、湿疹といった症状に効果を発揮するに違いありません。

 ただ、胃腸が弱くて元気もなく、冷汗をかきやすくて、色白のぽっちゃり肥満タイプが防風通聖散を飲み続けると、胃痛や下痢などの体調不良を起こす可能性が非常に高いといえます。

 さらなる問題は「漢方薬には副作用がない」という誤解。胃腸障害が起こっても「原因は防風通聖散ではないだろう」と勘違いして、体力を消耗させながら防風通聖散を飲み続けるケースも考えられます。

 西洋医学的には「肥満」「便秘」「胃痛」という症状に対応する薬が処方されますが、漢方はちょっと違うようです。症状を訴えているのがどんな人なのか、体質やそのときの体調、症状の強さなどに合わせて薬が処方されています。西洋医学と同じ理屈で漢方薬がベースの医薬品を飲むのは、そもそも無理があるのです。

Powered by Blogger.