デジタル時代の子育てでは、なによりも親のスマホ離れが大事

 昨年、3歳ぐらいの幼い男の子が、スマホやタブレットなどを3台操作していると思われる写真がツイッターにアップされて、私たちを驚かせました。
 アカウントの主は、「現代の魔法使い」と呼ばれている、筑波大学准教授・学長補佐の落合陽一氏。なんと落合氏は、息子が誕生したその日に、専用のスマホをプレゼントしたのだそうです。

 科学者でありメディアアーティストでもある落合氏。最近では子育てに関してもメディアで発言しています。
 0歳児にスマホを贈った彼の子育て論には「なるほど」と思える一方で、「こんなに幼い子どもがスマホを使っていても大丈夫なのだろうか」と不安がわいてきます

 デジタル時代の子育てについて、アメリカでもさまざまな論争があるそうです。


親と一緒に充実した時間を
子どもが過ごすことが重要

 アメリカでは以前から、スマホやタブレットといったデジタル製品を子どもが利用することについて、活発に議論がされてきました。

 そんな中、2016年10月には、米国小児科学会(AAP)がガイドラインを発表。その内容は以下のとおりです。

【1】2歳未満は基本的にデジタル製品の使用を禁止
【2】2~5歳は1日1時間まで
【3】6歳以上の子どももデジタル製品の使用を制限する

 さらに、AAPは「Pediatrics」2018年12月3日オンライン版で、「子どもにはデジタル製品よりも、人形やブロック、クレヨンといった昔ながらのおもちゃを与えることを推奨する」と発表していました。
 この発表での「デジタル製品」には、携帯型ゲーム機やおしゃべりする動物型ロボットなども含まれています。

 最近の日本では、携帯型ゲーム機を持たない子どもはほとんどいないでしょう。公園などに子どもが集まっているものの、ほとんど会話せず、それぞれがゲームに熱中している姿をたびたび見かけます。
 また、ベビーカーに載せられている子どもが、スマホをいじっている光景も珍しくありません。

 しかし、ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのAlan Mendelsohn氏は「子どもはおもちゃを介して親と一緒に充実した時間を過ごすことが重要だ」と話します。
 「幼い子どもは保護者との関わりを通じて多くのことを学ぶ。読み聞かせで声を出して一緒に絵本を読むことも、そうした関わりの一つになる」

 デジタル製品によって、親と子どもや友達同士など、人間が声を出して関わる機会が減ってしまうのが問題なのかもしれません。

「親も携帯電話などの使用を控えるように」と
専門家はアドバイス

 AAPが推奨するおもちゃは、次のような昔ながらの物です。
〇本
〇お絵描きの道具(クレヨンなど)
〇人形、ぬいぐるみ
〇ブロック
〇カードゲーム、ボードゲーム、パズル
〇車や飛行機、電車といった乗り物の玩具
〇ボール

 「おもちゃを用いた『ごっこ遊び』は社会性を培い、感情のコントロールなど実生活で必要とされるさまざまなスキルを身に付けるのに役立つ」とMendelsohn氏。

 しかし、シアトル小児研究所小児保健・行動・発達センターの施設長であるDimitri Christakis氏によれば、現時点ではデジタル製品が子どもの発達にどのような影響を与えるのかは明らかになっていません。
 だからこそ、デジタル製品を子どもが利用してもよいのか、ハイテクとローテクの教育が優れているのか、論争になりやすいのです。

 ところで、Mendelsohn氏もChristakis氏も、「子どもとの時間を充実したものにするには、親も携帯電話などの使用を控えるように」とアドバイスしています。

 冒頭で例に挙げた落合氏については、息子への目が優しく、成長ぶりに強く興味を抱いていることがインタビューなどから伝わってきました。

 ハイテクとローテクを比較する前に、まずは親自身がデジタル製品の操作に夢中になりすぎず、また「与えておけば楽だから」とスマホや携帯型ゲーム機に子守をさせることがないようにしたいものです。


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