学習障害の中学生のための英語学習

 学習障害の子どもたちについてすでに報告されているのは、英語が苦手ということ。
 アルファベットの羅列が、言語として頭に入ってこないのだそうです。


 最も苦労するのが、単語を覚えることです。
 これには、学校教育でローマ字表記を先に覚えさせることが悪影響を及ぼしているのではないかと推測しています。


 さておき、今の受験システムで英語は避けて通れません。
 そこで、学習障害の子どもたちにどのように英語を教えたらいいのか、どのような学習法を紹介したらいいのかを検討しました。

photo/Lina Kivaka


1 構文をたたき込む

 母国語として英語を学ぶわけではない日本人の私たちが、絶対に避けて通れないのが、構文。
 構文がしっかり頭に入ると、英語力の土台ができます。


 学習障害の子どもたちについては、単語を覚えるよりも構文を頭に入れるほうがはるかに楽なようです。ですから、最初に構文を教えたり、構文がきちんとわかるような参考書を渡したりするといいでしょう。
 受験のときに文法問題で点を稼ぐという点でもお勧めです。




2 単語を覚えるために周囲がサポートする

 構文については、学習障害の子どもたちでも自学でなんとかできそうです。
 サポートが必要なのは、単語。


 ネットで調べると、学習障害の子どもには、以下のような単語の覚え方があるようです。

○英文を読んで、文脈の中で覚える

○接頭辞・接尾辞の知識を使って覚える

○語源や発音、語義などを説明する

○辞書の、単語読み上げ機能を使う

○同義語、反対語とセットで覚える

○普段の会話に英語を混ぜる


 国語(日本語)でも文字を書くことが苦手な子どもについては、「単語を何回も書いて覚えろ」というのは苦痛なだけでなく、効果がさほど得られません
 ですから、鉛筆を持たずして英単語を覚える方法を考えるのが第一。


 書く負担を減らし、その分のエネルギーを単語の記憶に回すわけです。

ノートなどには、教える側の人間が説明しながら子どもの代わりに書いてあげます。
 「甘やかせすぎだろう」と思うならば、録音・撮影という方法もあるでしょう。説明を録音させたり、板書を写真に撮らせたりするのです。


 また、英単語を日本語訳ではなく、実際の物や動作などを見せて覚えさせる方法もあります。
 今は便利な時代で、英単語をネットで画像・動作検索すれば対応できます。


 それから、意味が同じあるいは似ている単語、接頭語が同じ単語などをグループ分けして覚えることもできます。




 なお、「繰り返し書きなさい」と同様に、「辞書で調べなさい」という学習方法が、学習障害の子どもには向かないという話もありました。
 周囲の大人たちが、自分にとって有効だった方法を押し付けてはいけないということですね。
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