改めて、「心臓」について考えてみよう その1 心電図
医療系ドラマの手術シーンに、必ず登場する心電図モニター。
視聴者である私たちは、心電図モニターが患者の状況を示す重要な機器とはなんとなくわかるものの、何を見ているのかはイメージできないのではないでしょうか。
「心電図」という名前だけに、心臓の電気?
そんなわけで、よくテレビで目にする「心電図」について調べてみました。
今回は遠回りになりますが、心臓の役割から順に考えていきたいと思います。
■循環器系
血液とリンパ液を全身に循環させて、酸素や栄養素の運搬、老廃物の回収を行っています。
○心臓 筋肉(心筋)で出来たポンプで、酸素や栄養素の豊富な血液を送り出す
○血管系 全身に血液を巡らせる
○リンパ系 組織間液がリンパ管に吸収されたリンパ液を流し、異物を除去する
※心臓+血管系→心血管系
■心臓
握りこぶし大の臓器で、健康な成人の場合、重量は250~300g程度です。
■血液の循環
動脈血は酸素分圧が高い、静脈血は二酸化炭素分圧が高い血液です。
○体循環 血液が全身に送られてから心臓に戻る
左室→動脈系→毛細血管系→各組織→毛細血管系→静脈系→右房
○肺循環 ガス交換のために肺に送られた血液が心臓に戻る
右室→肺動脈→肺→肺静脈→左房
私たちの体を構成する細胞。その細胞の表面は、細胞膜で覆われています。厚さは8~10 nm(nmは、mmの1000000分の1を示す単位)。
細胞の中には、遺伝子やたんぱく質などのパーツがあり、それらを守る働きをしているのが細胞膜です。細胞の内と外を分けて、必要な物質を入れたり不要なものを出したりする門番のような役目もしています。
細胞も、細胞と細胞の間も、液体で満たされています。そして細胞膜で仕切られている内と外(細胞と細胞の間)とでは、当然、液体に含まれている物質が異なるわけです。
原子は、物質を構成する最小の粒子。
原子の中心にあるのが「原子核」で、その中に「陽子」「中性子」があります。そして原子核の周囲を「電子」がぐるぐると回っています。
○陽子 +を帯びた粒
○中性子 +でも-でもない粒
○電子 -を帯びた粒
原子が電子を得たり失ったりすると、「陽子の数(+)=電子の数(-)」となっていたバランスが崩れます。このようにバランスが崩れた原子が、イオン(電解質)。
○陽イオン 陽子の数(+)>電子の数(-)
○陰イオン 陽子の数(+)<電子の数(-)
小学校の理科実験で、水に食塩などを入れると電気が流れることを確かめます。これは食塩(NaCl)が水の中でNa+とCl–というイオンに分かれ、イオンが動くことによって生じる現象です。物質が水に溶けると、陽イオン(+)と陰イオン(-)とに分かれることを「電離」といいます。
細胞膜の内と外とで、陽イオンと陰イオンの数が異なる状態が生じた場合に、イオンの分布の差で、細胞の内外にできる電位の差が「膜電位」です。
何も刺激がなく、静止しているときは、外よりも内のほうが-で保たれています。このときの膜電位が静止膜電位。
それが刺激を受けて興奮すると、外よりも内のほうが+になるのですが、これは、細胞の外にあったナトリウムイオン(Na+)が、細胞の内側に入って来るからです(脱分極)。興奮したときに起こる電位の変化を、「活動電位」といいます。
心臓がドクッドクッと収縮を行って血液を送り出すわけですが、収縮させる役目を負っているのが活動電位です。
■心臓の刺激伝統系(興奮伝導系)
「洞房結節」とは、興奮(活動電位)を自ら発生させる能力(自動能)を持つ「特殊心筋」。刺激伝導系を構成する細胞は、特殊心筋と呼ばれ、その他の心筋細胞とは区別されています。
洞房結節が発生させた活動電位は、約1秒に1回のリズムで心臓全体に伝わります。すると心筋細胞の中のカルシウムイオン(Ca2+)の濃度が急に高まり、心筋細胞が収縮します。これが心臓全体の心筋細胞でほぼ同時に起こることで、心臓が拍動し、血液が送り出されます。
洞房結節の自発的に興奮する→心包筋に興奮が広がる→心包筋の興奮が終わり、房室結節に興奮が伝わる→ヒス束・左脚&右脚・プルキンエ線維・心室筋の順で興奮する→心室筋の興奮が終わる→洞房結節の自発的に興奮する→……
■心電図
心電図は、心臓の興奮(電気的な活動)の様子を波形に記録したもの。皮膚に電極を接着させて、心臓の興奮状態を感知します。
1903年に、オランダのウィレム・アントホーフェン教授が心電図を測定。この業績によって、博士は1942年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
■参考資料
東邦大学メディアネットセンター
https://chuugakurika.com/2017/12/24/post-1184/





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