尿が作られる仕組みと出る仕組み その4 口で飲んだ水はどうやって尿になるのか
「飲んだ水がそのままおしっことして出てしまう」
子どもの頃は、口から飲んだ水はおなかを通って尿になると、なんとなく思い込んでいました。
しかし、消化管と腎臓はつながっていません。当然のことながら、「飲んだ水がそのままおしっこになる」わけがないのです。
では、どうやって尿ができているのでしょうか。
私たちが口からゴクンと飲んだ水。食べ物と同様に食道・胃・十二指腸を通って、水のほとんどは栄養素とともに小腸で吸収されます。小腸で吸収され切れなかった水は大腸で吸収され、残った水分は便と一緒に排出されています。
小腸と大腸で吸収された水は、血管に入り、血液に乗って全身に運ばれていきます。
皮膚に送られると汗となって蒸発して、体温を下げるために使われたり
リンパ管に入って免疫細胞を運んだり
消化液に使われたり
腎臓から老廃物と一緒に尿として排出されたり……
水は行き着いた先々で、さまざまな役目を果たしています。
私たちの体重の50~60%を占める水分。
その約3分の2は細胞内に存在して、残りの3分の1は細胞の外(細胞間液)や血液に含まれています。
以上のことから、口で飲んだ水は小腸と大腸で吸収された後、血液に乗って全身を巡り、腎臓に運ばれたら老廃物を体外に出すために尿として使われているということになります。尿として出ている水分が、いつ口から飲んだ水なのかは、どうやらよくわからないようですね。
水については、現代の科学でもわからないことが多く、そんな水が私たちの生命活動を支えているということです。
■参考資料
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