薬との付き合い方7 子どもに薬を使うときの注意

※この記事は「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」の「医薬品の本質」をベースに、個人的な勉強を目的として作成しています。

〇試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)


 薬を子どもに使う場合には、以下のように年齢が分けられています。
乳児:1歳未満
幼児:7歳未満
小児:15歳未満

 子どもは大人と比べて、体の大きさに対して腸が長いのだそうです。薬は腸から吸収されるので、子どもは腸が長い分だけ、薬の吸収率が高くなります。

 また、体の司令塔の働きをする脳を守るために、血液から脳の組織に物質が移行するのを制限する仕組みがあります。この「血液脳関門」が、子どもはまだ発達していません。ですから、飲んだ薬の成分が脳に移行して、中枢神経に悪影響を与える危険性があります。

 さらに、 薬の成分は肝臓で代謝(分解など)され、腎臓から体外に排泄されます。これらの機能も子どもは未発達。そのために薬の成分が体の中に長くとどまって、作用が強く出過ぎることもあるわけです。

 「子どもは大人よりも体が小さいから、私が飲んでいる薬を半分あげればいいかな」というのもNG。子どもの年齢に応じた用法用量が定められている薬を使いましょう。

 薬によっては、形などが子ども向けではないため、使わないほうがよいものもあります。
 錠剤やカプセル剤の場合、小さな子どもだと、のどにつかえることもあります。それで、子どもは苦しい思いをし、「薬は嫌だ」と拒否意識が生じてしまうかもしれません。

 乳児については、薬の影響を受けやすく、病状も急に変わりやすいので、医師の診察を受けて薬を処方してもらったほうがいいでしょう。一般用医薬品は、どうしてもという場合にとどめます。

 乳幼児は、自分の体の状態を言葉にして大人に伝えることが難しいもの。ですから、薬を乳幼児に使ったら、その後の様子をよく観察しましょう。「あれ?」と思ったら、すぐに医師の診察を受けさせるようにします。

 好奇心旺盛の子どもは、家に置いてあった薬を飲んでしまう可能性があります。ですから、子どもの手の届く場所や、目につく場所に薬は置かないようにします。
 誤って子どもが大人用の薬を飲むなどした場合は、専門家に相談します。

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