薬との付き合い方26 解熱鎮痛薬~漢方処方製剤
※この記事は「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」の「医薬品の本質」をベースに、個人的な勉強を目的として作成しています。
〇試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html
鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤には、以下のものがあります。
(a) 芍薬甘草湯
(b) 桂枝加朮附湯、桂枝加苓朮附湯
(c) 薏苡仁湯、麻杏薏甘湯
(d) 疎経活血湯
(e) 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(f) 釣藤散
(g) 呉茱萸湯
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シャクヤク フリー素材無料写真 森の父さん花鳥風穴より |
呉茱萸湯以外はいずれも構成生薬として甘草(カンゾウ)を含んでいます。偽アルドステロン症に注意が必要です。
そして芍薬甘草湯以外は、比較的長期間(1カ月ぐらい)服用されることがあります。
(a) 芍薬甘草湯
□適応
体力に関わらず使われる
症状があるときのみの服用にとどめる
筋肉の急激な痙攣を伴う痛み
こむらがえり
筋肉の痙攣
腹痛
腰痛
□不向き
心臓病の診断を受けた人
□重篤な副作用
肝機能障害
間質性肺炎
鬱血性心不全
心室頻拍
(b) 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)
□適応
体力虚弱
汗が出る
手足が冷えてこわばる
尿量が少ない
関節痛、神経痛
□不向き
のぼせが強い
赤ら顔
体力が充実している
□副作用
動悸
のぼせ
ほてり
(c) 薏苡仁湯、麻杏薏甘湯
□薏苡仁湯の適応
体力は中等度
関節や筋肉のはれや痛み
関節痛
筋肉痛
神経痛
□麻杏薏甘湯の適応
体力は中等度
関節痛
神経痛
筋肉痛
イボ
手足の荒れ(手足の湿疹・皮膚炎)
□不向き
体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
胃腸の弱い人
発汗傾向の著しい人
□副作用
悪心
嘔吐
※どちらの処方も構成生薬としてマオウを含む
(d) 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
□適応
体力は中等度
痛みがあり、ときにしびれがある
関節痛
神経痛
腰痛
筋肉痛
□不向き
胃腸が弱く下痢しやすい人
□副作用
食欲不振
胃部不快感
(e) 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
□適応
体力が中等度以下
手足の冷え
下肢の強い冷え
下肢または下腹部が痛くなりやすい
冷え症
腰痛
下腹部痛
頭痛
しもやけ
下痢
月経痛
□不向き
胃腸の弱い人
(f) 釣藤散
□適応
体力中等度
慢性の頭痛
めまい
肩こりな
神経症
高血圧の傾向
□不向き
胃腸虚弱
冷え症
□副作用
食欲不振
胃部不快感
(g) 呉茱萸湯
□適応
体力が中等度以下
手足の冷え
肩こり
みぞおちが膨満
頭痛に伴う吐きけ・嘔吐、しゃっくり
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