歴史は変わる! 世のお父さん・お母さん、「大和朝廷」は「ヤマト王権」、「ルーズベルト」は「ローズベルト」なんですって問題

  お父さん・お母さんたちの中には、子どもの頃に以下のお札を使っていた人もいるのではないでしょうか。

 学校の教科書で、お札に描かれたこの人物は「聖徳太子」と説明されていたはずです。


 しかし、今の教科書は違うのです。中学校だと「厩戸王〈うまやどのおう〉(聖徳太子)」なんだとか。

 同じ歴史上の人物なのに、呼び方が変わるなんて、納得いかないですよね。あの日あのときに、あれほどがんばって覚えたことが否定されているような気分もします。


 歴史上の人物の呼び名などが変わったのは、2017・2018(平成29・30)年に学習指導要領が改訂されたからなのだそうです。ざっと見たところ、以下のように変更されています。


●「大和朝廷」→「ヤマト王権」
●「聖徳太子」→「聖徳太子(厩戸王〈うまやどのおう〉)」(小学校) 「厩戸王(聖徳太子)」(中学校)
●鎌倉幕府の成立:1192年→1185年
●「桃山文化」→「安土桃山文化」
●「鎖国」→幕府の対外政策 ※「国を封鎖」というのは実情と異なると考えられたらしい
●「島原の乱」→「島原・天草一揆」
●工場制手工業≠「マニュファクチュア」 ※イギリスの工場制手工業に限定
●日露和親条約の締結:1854年→1855年
●アメリカ合衆国大統領「リンカーン」→「リンカン」
●アメリカ合衆国大統領「ルーズベルト」→「ローズベルト」「ローズヴェルト」


 ほかにも、水田稲作が行われるようになった弥生時代については、私たちは紀元前300年に始まると習っていたようですが、今の教科書だと紀元前10世紀という研究結果も紹介されているとのこと。200~300年もの開きがあります。

 なぜこういう事態になったのかというと、技術の発展が関係しています。

○古いデータ(1960年代):土器編年や遺跡から出土した中国の青銅器をもとに割り出された年代に、弥生前期のコメや貝を炭素14年代法で測定したデータ結果を加味

○新しいデータ(2002年):最新のAMS(加速器質量分析法)−炭素14年代法などで測定した結果、九州北部の弥生時代遺跡から出土した、土器に付着する炭化物(コメのおこげ)や木杭は、紀元前900~800年のものと判明

※土器編年
土器を各地域ごと、各型式ごとに前後関係に分類・整理し、年代順に配列すること

※炭素14年代法
大気中の炭素14濃度が変化しないと仮定して、遺物の中の炭素の放射性同位体である炭素14の量から年代を推定する方法


 さらに、日本各地で一斉に弥生時代が始まったのではなく、諸説あることから、「紀元前300年」とバシッと決めてしまうこと自体に無理があるのだとか。


 そして「大和朝廷」については、まず「朝廷」には「天皇と貴族による中央集権政治」というニュアンスがあるそうです。
 しかし3世紀後半にできた政治体制は、「天皇と貴族による中央集権政治」にはなっていなかったとのこと。「朝廷と呼ぶにはふさわしくない」という話ですね。
 次に「大和」については、国の名前として使われたのは8世紀中頃からのようです(「養老令」が施行)。
 加えて中国では日本を「倭」と呼んでいました。『三国志』の「魏志倭人伝」の「倭」ですね。
 そのために「大和」「倭」と区別できるように「ヤマト」としたそうです。

 「ルーズベルト」は英語でRoosevelt。“roo”が「ルー」にするか「ロー」にするかという問題。オランダ語では「ロー」と発音し、「ルーズベルト」の先祖が、17世紀にアメリカ合衆国に移住したオランダ系移民だったことから、「ローズベルト」「ローズヴェルト」と表記されているのだそうです。

 ときどき子どもから教科書を借りて、知識をアップデートしなければならないようです。

「人生は終生勉強である」 松下幸之助 

□参考資料

日本経済新聞 変わる歴史用語、聖徳太子→厩戸王 学習指導要領案
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO12920600U7A210C1CR8000/
帝国書院
https://www.teikokushoin.co.jp/q_and_a/history/
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