【体験談】ビオチンの摂取で大きく改善した掌蹠膿疱症と手荒れ

■ビオチン療法(あくまでも目安)

①食後に以下を摂取する
●ビオチン 5000μg(mcg)
●酪酸菌製剤 3粒
●ビタミンC 400mg

②タバコを吸わない

③脂っこい食品は避け、日本型の食生活にする

④生の卵白を避ける(加熱すればよい)


※以下は私の個人的な体験です

 小学校低学年から、私は手荒れに悩まされ続けていました。皮膚がカサカサで、パックリと裂けて痛むのです。高校生の頃は水ばんそうこう(商品名「コロスキン」)を絶えず持ち歩いていました。
 そして大人になってからは、インターネットで数多くの情報を検索し、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」という病気があることを知りました。
 掌蹠膿疱症とは、手のひらや足の裏に、黄色の膿がたまった小さな水ぶくれがたくさんできる病気です。1カ所が治ったらまた別の箇所にできるという具合に、絶えず水ぶくれとかさぶたができている状態になります。


 症状については、以下のサイトなどに写真が掲載されています。
●にしぼり整形外科
http://www.nishibori-seikei.com/biotin/


 私は皮膚科などで掌蹠膿疱症とは診断されていません。しかし、インターネット上にアップされている患者の写真と瓜二つの小さな大量の水ぶくれが、手だけでなく足の裏にも見られました。
 なお、足の裏の症状は子どもの頃にはなかったので、最初は手が荒れていただけです。就職してから数年で、掌蹠膿疱症のような症状が出てきたと記憶しています。
 もちろん、皮膚科を受診したのですが、水虫を引き起こす白癬菌が発見されませんでした。医師には「自分の汗にかぶれているんじゃないでしょうか? 医学が進んでも、すべての病気が解明されているわけではないんですよ。特に皮膚科については、わからないことが多くて」と言われました。
 こうした状況だから、皮膚科では、ステロイドなどを使った対症療法とスキンケアなどで改善と増悪を見ながら、治療を進めていくしかないのかもしれません。


 掌蹠膿疱症の治療法の一つとして、「ビオチン療法」があります。掌蹠膿疱症については、歯の詰め物や、扁桃腺に原因があると考えられているようですが、体内のビオチン不足が関係しているという説があるのです。そのビオチンを補給するビオチン療法については、編集者として仕事をする中で知りました。


 ビオチンはビタミンB群に分類される水溶性ビタミンで、ビタミンHとも呼ばれています。



 ビオチンについては、腸で作られるので、本来は外から捕球する必要がないとされています。日本人の食事摂取基準(2021年版)では、ビオチンの摂取量(目安)は成人(18〜64歳)で1日当たり 50 µgになっています。

 しかし、ビオチン療法を考案した前橋賢医師(元 本庄第一病院免疫内科医師)は、 腸内環境が悪化し、ビオチンがうまく作られない、または悪玉菌がビオチンを食べてしまうと、体内でビオチンが足りない状態になると考えました。その結果、掌蹠膿疱症が引き起こされているとのこと。
 ですから、ビオチンを補給するとともに、ビオチンを減らさないように腸内環境を改善するビオチン療法を考え出したのです。
 掌蹠膿疱症の治療のため、歯の詰め物の金属を取り除いたり、扁桃腺を切除したりする手術を受けても、症状が改善しなかった患者が、ビオチン療法でよくなった例もあるそうです。



 ビオチン療法では、ビオチンとビタミンC、酪酸菌製剤(商品名「強ミヤリサン錠」)を摂取します。ビオチンとビタミンCは水溶性なので、摂取し過ぎたとしても尿とともに体外に排泄されます。酪酸菌製剤は、要は整腸剤なので、便秘がちな私としては摂取したほうがいいと考えました。


 こうして、ビオチン療法を始めたのですが、ビタミンCと酪酸菌製剤が切れると購入するのが面倒になったのです。ビオチンについては海外通販で大量購入していたので、ビオチンだけを摂取していました(国内のサプリメントでは、ビオチンの量が少なすぎるため、海外のサプリメントを利用)。
 こんな大ざっぱなやり方だったのですが、手荒れが次第に改善したのです。

 もちろん、ビオチン摂取のほか、ひび割れをケアしたり、手を濡らすことを控えたりしました。しかし、ビオチンを摂取し始めると、手だけでなく、顔の皮膚も感触が非常によくなるので、私には効果があったのだと思います。

 手荒れには複数の病気が関係しているのかもしれません。自分でよく手を観察するとともに足の裏も調べて、黄色の膿がたまった小さな水ぶくれができていれば、ビオチンの摂取を検討してもいいでしょう。
 なお、私はサプリメントも保湿剤と同様に「薬」ととらえているので、ビオチンのサプリメントを摂取するのは症状があるときだけにとどめ、長期にわたって使用していません



 前橋医師によると、私たちの体を病原体から守る仕組みである「免疫」が、掌蹠膿疱症には関係しています。
 病原菌が体内に入ってきたときに、体の中ではそれに抵抗して「抗体」が作られます。抗体には、大きく分けるとIgM、IgD、IgG、IgA、IgEの5種類にがあります(Igは免疫グロブリン)。

 5種類の抗体の違いは以下のサイトでわかりやすく説明されています。

●中外製薬
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/antibody/antibodyp07.html

 IgAが手のひらや足の裏に沈着すると、掌蹠膿疱症が現れるのだそうです。
 水ぶくれ(膿疱)の中や周囲の組織には、白血球が浸潤しているだけでなく、IgAが沈着しているとのこと。


 そして、IgAが皮膚ではなく、鎖骨や胸骨、肋骨、脊椎、骨盤などの骨膜に沈着すると、掌蹠膿庖症性関節炎(SAPHO症候群)が発生。腎臓、膵臓、腸の場合は、IgA腎症、糖尿病、クローン病、潰瘍性大腸炎が起こるのだそうです。


 ビオチンが不足すると制御性T細胞が活性化しなくなり、IgAが歯止めなく作られ、皮膚や骨膜に沈着すると、前橋医師は説明しています。
 前橋医師の説明から、掌蹠膿疱症は自己免疫疾患の一つとも考えられます。


 さておき、ビオチン療法に話を戻すと、ビオチンだけを摂取していると、ビオチンを食べる悪玉菌が腸内で増えるのだそうです。この悪玉菌は、乳酸菌の一部やフェカリス菌で、ポピュラーな乳酸菌製剤によく含まれています。そのため、ビオチンを食べる悪玉菌と拮抗する酪酸菌を摂取する必要があるとのこと。
 なお、私の場合は、上記のように、ビオチンだけの摂取でも皮膚症状の改善が見られました。

 なお、アメリカでは掌蹠膿疱症は乾癬の一種と考えられているとのこと。
 また、ビオチン療法を前橋医師とともに研究した牧野好夫医師は、乾癬にもビオチン療法が効果があったと報告しています。



 皮膚科に行っても治らない、子どもの頃から悩まされている……そんな手荒れや手足の湿疹については、ビオチン療法を試してみる価値はあると自分の体験から考えています。



前橋賢(まえばし まさる)
東北大学医学部卒業。東北大学大学院医学研究科修了後、同大学医学部付属病院に勤務。その後、国立療養所秋田病院勤務を経て青嵐会本荘第一病院に勤務。医学博士。内科認定医、内科指導医。




■参考資料 
https://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/646/1/108_431.pdf
http://www.nishio-clinic.sakura.ne.jp/etc_syouseki.html
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
http://www.nishibori-seikei.com/blog/2012/10/post-90.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/59/4/59_KJ00001707803/_article/-char/ja/
https://www.k-hifuka.or.jp/case/palmoplantar-pustulosis/https://bandh.org/biotin.html

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