「修正を受けるのは2回まで。それ以上は追加料金が発生します」と言おう

 ハッとするツイートを目にしました。

「ラーメン」と注文を受けたので持っていくと「チャーシューメンにして」と言われたので作り直すと「タンメンがいいかな〜」言われて作り直した挙句「あ〜やっぱチャーハンにするわ」がまかり通るのがデザインの世界。おかしすぎるだろw(そして金額はラーメン分しかもらえない)

https://twitter.com/Taichi701001/status/1484389567969230849

 投稿者は、雑誌のデザインをやっているとのこと。



 このツイートで、あるイラストレーターとのやり取りを思い出しました。
 彼女の前回の仕事は、ファッション系の書籍。著者がかなり注文の多い人で、しかも、後から後から「このバッグがちょっと……」「この襟の形がちょっと……」とダメ出しをするタイプだったとのこと。繰り返される修正指示で、彼女は疲れてしまったようです。

 私と仕事をすると決まったときに「何度も修正することになったら、その分の料金はいただきたい」との要望が彼女から出たので、クライアントに伝えたところ、それには対応したくないとのこと。まあ、制作時の出費を減らしたいわけで、立場的にはわかるのですが……

 フリーランス編集者としては、私もクライアントからギャラをもらって仕事をする立場なので、勝手にイラスト原稿料を上乗せすることはできません。

 そんなこんなで、現在の自分は「企画立案時点で、ネチネチと打ち合わせをする」というスタイルになってしまいました。例えば書籍の編集ならば、テーマ、全体のイメージ、個別のイメージ、表記、文体など、最初に細々と著者サイドと話し合います。

 仕事のスタートは遅れるし、「著者を大事にしたい」という思いがあるクライアントにはいい顔をされません(もちろん、私も著者を大事に思っていますが)。
 うざったがれて自分に依頼される仕事量は減るとわかっていますが、「何度ものやり直しで、自分も含め、仕事にかかわったスタッフが擦り切れる」というのは、もう嫌なのです。 

 最近の仕事だと、企画書を8回ぐらい書き直して、ようやく制作作業をスタートさせました。

 しつこく打ち合わせをするのは、「チャーシューメンにして」「あ〜やっぱチャーハンにするわ」を封じ込めるため。

 ところが、無邪気に引っくり返してくる人物もいるんですよね。そんなときは企画書を見せつつ、「●月×日の打ち合わせで、この件については話し合いが済んでいます。それなりの理由がなければ、変更は応じられません」と、やはりネチネチ対応します。

 また、打ち合わせに参加せず、途中から仕事に関わってきたのに「こっちの方向性のほうがよかったのに~」と言ってくる人物もいました。はらわたは煮えくり返りますが、「方向性を変えろ」という指示ではないということで、スルーしています。

 仕事のことを振り返ると、やりがいや楽しいことのほうが少ない気もしてきました。

 ただ、冒頭で紹介したツイートには、15万6000の「いいね!」がついているんですよね。やるせない思いを抱えつつも、仕事を乗り切っている人が多いのだとわかります。大量のリプライをうなずきながら読みつつ、「皆さん、がんばっているのだな」としみじみ。

Powered by Blogger.