ライトノベル作家の平均年収が8085万円か80万円か、そして「夢の印税生活」問題

 2022年1月22日放送のTBS系14:00「土曜☆ブレイク バラまき!!〜新データ調査バラエティ〜」という番組で、「ライトノベル作家の平均年収が8085万円」と放送されて、大いにざわついたそうです。

https://togetter.com/li/1834423

 その後、どうやらTBSのサイトに訂正文が出たとのこと。

先程の番組の1位のライトノベル作家の平均年収は【80万円】の記載ミスでした。失礼いたしました

https://twitter.com/hanadenka/status/1484785762683928576

 その差、なんと8000万円。なんということでしょう……

 ネット上でライトノベル作家の収入について調べていたところ、いくつか情報がヒットしました。『将来が見えてくる! 日本の給料&職業図鑑 Special』(著/給料BANK×スタディサプリ進路  宝島社)だと、ラノベ作家の平均給料・給与は85万円。ちなみに、宝島社は「このライトノベルがすごい!文庫」でライトノベルを刊行しています。



 そして、上記の本の共著者とされる給料BANKのサイトには、以下のように書かれていました。

ラノベ作家の平均給料・給与
505万円
ラノベ作家の平均年収
6070万円~8085万円

https://kyuryobank.com/other/ranovel.html

「8085万円」という数字が一致するので、冒頭の番組は、給料BANKのデータをもとに放送内容を決めたのだろうと推測できます。

 ライトノベルの刊行点数は、年間2000点前後と推測できます。

https://ln-news.com/articles/113065#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9A2021%E5%B9%B4%E3%82%92%E6%8C%AF%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%82%8B,%E3%81%B8%E3%81%A8%E8%BB%A2%E3%81%98%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82


 余談ですが、総務省の統計によると、書籍新刊点数は令和元年で7万1903点です。こんな莫大な点数では、とてもじゃないけれど書店では対応できないので、本のほとんどがネットで流通しているのでしょう。

https://www.stat.go.jp/data/nihon/26.html


 話をライトノベル作家に戻せば、ヒット作のシリーズものではない限り、初版は1万部も刷らないのではないかと個人的に思うのです。ライトノベル全体の刊行数が年間2000点前後で、書店の棚にも置かれない本が多いとなると、5000~6000部刷るというのが現実的かと。

 1冊当たり、本体価格が650円として、初版6000部を発行し、印税率10%とした場合、印税が39万円。消費税を入れて42万9000円。

 それで年間に何冊も書けるとは思われないので、多くても2冊かなと。だと42万9000円×2冊=83万8000円という計算になりますね。

 しかし。

 印税を実売部数で支払うケースがあります。詳しくは以下のページに書かれていますが、計算が複雑、かつ、気持ち的には泣けてきます。

https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1507/23/news016.html

 当たり前の話ではありますが、一握りの売れっ子とそれ以外とでは、収入に雲泥の差があるわけですね。この辺りは、芸能人やお笑い芸人と変わりません。

 「夢の印税生活」は、「印税生活は夢の中のお話」ということでしょうね。

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