古くから伝わる民間療法「松葉ジュース」
松は、日本庭園には必ずといっていいほど植えられている、私たちにとって非常になじみ深い樹木です。そして、古くから食べ物や薬として使われてきた歴史があるのです。
「あのトゲトゲした松葉を食べるの?」と、ちょっと信じられない思いもしますよね。
25年以上も前に、松葉を搾って作る「松葉ジュース」が、健康法としてブームを呼びました
松にはいろいろな種類がありますが、日本に多いのはアカマツとクロマツです。
アカマツは幹が赤褐色のためにその名が付き、葉は細くてしなやか。日本列島の北東部の山や内陸でよく見かけます。
クロマツは幹が黒々としていて、葉が固くて潮風にも強いので、海岸で多く見られます。
松の利用法について、過去の文献を調べました。
まず、今から1700年も前の中国の晋代に書かれた『抱朴子(ほうぼくし)』では、不老長寿の仙人になるための食べ物として松が紹介されているそうです。古代中国では、松の実や葉、松やにを食べると、いつまでも若さを保てると考えられていたようです。
そして、1578年にまとめられた中国の薬学書『本草綱目(ほんぞうこうもく)』に、松葉の効能が「毛髪を生じ、五臓を安んじ、中を守り、儀えず、天年を延べる」と記されていました。髪の毛が生えてきて、内臓を丈夫にし、胃腸を守って長生きができるということになります。
日本でも、『古事記(古事記)』よりも前に神代文字で書かれた『ホツマツタヱ』の中に、松についての記述があるとのことでした。松は日本には大変古くからあった樹木だったのだとわかります。
また、江戸時代中期の医師である寺島良安が編纂した『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』では、痰や消化不良、心臓の痛みに松葉が効くと薬効が紹介されていました。
『主婦の友』昭和9年1月号には、松葉酒の作り方が紹介されていました。
松葉に含まれている成分は、次のとおりです。
●アルコール
●エステル
●フェノール化合物
●グリコキニン 血糖降下の作用があるとされている
●ビタミン A・C
●クロロフィル(葉緑素)
それから、松葉を使った民間療法です。
●松葉茶(煎じるか煮詰める)
●松葉酒(梅酒と同様、ホワイトリカーと氷砂糖に漬け込む)
●黒焼き
●料理(てんぷら、炊き込みご飯、松葉みそなど)
●松葉ジュース
松葉ジュースについては、さまざまな作り方があります。1例を紹介しましょう。
1 ひとつかみほどの松葉を、水で洗ってから乾かす。
2 松葉に塩を少々かけて、よくもんで、瓶に入れる
3 松葉が漬かるぐらいの水を注いでから、瓶はしっかりとふたはせずに、2日ほど室温に置く
| 空気が出入りする状態にする |
| 細かい泡が出てくる |
4 微発酵して、プクプクと小さな泡が出てきたら出来上がり
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