「お金に意味を持たせない」 山崎元さんに勝手に教わるお金と生業2 『お金に強くなる!ハンディ版』

 厚生労働省の資料によると、健康寿命と平均寿命には、およそ10年の差があるようです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000637189.pdf

 もちろん個人差は大きいわけですが、アクティブに動ける期間を単純計算するのならば、次の式が成り立ちます。

アクティブ期=健康寿命-現在の年齢

 現在50歳の男性であれば、アクティブ期が20.42年間残っているということです。

 小泉進次郎ではありませんが、1年たつごとに、1年減っていくのがアクティブ期。その期間を、楽しく、自由に過ごせるのかは、持っているお金が多少は関係します。

 そしてお金のあり方は、時代によって変化します。
 ペイペイなどQRコード決済の利用率が57%に達したというデータがあります。
 今後、ますます現金使用は縮小していくでしょう。

 また、銀行は衰退していく可能性があると『お金に強くなる!ハンディ版』(著/山崎元 ディスカヴァー・トゥエンティワン)に書かれていました。かつての百貨店のように、時代の流れの中で、銀行のニーズが減っていくのでしょう。土日にも都銀の担当者から「お得なサービス」の電話が来るのは、苦しい状況だからなのかもしれません。

『お金に強くなる!ハンディ版』(著/山崎元 ディスカヴァー・トゥエンティワン)





 お金について、経済評論家の山崎元さん(2024年没)は次のように説明していました。

お金は「手段」

1 あれば、欲求をかなえられる
2 あれば、不幸を減らせる
3 運用することで、増やせる(お金でお金を稼げる)
4 持っていれば、後で使い道を決められる
5 あればあるほど、安心できるわけでもない

 あるに越したことはないけれど、自分の身丈(年齢、ライフスタイル、家族構成など)に合った形でバランスを取るほうがよさそうです。残された人生(アクティブ期)が20年の人と40年の人とでは、当然、お金の持ち方も変わってくるのです。

 今の世の中では、お金で可能になることは多いでしょう。買いたい物は買えるし、行きたいところにも行けます。
 しかしお金は、あくまでも手段に過ぎず、目的ではありません。

お金⇔自由 お金があれば選択肢が増やせるが、お金をたくさん得ようとすると不自由なことが強いられる
お金⇔時間 お金があれば時短サービスを利用できるが、お金をたくさん得るためには時間が費やされる

 手段であるお金で、人間の価値は測れません。年収が上下しても、その人自身の価値は変わらないのです。

 「お金に意味を持たせない」

 本書では、このように書かれていました。「これは○○用のお金だから、今は使えない」などと理由をつけて、借金をするのはナンセンス。名ドラマに「泥のついたピン札」というセリフがありますが、大切な人が稼いでくれたお金だとしても、「お金はお金」と割り切って、必要なときに淡々と使う必要があるのです。この辺りが、けっこう私たちは下手なのかもしれません。

 また、山崎さんは次のように述べていました。

 「お金を使うときや失うときは、割合ではなく、金額で検討する」
「買値にこだわらない」

 「●%引き」ではなく「○円安い」で考えるということ。●%引きでも、価格として高ければ買わないし、安ければ買うというスタンスです。

 そして「●●円で買ったのに、もったいない」ではなく、今、そして将来的に必要かどうかで、見切りをつけることが重要とのことでした。この辺りも、私たちは苦手ではないでしょうか。

 「もったいない」という気持ちで、ズルズルと継続することは「サンクコストの誤謬」と呼ばれています。
 サンクコスト(埋没費用、コンコルド効果)は、すでに支払ってしまって回収できない費用です。「覆水盆に返らず」ということわざは、サンクコストを表しています。支払ったことが惜しくて、やめたほうがよいとわかっていてもやめられず、取り戻せないサンクコストを回収しようとする意思決定が、サンクコストの誤謬です。


「覆水盆に返らず」は太公望(呂尚)が、復縁を求めてきた妻に対して言った言葉とのこと



 私たちが合理的な判断ができないケースについては、行動経済学の分野で研究されています。お金のこととなると、さまざまな感情が絡んで、「残りの人生では使い切れないほどのお金があるのに、ケチろうとする」など、おかしな行動を取りがちです。そんな性質を、行動経済学で学んでおくと、お金とうまく付き合えるようになるかもしれません。



■参考資料
個人の運用計画は「比率」よりも「金額」が簡単
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