投資詐欺の9割を占めるポンジ・スキーム。例えば、元ナスダック会長のバーナード・マドフ

 世界史上最大のポンジ・スキームとアメリカ史上最大の金融詐欺を実行したバーナード・マドフ(1938-2021年)。彼は自身がユダヤ人であることを利用して、ポンジ・スキームで資金を集めました。ポンジ・スキームの一種であるネズミ講(ピラミッド・スキーム)だったという情報もあります。
Wikipediaより


マドフ受刑者は年率10%の利回り着実に出すとの触れ込みの投資ファンドを運用し、口コミで国内外の投資家から資金を集めていた。もっとも運用の中身は投資家から集めた元本を取り崩しながら毎年の配当に充てるという自転車操業だった。しかし、「マドフ氏のファンドはもうかる」という噂が広がり、新規の資金が流入して運用資産残高は増えていった。

著名投資家からの投資資金はまさにネズミ講式に増えていった。ナスダックの会長や米証券業協会(NASD)の会長まで上り詰めた人物が運用するファンドなだけに、ユダヤ人コミュニティーや知り合いの口添えを通じてしか投資できないという特権階級意識も手伝ったされる。被害者には映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏、米大リーグ球団ニューヨーク・メッツのオーナー、野村ホールディングス、あおぞら銀行まで米国内外の著名投資家や金融機関が名を連ねた。マドフ・ファンドへの投資家数は延べ約4万人、130カ国に上った。

しかし、リーマン・ショック後に金融機関や投資家のファンド解約が急増すると、マドフ・ファンドは解約金の支払いができなくなり、破綻。2008年12月に逮捕された。「史上最大の詐欺師」とその被害者も、金融危機の影響を受けた。

 バーナード・マドフは自分がユダヤ人であることを最大限に利用して、ポンジ・スキームを行いました。ちなみに、ユダヤ人女性の慈善団体ハダサの最高財務責任者であるシェリル・ワインスタインと愛人関係にあったと、彼女が暴露しています。
 ユダヤ人同士の結束の強さが、裏目に出たわけです。

だが、彼の真のブランドは「ユダヤ系の名士」。これが投資家や当局のリスク感覚を麻痺させた。ホロコーストの生き残りでノーベル平和賞を受賞したエリ・ヴィーゼルの慈善基金、ニューヨークのユダヤ系大学イェシヴァの大学基金。個人では元ソロモン・ブラザーズ副会長のヘンリー・カウフマン博士や、GMACのJ・エズラ・メルキン前最高経営責任者(CEO)……被害者の名前を眺めていると、米国の有力ユダヤ人脈がとりわけ目を引く。

ユダヤ人社会は排外的だが、いざ懐に入るとフリーパス。マドフはそれを利用して、ユダヤ系慈善団体から資金を集めて国際的な信用をつけた。トレモント・キャピタル・マネジメント、フェアフィールド・グリニッチ・アドバイザーズなど「フィーダー」と呼ばれるファンド・オブ・ファンズが周辺に集まり、「目端の利くユダヤ人が集まって運用している」という謳い文句と神秘性にくるんで世界中にファンドを売りさばいたのだ。

 巨大な詐欺が発覚したきっかけは、2007年末から2009年頃までのサブプライムローン危機。2008年9月15日には、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻しました。
 バーナード・マドフのファンドは投資家からの払い戻し請求に対応できなかったため、2008年12月11日に、詐欺罪でFBIに逮捕されました。

 Netflixドキュメンタリーシリーズ「バーナード・マドフ: ウォール街の詐欺師」では、次のように人物像が描かれています。

もともと貧しいユダヤ系移民の家庭に生まれ育ったマドフは、戦争中の飢えや実父の事業失敗などを経験したこともあり、成長するにつれて富や社会的地位への並々ならぬ執着を持つようになった。

成功を目指してロースクールに入学したが、授業についていけず1年で中退。

それでも大金を稼ぐ夢を諦めたくなかったマドフは、義父のサポートを受けてウォール街で証券会社を設立。

 貧しい子ども時代のために、金への執着が強くなり、「贅沢をしたい」「他人よりも豪華な暮らし・華美な装いをしたい」と思うようになったのでしょうか。

 マドフ被告の贅沢な暮らしぶりは、弁護人が裁判所に提出した保釈請求趣意書から、明らかになったもので、これによると、マドフ被告と妻の不動産資産は08年末の時点で2200万ドル(約22億円)に上っている。

 夫妻は、南フランスのカプ・ダンティーブ(Cap d'Antibe)に100万ドル(約1億円)の豪邸を持ち、米フロリダ(Florida)州パームビーチ(Palm Beach)に1100万ドル(約11億円)の豪邸を所有している。

 また、ニューヨーク(New York)のマンハッタンにも700万ドル(約7億円)のマンションがあり、保釈が認められた場合はこのマンションに戻ることになる。

 不動産以外では、マドフ被告は1000万ドル(約10億円)相当の家具や美術品を保有し、700万ドル(約7億円)のヨット「ブル」号、およびブル号を留めるための150万ドル(約1億5千万円)の係留施設をフランスで所有していた。

 また、ぜいたく趣味で名高いマドフ夫妻は、ニューヨークのマンションだけで、260万ドル(約2億6000万円)相当の宝石、3万9000ドル(約400万円)のスタインウェイ(Steinway)のピアノ、6万5000ドル(約600万円)の銀器を所有していた。


 バーナード・マドフが逮捕された2年後、彼の長男のマーク・マドフは自殺しました。 次男のアンドリューは2014年にがんで亡くなったそうです。
 これがポンジ・スキームの末路ということになるのでしょうか。
 

■参考資料


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