洋の東西を問わず、正負の法則
美輪明宏さんのことは、ここではあえて「美輪様」と呼びます。
かなり前に、美輪様をあがめる知人がいました。その関係で読んだのが、『ああ正負の法則』。出版は2002年なので、21年前も前のことですね(進次郎構文)。
「正負の法則」は、神様にこっそり内緒でつくった人生のカンニングペーパーとのこと。
世の中には「正と負」、一般的にはプラス面とマイナス面、ポジティブとネガティブというものがあります。この正負を両方見るのか、それぞれをどのように見るのか、見立てるかが、その人間の魂の問題のみならず、人生全般を決定的に左右するのだそうです。これが正負の法則。
そして、現在が「正」でも、未来も「正」であるとは限らないし、ある人物も「正」でもあれば「負」でもあるということ。光があれば、必ず影があるともいえます。
美輪様は、「前もって負をもちなさい」「そこそこの負を先回りして自分で意識してつくるといいでしょう」と語ります。
これが「負の先払い」。
面倒なことを先に済ませておくと、後から楽になる原理と似ていますね。
また、今、何か上手くいかないことや辛いことを抱えている人は、「今は負の先払いをしている」と考えるわけです。
人間万事塞翁が馬
禍福は糾える縄の如し
英語にはこうした慣用句はないようですね。
今回、仕事の関係で目を通した『正負の法則』については、原題は"The Breakthrough Experienve"。あれ? 殻を破る体験が、どうして正負の法則に??
疑問を抱きつつ読むと、訳者あとがきに「人生には、成功と失敗が同じだけある」「この世界には常に正と負の両面があって、その法則から逃れられる人はいない」「自分の中にある両方の側面をどんなときも見つめる」と書かれていました。本の内容が正負の法則というよりも、著者がセミナーなどで語っている内容が正負の法則のようですね。詳しくは本書を読んでもらうこととして……
私たち人間は、極端な判断に陥りやすい性質を持っていることは、故事成語からもわかります。人生のさまざまな局面で一喜一憂し過ぎると、精神的に安定しないですよね。
また、特定の人を「悪」と決めつけて、負の面ばかりを強調し過ぎる傾向も持っています。
さらには、特定の人間関係に落とし込みやすいという傾向も。例えば「毒親」。「私の親は毒親だった」という主張には、「ほかの親たちと、私の親は違う」「私だけが毒親の被害者」というニュアンスが含まれることもあります。
本当に「毒」だけだったのか。
ほかの親にも、同じような性質・傾向はないのか。
実はけっこう「ありふれた親子関係」ではないか。
こうした視点を持つ必要もあるのかもしれません。
『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』の中で、上野千鶴子さんは毒親を次のように説明していました。
子どもに無用な負担感、罪悪感を与える、ふつうのサイテーの母!
また、「自分との和解」というワードも出てきます。正負の両面を見て、ニュートラルな状態に持っていくということが、和解なのかもしれません。
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