着衣着火にご用心! だるだるもふもふ・モコモコフワフワの素材は火を使うときには避けよう
寒い季節になると、フリースが活躍します。私も愛用しているのですが、以前、ガスコンロで料理しているときに、袖を炎がスーッと走りました。
これは「表面フラッシュ」という現象。フリースの毛羽立ちに、火がついてしまったから起こったようです。
表面フラッシュは、着衣着火の一種。毎年約 100 人ほどが着衣着火が原因で亡くなっていて、8割以上が 高齢者です。
乾燥している冬場。寒いキッチンに立つときには厚着したくなるものです。ただ、重ね着をすると、袖やすそがもたついて、コンロの近くに立つと着衣着火のリスクが高まります。
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独立行政法人製品評価技術基盤機構PDFより |
着衣着火を防ぐには、次の条件が考えられます。
①難燃性の素材の服を身に着ける
②袖口が詰まった服を身に着ける
③万が一のときには、すぐに脱げる形状である
それぞれについて、検討していきます。
①難燃性の素材の服を身に着ける
燃えやすいのは、綿やレーヨン、キュプラなどで、燃えにくいのはなんとウール!
ニッケのサイトで、詳しく説明されています。
ウールのほか、ポリエステルとナイロンも燃えにくい模様。
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ニッケグループサイトより |
また、表面が毛羽立っていると、火が付きやすくなります。
絶対に避けたいのは、ネル生地のコットンシャツということになりそうです。
②袖口が詰まった服を身に着ける
キッチンに立つときに、フリフリとした服装はしないものですが、「外から帰ってきてすぐにお湯を沸かす」といったシチュエーションでストールなどを巻きっぱなしは危険ですね。
そして、袖口が詰まっているといえば、アームカバー。身に着けている服の上にスポットはめるだけだし、洗い物のときも服の袖が濡れないので便利です。
ただ、アームカバーだとすそ対策にはなりません。
そう考えたときに、割烹着のほうがリスク低下に役立ちそうです。
③万が一のときには、すぐに脱げる形状である
火が服についたときには、慌てずに「止まって、倒れて、転がる」というのが基本。
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独立行政法人製品評価技術基盤機構PDFより |
また、すぐに脱げるように、頭からすっぽりかぶるタイプではない着衣がよさそうです。
以上のことから、冬の着衣着火を防ぐには難燃性の割烹着がお勧めという結果が出ました。
実は、終末期に関する取材を行っているときに、高齢になったらオール電化にしたほうがよいという話を医師がしていました。物忘れや認知症で火の取り扱いについてはリスクが高まり、火事になれば多くの人に迷惑をかけるからです。
そして別件の腎臓の取材では、私たちの体は日々老化していくわけで、ずっと若いときと同じではないと、散々聞かされました。
アンチエイジングというのは、見た目の若さを保つ意味合いで使われがちですが、実際は老化の伴う体や心の変化を研究して対策を考える医学なのだそうです。人生100年時代に、健康に、安全に年齢を重ねるための、転ばぬ先の杖というところでしょうか。
そんなわけで、表面フラッシュというヒヤリハット体験をした私は、先ほど、難燃性の割烹着をぽちっと注文しました。出費がかさみますが、やけどや家事のリスクを考えると、致し方ありません。
■参考資料
独立行政法人製品評価技術基盤機構 サイト
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