ゴキブリ・コバエを食器用洗剤でやっつけるのだ! 合成界面活性剤の活用術

 暖かくなってきました。奴らのシーズンの到来です。

 「奴ら」とはゴキブリ・コバエ。
どこからともなく侵入するコバエ(イラスト/イラストの里



 ゴキブリについては、駆除エサ剤を置いているおかげでしょうか、自宅では5~6年ほど見かけていません。
 問題は、コバエ。
 どこからわいてくるのか、ハッと気づくと、キッチンをフラフラと飛んでいます。殺虫剤は用意しているものの、食品を扱う場所なだけに、スプレーしまくるのには抵抗がありました。
 それで、「コバエ〇〇」と名がついた商品も使いましたが、正直、まったく効果を感じられませんでした。
 イライラ、イライラ……

 ところで、一口に「コバエ」と言っても、いくつもの種類があり、東京都ペストコントロール協会によれば「体長5mm以下のハエとカに似た小さな羽虫の便宜的な総称」とのこと(それにしても、すんごい名称の協会だ……)。
 我が家については、チョウバエ類はほとんど見かけません。おそらくノミバエ類。

 ショウジョウバエ類やノミバエ類は、発酵臭、腐敗臭に引き寄せられるとのこと。その性質を利用した「ペットボトルでコバエ取り器」が、ネット検索でヒットしました。
 「ペットボトルでコバエ取り器」の材料は、麺つゆと酢、数滴の食器用洗剤、そしてペットボトルです。

ふつうのハエは、刺身の残りや魚のワタなどの動物性の餌を好みますが、コバエは植物性の餌を好むようです。

 麺つゆと酢は、コバエが寄ってくるコバエホイホイで、コバエを殺すのが洗剤です。とはいえ、洗剤が毒物というわけではありません。

 洗剤で死ぬことで有名なのはゴキブリ。その仕組みは、以下で説明されています。

洗剤でゴキブリが死ぬ
ゴキブリの体表面はあぶらぎっており撥水性をもっています。洗剤をかけると、洗剤に含まれる界面活性剤がゴキブリの体表面と親和性があるため、呼吸器である気門から細い気管の中まで洗剤液が浸透して、空気の出入口をふさいでしまいます。このことにより、ゴキブリは窒息死するものであり、洗剤の毒性により、死ぬわけではありません。

 界面活性剤の力で、呼吸ができなくなって、ゴキブリは死ぬとのこと。同様の仕組みで、ゴキブリだけでなく、ほかの昆虫も駆除できるようです。「ペットボトルでコバエ取り器」も然り。
 植物の害虫であるアブラムシ(アリマキ)にも効果があったという報告がありました。

台所用洗剤を水で五百倍程度に薄めたものをハンドスプレーでアリマキが発生した野菜に散布してみた。その結果洗剤水溶液がかかったアリマキは死ぬことが分かった。

※ 洗剤濃度については、検討したわけではなく、目分量でいい加減な濃度で使っている。

 「水で五百倍程度に薄めた」わけなので、かなり薄く、人体への悪影響はほとんどないと推測しました。

 また、新型コロナウイルス感染症が蔓延していた頃には、中性洗剤を薄めて消毒する方法が紹介されていました。
たらいや洗面器などに500mlの水をはり、台所用洗剤*を小さじ1杯(5g)入れて軽く混ぜ合わせる。

 コバエに効果のある界面活性剤の濃度はわからないものの、100倍以上に薄めるという、濃度のかなり低い「洗剤薄め液」でコバエやアブラムシを退治できるのか、今シーズンは実験を行います。
 ポイントは界面活性剤なのですが、界面活性剤にもさまざまな種類があります。過去には記事にしました。


 害虫退治のほかに、「洗剤薄め液」は、床やトイレなど、家の中の掃除にも活用できるという記事を発見しました。


 この記事で、濃度については、「水道水を入れたスプレーボトルに1滴程度の原液を落としてふり混ぜた」「食器用洗剤の界面活性剤の洗浄効果がもっとも現れる濃度である1〜5%程度まで薄めて使う」となっています。

〇トイレ・洗面ボウル 中性の食器用洗剤の原液を1滴
〇浴室 中性の食器用洗剤の原液を3~4滴程度
〇皮脂汚れ 中性の食器用洗剤の原液を適宜

 ポイントは「かなり薄める」にありそうですね。
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