“ラスト陰陽師”が脱税行為を告発された? っていうか、“ラスト陰陽師”って何??
国立歴史民俗博物館で「陰陽師とは何者か -うらない、まじない、こよみをつくる-」という企画展が、2023年10月3日から12月10日まで行われたそうです。ううう、行きたかった……。面白そう……。
陰陽師といえば「安倍晴明」で平安時代というイメージが強いのですが、実は明治初期まで存在し、毎年、暦を作って日本列島各地の人びとに販売していました。
明治5年11月9日に明治政府が「太陽暦を使う」と発表して、陰陽師は職を失ったとのこと。そして、文房具商やしょうゆ販売などに転職したようです。
陰陽師といえば、某ポータルサイトで以下の記事が紹介されていました。
〇人気俳優らも心酔する“ラスト陰陽師”橋本京明氏を部下が告発!「虚偽申告で脱税」「占いは素人まかせ」、直撃の回答は?
見出しの「部下」に当たるのが、Aさんです。週刊誌のインタビューに、Aさんは次のように答えていました。
しかし、いちばん驚いたのは“架空領収書”の存在です。橋本氏は『陰陽師にかかわる古書は値段があってないものだ』と言って、『本代』の名目で数百万円単位の取引実態のない領収書を知人に作成させ、税理士に提出していたんです。
私が記録しているだけでも、8000万円分以上の架空領収書が提出されています」(Aさん)
「こうした業務やパワハラに耐えて仕事を続けてきたのに、橋本氏はいっさい謝罪せず、挙げ句の果てには『解雇だ』と言う始末です。そこで私は、4月17日に東京国税局の資料調査課に橋本氏の脱税行為を告発しました」
「じつは橋本氏は占いコーナーに、完全にノータッチなんです。占い師ではない素人のスタッフが、占いの原稿をゼロから作成し、それをそのまま私が番組担当者に送っていました。途中で原稿作成者が変わりましたが、橋本氏が占いに関与していないのは変わりありません」(Aさん)
まとめましょう。
1 “ラスト陰陽師”は、雇用していた事務職員を過重労働状態に陥らせた(家族旅行の手配や結婚式の衣装探しなど、完全な私用の雑務も多かった)→労働基準法違反の可能性
2 “ラスト陰陽師”は数百万円単位の取引実態のない領収書を知人に作成させ、税理士に提出していた→法人税法違反・消費税法違反に相当する可能性大
3 “ラスト陰陽師”は、鑑定で大金を受け取っていた(「4万円以上からおこなっている個人鑑定」)
4 “ラスト陰陽師”は売上記録を改ざんしていた→法人税法違反に相当する可能性大
5 “ラスト陰陽師”は、そもそも仕事をしていなかった(占いコーナーなど)
ちなみに、占い関連の脱税は、それほど珍しいものではありません。ネット検索でヒットしたのは以下でしたが、ほかにも報道されたケースはありました。
〇電話で恋占い、4千万脱税/ブームで売り上げ2億超
占いについては鑑定料を手渡しすることも多いため、「確定申告しなくてもいいや」「ごまかせるだろう」と考えがちなのかもしれません。もちろん、占い師の中でも一部でしょうが。
同様に、占いにまつわる消費者トラブルが多数報告されています。国民生活センターや政府・各自治体のサイトで、注意喚起が行われています。
〇それって占い?!占い師や鑑定士を名乗る者から次々とメッセージが届いてやめられない-占いサイトのトラブルに注意-
〇やめられない!? 占いサイトに気を付けて
〇不当な寄附勧誘行為は禁止! 霊感商法等の悪質な勧誘による寄附や契約は取り消せます
〇「私には、見えます」霊感等の知見を用いた「怪しい占い・霊感商法」の勧誘に注意
従来より消費者契約法では、霊感等による知見を用いた告知による勧誘は契約取消しの対象でしたが、消費者被害の深刻化に対応するため法改正が行われました。改正前は「そのままだと消費者本人の将来に悪い事が起きると不安をあおる勧誘」が取消し対象でしたが、改正後は「消費者本人又は消費者の親族の生命や財産などに関して、そのままだと今ある悪い事、将来起こる悪い事を回避できないと不安をあおったり、現在不安を抱いていることに乗じたりする勧誘」が対象となりました。行使期間は契約締結から10年(改正前は5年)、被害を受けていたと気付いた時から3年(改正前は1年)の間、適用されます。
「契約から3年」は契約が取消できるということなので、「占いで大金が……」という人がいたら、あきらめずに取り返すアクションを始めてほしいところです。
ところで、橋本京明氏が自称していた“ラスト陰陽師”って何を意味しているのでしょうか。
『霊供養 2』(説話社)という本でのプロフィールは次のとおり。神官家系で『霊供養』という本を出して、占い師。ふ~ん……
福島県郡山市生まれ。神官の家系に生まれ、幼い頃から霊視・予知をするなど不思議な力を持つ。8歳で四柱推命をはじめとする各種占術を学ぶ。その後、心的鍛錬のために金峯山寺や比叡山行院などでも修行を積み重ねる。会社員と併走して占い師として活動。2008年に地元、郡山にて「橋本京明オフィス」を開業。驚異的な的中率が話題となり、テレビや雑誌など各メディアに紹介される。拠点を東京に移してからも個人鑑定は続け多くの悩める人を解決へと導く。自身のYouTubeチャンネルは登録者42万人を超える。著書に『霊供養』(説話社)、『陰陽師・橋本京明のとらわれない生き方』(大和書房)など多数。
とりあえず、「ラスト」の意味を考えましょう。goo辞書では、次のように解説されていました。
1〔the ~〕(順序が)最後の(解説的語義)最終の,一番後ろの,(順位が)最下位の,びりの(⇔first)2〔the ~〕〈時間などが〉期間の最後の(解説的語義)2a〔通例one's ~〕人生の最後の,最期の,臨終の2b〈日時などが〉最近の(解説的語義)この[すぐ]前の,昨[去,先]…(⇔next);〔the ~〕最新の(latest)3〔the ~〕(可能性が)最後の(解説的語義)最も(…しそうに)ない,(…するのに)最もふさわしく[望ましく]ない≪to do≫4〔the ~〕〈決定・発言などが〉最終的な(解説的語義)結論的な,決着をつける,とどめの5〔the ~〕〈事(の程度)が〉究極的な6((略式))個々の,一個の,一人の
ラスト陰陽師=最後の陰陽師なのか、ラスト陰陽師=最下位の陰陽師なのか……
そして「陰陽師」で検索をかけると、安倍 成道氏がヒットしました。なんと、東洋経済というサイトに寄稿。ビジネスマンも、占いなどが好きなんですかね、どうなんですかね。
安倍 成道(あべの なりみち)Narimichi Abeno陰陽師1981年、京都府生まれ。安倍晴明の血を受け継ぎ、晴明の陰陽道を継承する六家(宗家、木の家系、火の家系、土の家系、金の家系、水の家系)のなかの、水の家系第27代陰陽師。現在は第26代である父のもとを離れ、都内で陰陽師として活動。主著に『陰陽師の使命』『水の家系第27代陰陽師指南 念』(アールズ出版)、『現代の陰陽師 安倍成道』(学研パブリッシング)。
陰陽師の主な仕事は「暦づくり」という印象です。地道に天体を観測することが重要で、動画を撮影したり、脱税行為に精を出したりすることではないですよね。
実際の陰陽師たちは「何者か」と問いたくなるほど、時代によって役割や働きが変わっていったようです。本書では、彼らが登場する古代から陰陽師の制度が廃止される明治のはじめまでの歩みを240点以上の歴史資料とともにたどります。病気や怪我に効くまじないの本や、呪符が書かれた土器のほか、天文台のある屋敷図など、陰陽師の仕事である暦づくりに関係する史料も掲載されています。なかでも大和に移り住み、南都暦をつくった陰陽師の史料は興味深いものです。彗星(すいせい)の出現など天体観測を余白に書き込んだ暦、息子へのメッセージが綴られた占いの写本、暦づくりのスケジュールが分かる珍しい史料も紹介されています。
なんだかんだで、“ラスト陰陽師”=最下位の陰陽師。
こんなん出ましたけどぉ~
■参考資料
1000年前から明治初期まで、全国で活躍した陰陽師。しかし明治政府が突如、彼らを失業に追いやった…陰陽師の転職先は?


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