マーケティング5.0を、素人がざっくりと読んでみた4 環境は整っていても、使えていないというデジタル・ディバイド

 マーケティング5.0の課題として挙げられているデジタル・ディバイド。総務省や内閣府で資料が作成されていました。

デジタル・ディバイドとは、「インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差 」のことをいう。

 平成23年版情報通信白書には、3つのデジタル・ディバイドが挙げられていました。

3つのデジタル・ディバイド

〇地域間デジタル・ディバイド インターネットやブロードバンド等の利用可能性に関する国内地域格差
〇個人間・集団間デジタル・ディバイド 身体的・社会的条件(性別、年齢、学歴の有無等)の相違に伴う ICT の利用格差
〇国際間デジタル・ディバイド インターネットやブロードバンド等の利用可能性に関する国際間格差

 今の日本では、地域間デジタル・ディバイドはほとんど存在しないのではないでしょうか。山間部や過疎地、海上を含む日本全域を衛星インターネットでカバーできる状態で、2022年のインターネット利用率(個人)は84.9%となっていました。

 一方、個人間・集団間デジタル・ディバイドは、依然として生じている状況です。

フルデジタルのインフラは、フルデジタルの社会を約束するわけではない。デジタル技術は、主として基本的な通信やコンテンツ消費のために使われており、より高度な応用は民間部門においてさえまだ少ない。デジタル・ディバイドを埋めるためには、企業と顧客の両方がテクノロジーの導入を増やさなければならない。

 確かに、普段の生活で私たちは、SNSや動画鑑賞などでしかデジタル技術を利用していないように思えます。ChatGPTに質問した経験はあっても、おもしろがっているだけで、日常生活にどう生かせばいいのかはわからないというのが、ほとんどではないでしょうか。
 また、企業とのやり取りについても、デジタル技術だけで完結しないケースにも遭遇します(「入力ミスをしたので取り消したいのだが、その操作ができなくなっている」「結局、『電話をかけてください』ということになるんだな」などなど)。
 デジタル技術を使える環境は整っているものの、仕事やプライベートではまだまだ使いこなせていないのが現状かもしれません。

 人間の行動とデジタル技術は、以下のように対応して補完する関係にあると『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』では説明されていました。

人間 : デジタル技術

考える : 人工知能(AI)
コミュニケーションを取る : 自然言語処理(NLP)
感知する : センサー技術
動く : ロボティクス
想像する : 複合現実
つながる : モノのインターネット(IoT)、ブロック・チェーン

 「デジタル技術を、どこに、どこまで」という利用例も、本書で挙げてあります。すでに成功例・失敗例がたまっているため、それらを検討しながらマーケティングなどに導入していくことになるのでしょう。

 ところで、2015年には、野村総合研究所が「人工知能やロボット等で、日本の労働人口の49%が代替可能に」というレポートを発表し、一時期、「AIに奪われる仕事」が話題になりました。
「人工知能やロボット等で、日本の労働人口の49%が代替可能に」より


 私事ですが、2020年に刊行した教育書(編集・ブックライティングを担当)のテーマの一つでもあります。そのようなこともあって、5年ほど前までは、デジタル技術に対して過度な期待と不安が抱かれていたように思えます。

 現在では少し落ち着いていて、デジタル技術を使いこなう上での質問・指示の出し方や修正のやり方などを、私たち人間が学ぶことが重視されているという印象があります。『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』では「共生」を模索するヒントが多数挙げられていました。

 マーケティング5.0とは、人間を模倣した技術を使って、カスタマー・ジャーニーの全行程で価値を生み出し、伝え、提供し、高めることだ。

ネクスト・テクノロジーは、マーケターがカスタマージャーニーの全工程にわたって価値を生み出し、伝え、提供し、高める手助けをするために使われる。摩擦のない魅力的な新しい顧客体験(CX)を生み出すことが目的である。それを実現するにあたり、企業は人間の知能とコンピューターの知能とのバランスのとれた共生を活用しなければならない。

 私たち人間が「何を習得すべきか」を改めて考えるタイミングが、今なのかもしれません。

 試しに「デジタル・ディバイド」のイラストをAIで生成したのですが、文章のテーマにまったく合わない出来上がりになってしまいました。
 質問力
 指示力
 まだまだスキルアップが必要です。ちなみに「世界経済の潮流  2024年 I」では、編集者や著述家、グラフィックデザイナーなど、出版に関わる仕事はAIなどとの「代替性が高い職業」に入っていました。

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