【ほったらかし投資勉強会】マニュアル2 運用資金の中から「リスク資産」の保有額を決定する
個人や企業が所有する財産である資産には、固定資産と流動資産があります。
〇固定資産:土地や建物、機械設備、特許権といった、長期的に所有される資産
〇流動資産:現金、預金、売掛金、商品、有価証券など、短期的に所有する資産、もしくは1年以内に現金に換金することができる資産
資産運用とは、資産を預貯金や株式、投資信託などの金融商品、あるいは不動産などに配分して、リターン(収益)を得ることです。
運用方法には、元本保証がある預貯金などから、株式のように購入額から価格が下がる元本割れのリスクを伴うものまであります。なお、ここでのリスクは、リターンの変動、つまりブレの大きさを指しています。
ちなみに、私は過去に日本航空の株式を所有していて、2010年に経営破綻したときに大損をしました。
株式のようにリスクの高い資産を、リスク資産といいます。
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リスクとリターンより |
[ほったらかし投資術]実行マニュアルには「最悪の場合1年後に3分の1程度にへるかも知れないが、同じくらいの確率で4割儲かる場合もあり、平均的には年率5%程度の収益率が見込める資産をいくら持つか」とあります。
リスク資産の決め方は、個人差が大きいのではないでしょうか。私たちは一般的に、「もうかるなら確実にもうけたくて、損をするのはなんとか避けたい」という心理状態になりがちです。投資額が300万円のときと600万円のときで、「最悪の場合1年後に3分の1程度損をするかも知れないが、同程度の確率で4割くらい儲かる場合」について計算してみましょう。
〇投資額が300万円
最悪:100万円が減って200万円
最高:120万円が増えて420万円
年率5%程度のリターン:15万円
〇投資額が600万円
最悪:200万円が減って400万円
最高:240万円が増えて840万円
年率5%程度のリターン:30万円
期待リターンとは、投資対象の資産を保有した場合に、長期的に予想される1年当たりの平均的な収益率です。「期待」は、統計学での「期待値」で、将来の実現確率で重み付けされた加重平均としての「予想」の意味です。
「日本株の期待リターンは4.8%、リスク(標準偏差)は約19%」とのこと。この数字から、[ほったらかし投資術]実行マニュアル2が導き出されたと『ほったらかし投資術』(朝日新聞出版)に書かれていました。
【ほったらかし投資勉強会】マニュアル1 概ね3カ月〜6カ月の生活資金を確保して、普通預金に置く に引き続き、現在の貯蓄額が1000万円の4人世帯で実行するケースを考えてみましょう。
1000万円(貯蓄額)-192万円(生活資金)=808万円(運用資金)
最悪の事態と最高の事態を検討した上で、808万円の内、「1年で30万円のリターンがあるといいな」と思ったら600万円、「15万かな」であれば300万円をリスク資産に投資します。
私個人としては、当たり前の話ではありますが、投資の額を増やすほどリターンの額が大きくなることを体験しているので、ここでは600万円をリスク資産とします。オルカン・ショックなど振れ幅はそこそこにあるものの、長い目で見ると確実に資産は増えていっています。
808万円(運用資金)-600万円(リスク資産)=208万円(無リスク資産)
振り返ると、学生の頃からなぜか金融商品を購入していました。前述の日本航空株など、いろいろと失敗しましたが、結果として現況は「不安定なフリーランスの仕事でも、取引先が倒産しても、気が狂うことなく生活が継続できている」程度に運用ができています。その最大の要因が、ほったらかし投資です。
■ 『ほったらかし投資術』 以外の主な参考資料
分散投資の意義② 投資のリスクとは
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