【ほったらかし投資勉強会】オルカンが選ばれた理由を掘り下げてみた
投資信託(投信、ファンド)は、投資家から集めた資金で、株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用成果は、投資額に応じて投資家に分配されます。
投資信託は運用会社で作られ、販売会社(主に証券会社、銀行など)通じて販売されます。多くの投資家が投資信託を買う(保有)ことで、集まったお金は信託銀行が保管します。運用会社は、集めたお金をどこにどうやって投資するのか考え、その投資の実行を信託銀行に指示します。
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投資信託の仕組みより |
投資信託でよく登場するポートフォリオ(Portfolio)。この語源は、イタリア語のPortafoglioで「札入れの財布」を意味します。Portaは「運ぶ」「支える」「保つ」という意味を持つ接頭語で、Foglioは「紙」「紙幣」「設計図」「地図」のことです。
金融では、どの投資信託や株式の銘柄を購入するか、資産(アセット)のうちどれくらいの割合を現預金で構成するかなどを決めることを「ポートフォリオを組む」といいます。
ポートフォリオと似た言葉がアセットアロケーション(資産配分)で、運用資金をどの資産で運用するか、その比率を決めることです。「株式」「債券」などをアセット・クラス(資産分類)といいます。
投資プランを立てるときには、アセットアロケーションを確定した後でポートフォリオを決めます。
インデックス運用は、インデックス(市場の動きを示す指数)に連動することを目指す運用です(なお書籍ではインデックスは索引)。
パッシブ運用とは、ベンチマーク(指標)に連動する投資成果を目指す運用方法です。ベンチマーク(benchmark)とは、本来は測量での水準点を示す語で、それが金融では、日経平均株価やTOPIXなどの指標(運用評価の基準)を表すようになっています。
一般的に、「インデックス運用はパッシブ運用の一種」と説明されているのですが、『ほったらかし投資術』(朝日新聞出版)では違います。
運用評価の基準になるベンチマークとインデックス・ファンドが連動を目指す指数が異なる場合に、「インデックス運用だけれどもパッシブ運用ではない状態」が起こりえます。
特定の指数に連動はしているものの、投資成果は連動していないケースがあるということだと、個人的に理解しました。
インデックスを評価するのは次の6点だと、『ほったらかし投資術』では説明されていました。
1 対象とする銘柄が属する市場・国2 採用銘柄数3 採用銘柄の属性4 指数を計算する上での個々の銘柄のウェイト付けの方法5 銘柄・ウェイトの変更ルール6 指数の利用状況(先物市場があるか、インデックス・ファンドの資産規模合計はどれくらいか)
どうやら、偏らせないこと、そしてどこに重きを置くかということで、運用が左右されるようです。
銘柄は同じでも、ウェイトの付け方の違いによって、ファンドの性格は大きく変わるし、リターンにも大きな差がつく。特に金額が大きなポートフォリオになると、東証一部上場の時価総額が大きな銘柄は大半のファンドがファンド内に組み入れることになる。ファンドマネジャーの腕の見せ所はウェイトの付け方だ。「銘柄選択」だけに気を取られているのでは不十分だ。
AIがインデックスを挙げてくれました。
国内株式:日経平均株価:日本経済新聞社が算出・公表する、日本の代表的な株価指数です。東京証券取引所プライム市場に上場する225銘柄の平均株価を表します。TOPIX (東証株価指数):東京証券取引所が算出・公表する、東証プライム市場全体の株価指数です。日経平均プロフィル:日経平均株価の算出方法や構成銘柄、関連指数などの情報を提供しています。日経平均プロフィル
海外株式:S&P500:米国の代表的な株価指数で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表しています。ニューヨーク証券取引所またはNASDAQに上場する主要な500銘柄で構成されています。NYダウ (ダウ工業株30種平均):米国の代表的な株価指数で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表しています。30銘柄の株価を平均したものです。NASDAQ総合指数:アメリカのNASDAQ市場に上場する全銘柄の時価総額で算出される株価指数です。FTSE100:イギリスのロンドン証券取引所に上場する時価総額上位100銘柄で構成される株価指数です。DAX:ドイツのフランクフルト証券取引所に上場する時価総額上位30銘柄で構成される株価指数です。
その他:債券インデックス:国内外の債券市場の動向を表す指標です。REITインデックス:不動産投資信託(REIT)の市場動向を表す指標です。コモディティインデックス:原油、金、穀物などの商品市場の動向を表す指標です。
インデックスを算出する方法には、等株数ウェイト型と時価総額ウェイト型(時価総額加重平均型)があるとのこと。
等株数ウェイト型:株価指数を算出する際に、構成銘柄をすべて同じ割合で組み入れる方式:日経平均、NYダウ
○中身がわかりやすくて複製が容易
○株価が高い銘柄に過大なウェイトが集まりやすい
○ポートフォリオとしてのバランスが悪い
時価総額ウェイト型:株価指数を計算する際に、各銘柄の時価総額(株価×発行済株式数)の大きさに応じて、指数における各銘柄の比重(ウェイト)を決定する方法:TOPIX(東証株価指数)、S&P 500指数、MSCIコクサイ、MSCIAC(以下、MSCIオール・カントリー)など
○市場に参加している投資家全体の手数料を除くパフォーマンスを代表している
○ファンドの金額が大きくなっても運用に無理がかかりにくい
○人気が過熱して時価総額が膨らんだ銘柄に対して過大なウェイトがかかりやすい
○企業が過大評価されているときに大きなウェイト、過小評価されているときに小さなウェイトを持ちやすい
インデックス運用している投資信託がインデックス・ファンドで、連動対象としているインデックスによってファンドの特性が異なります。 そのため、同じインデックス・ファンドでも、商品によって運用が異なっているのです。
長期・分散・低コストが大原則のほったらかし投資で、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー、オルカン)が選ばれたのは、上記の理由があったからでした。
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