【ほったらかし投資勉強会】「まだ健康で体力があるうちに、金を使ったほうがいい」『DIE WITH ZERO』
時間と金を最大限に活かすためのカギは“タイミング”にある。
重要なのは、「どの年齢で、どれくらい金を稼ぎ、どれくらい楽しい経験に金を費やすか」だ。
まだ健康で体力があるうちに、金を使ったほうがいい。
「50万円を50億円に増やした」「5年で1億ためる」という成功体験の文言がネット上で踊っていますが、そもそも1億円もためる必要があるのでしょうか。
例として、FIRE (Financial Independence, Retire Early、経済的自立と早期退職) 。達成条件として、次の2つが挙げられています。
●年間支出の25倍の資産を貯蓄する
●資産を4%ルールで運用する
1人暮らしの毎月の生活費の平均額は16万7620円なので、年間支出の25倍は5028万6000円。おおよそ5000万円を貯蓄してeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー、オルカン)で運用したら、それでよしという考え方ができます。
また、『ほったらかし投資術』(朝日新聞出版)の著者の一人である水瀬ケンイチさんは、2021年に「億り人」になったそうですが、IT企業の会社員です。サラリーマンとして働いたり、サッカー応援やスノーボードなどの趣味にいそしんだりしているとのこと。
仕事というものは、充実した時間を過ごす選択肢の一つです。働き続けることを前提にすれば、5000万円をためる必要はありません。
お金の話については、「増やす」「ためる」が強調されがちですが、人生の満足度の観点では気持ちよく使うことが重要だと、もう一人の著者である山崎元さん(2024年没)は述べていました。
ちなみに山崎さんの趣味は競馬。週末ごとに馬券を買っていたそうです。またお酒も好きでした。
お酒については、哲学者の国分浩一郎さんが以下のように語っていました。
タバコや酒や甘いものは全部、何かしらリラックスさせる機能を持っていますよね。行きつけのバーのマスターが見せてくれたソムリエ教本に、良いことが書いてあって。「お酒は必ず酔うし、身体も冷えるし、良いことはありません。でも、たったひとつだけ良いことがある。それは何物にも代えがたいリラックス効果があるところです」と。嗜好品について考える時はこの言葉をよく思い出します。
費用対効果のコストパフォーマンス(コスパ)、時間対効果のタイムパフォーマンス(タイパ)にこだわり過ぎると、毎日を貧しく、みじめにしている感じがしなくもありません。たとえ生活に十分なお金や貯蓄があったとしても、なんだか貧乏なのです。
お金を増やすことにとらわれると、50000000とか1000000000など、通帳やモニターに並ぶ数字の0を愛してしまうようになります。また、0の数が減ると、罪悪感を覚えたり、不安になったりします。日々暮らしていくのに十分なお金があっても、心の余裕が失われ、生活が楽しくなくなります。
そして生物のあり方として、年々、私たちは老い、死へと近づいていきます。悲しい話ですが、高齢になるほど、体力も気力も、喜びの感情さえも衰えていくのです。
20代の頃は夜を徹して友達とおしゃべりすることも楽しかったのですが、今では拷問。
革製のブランドバッグも、重すぎて、今は毎日リュックとスニーカーです。
海外旅行についても、今は飛行機にじっと座っている時間が苦痛でしかありません。
酒豪で名をとどろかせていた知人は、前期高齢者になってから夜9時には眠くなり、お酒も楽しめなくなったと話していました。
自分の経験からも、ほったらかし投資を行いつつ、お金を使うことが十分に楽しめる若いうちに気持ちよくお金を使うことを、頭の片隅に置いてほしいと思っているところです。
大切なのは、自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うことだ。当然、それはヒトによって違う。
富の最大化ではなく、人生の喜びを最大化するための方法を探すことだ。
■ 『ほったらかし投資術』 以外の主な参考資料
FIREとは?投資・資産運用でアーリーリタイアを目指す方法を解説
「億」貯める人が保険に入らない超合理的な理由


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