「市川地域広報戦略研究所」計画 その4 図でビジネスでのお金の流れを検討する ~『会計の地図』
ビジネスにおけるお金の流れが図解されている『会計の地図』(著/近藤哲朗、沖山誠 監修/岩谷誠治 ダイヤモンド社)については、なんと、全文が無料で、ネット(noteというサービス)で読むことができます。
□「 #会計の地図 」全文無料公開
ちなみに『クラナリ』では、以下の図を掲載していましたが、『会計の地図』とは利益の場所が異なります。また、『会計の地図』の「売上」が「収益」になっています。収益には売上のほかに、利息なども含まれています。
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『クラナリ』 |
『会計の地図』Amazonページより |
ちょっと違いはあるものの、お金の流れを知るという点では『会計の地図』が便利なので、目次に沿って項目を確認していきましょう。なお、『会計の地図』のまとめではないので、本の内容については実際に読んでください。
1 自分は、会社にどう貢献しているか?
売上 「何人がいくら支払ったのか」の合計
売上=客単価×客数
費用 「売上0でもかかるお金」
費用=変動費+固定費
利益 「売上」から「費用」を引いたもの
利益=売上-費用
売上とは、商品やサービスを提供して得たお金の合計で、商品の購入やサービスの提供などにかかった費用は計算されていません。
一方、利益とは、売上から費用を引いた、実際に儲かった金額を指します。
売上と費用は1年ごとに計算されます。
利益には、次のものがあります。
売上総利益=売上-売上原価(仕入先):当期中に売り上げた商品の売上高から売上原価を差し引いた1年の粗利益の集計
営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費(取引先社員):本業で稼いだ利益→事業の収益性がわかる
経常利益=営業利益-営業外損益(銀行など):経常的な企業活動の結果稼いだ利益→会社の稼ぐ力がわかる
当期純利益税引前=経常利益-特別損益(その他):営業と直接関係ない臨時的な損益も計算した利益
当期純利益=当期純利益税引前-税金(国):会社が支払う法人税等を差し引いた最終的な利益→株主に対する配当の源泉
PL(損益計算書) 「誰に配分し、利益がいくら残るか」がわかる書類
損益計算書は、1年間の収益と費用を表わしたものです。業績を「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つの利益に分けて段階的に示しています。
資産 「何を使って価値を生むか?」の答え
現金や預金など、会社が所有している財産です。資産=負債+純資産という関係になります。
資産の種類
流動資産 現金化しやすい資産で、現金、預金、受取手形、前払費用、短期貸付金など
固定資産 現金化に時間がかかる資産で、土地、建物、車両など
繰延資産 上記2つに属さない資産で、過去に支出した費用のうち来期以降にも影響があると考えられる資産(開業までにかかった費用など)
負債 うまく活用して会社を成長させるお金
いずれは返済が必要な借入金などを指しています。
負債の種類
流動負債 返済期日が1年以内のもの
固定負債 返済期日が1年を超えるもの
純資産 「たまった利益をどう使うか」を考える株主のためのお金
資産から負債を引いたもので、返済義務のない純粋な資産です。
BS(貸借対照表) これまでの歴史が詰まった「会社の性格」がわかる書類
貸借対照表は、バランスシート(B/S)とも呼ばれる、1年間の財政状態を表わす書類です。会計年度の終わり時点での会社が保有する「資産」、「負債」、「純資産(資本)」が記載されています。
現金 何にでも姿を変えられる最強の資産
〇お金の流れお金を集める →集めたお金は現金集めたお金を商品に変える →現金を他の資産(商品、商品を作る設備など)に変える顧客に商品を販売する売上が生まれ、売掛金になる →売掛金は、将来お金が入ってくることが見込まれている権利商品が費用(売上原価)におきかわる売上と費用を対応させる売上から費用を引くと利益(当期純利益)が出る利益が純資産に入る
キャッシュ・フロー計算書は、現金の流れを示した書類です。収益を出しているにもかかわらず現金が残っていない場合は、現金の流れに問題があることになります。
キャッシュ・フロー計算書は、現金の増減を表わしています。キャッシュ・フロー計算書は損益計算書で足りない点を補う役割があります。
キャッシュ・フローの種類
営業活動 会社本来の事業活動によるお金の流れがわかる(商品やサービスの売上または仕入による収支、人件費や家賃等の支出)投資活動 投資によるお金の流れがわかる(土地や有価証券などの購入と売却による収支、設備投資や新規事業に伴う支出)財務活動 資金調達と返済の実態がわかる(株式発行による収入や配当金による支出、借入金の返済による支出)
営業活動によるキャッシュ・フローで、本来の事業活動でお金がどのように動いているかがわかります。
財務3表 「利益」と「現金」でつながっている3つの書類
2 会社は社会から何を求められているか?
時価総額 世の中の人々の期待を合わせたもの
のれん 会社の創意工夫や努力で生まれる価値そのもの
PBR 「のれんをつくりだす力」を示す指標
PBR(倍) = 株価 ÷ 1株当たり純資産
PBRは株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)のこと。純資産は、企業の株の資産価値です。
PBRは株価に対して、企業がどれくらい資産を持っているかの指標で、PBRが1倍のとき、株価と1株当たりの純資産は一致しています。 ですからPBRの目安は「1倍」です。
PBR=1を上回るか下回るかで割安かどうか判断されます。1を下回ると割安、1を上回ると割高です。
市場全体が値下がりしている場合は、優良企業でも株価が下がり、PBRが1以下で低迷することがあります。そうした株は相場全体が回復したときに、他の銘柄に比べて適性価格に戻りやすいため、割安と考えられています。
ROE 「どれだけ稼げるか」を総合的に示す指標
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
3 自分は、社会に何ができるのか?
会社のお金の流れ、そして社会のお金の流れを通じて、自分が目の前にある仕事にどう向き合うか、その先にある社会にどう向き合うかを考えられるような本を書きたかった。
市川地域広報戦略研究所の場合、現金を使わない段階では以下の流れとなります。
〇お金の流れ限定地域通貨kawaを集めるkawaをアーカイブに保管するデータに変える会員にデータを販売する(取引に使うのはkawa)
※企業にデータを販売するのは、遠い未来……
■参考資料
決算書とは?種類や一緒に覚えておきたい用語についても解説
システム構築費用 6000万円
実証実験の事業費 6億6000万円
健康測定コーナーとの連携 2500万円
令和7年度当初予算案説明書
https://www.city.ichikawa.lg.jp
chiica
運営会社:株式会社トラストバンク
https://chiica.jp/
デジタル地域通貨推進事業 17億3487万5000円
chiica
運営会社:株式会社トラストバンク
https://chiica.jp/
政治・行政と一般の人々がつながり、政策に反映させる仕組みが必要だ
ブロックチェーンで変わる、企業や生活者の関係性 HAKUHODO Blockchain Initiative座談会Vol.1 ゲスト:PoliPoli 伊藤和真氏
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